反戦闘争へ女性の総決起を 7・19反戦集会の主な発言(要旨)
反戦闘争へ女性の総決起を
7・19反戦集会の主な発言(要旨)

基調報告
私たちの闘いで未来開こう
全学連委員長 矢嶋尋さん

明日、投開票を迎える参院選は、世界戦争が現実化する中、排外主義をあおり、「救国」を競い合う場となっています。多くの人々が「投票先がない」と嘆いているのは当然です。与野党を挙げて戦争翼賛に突き進むこの選挙に、私たち労働者民衆の「選択肢」も未来も一切ありません。本日のデモでこの反動的な参院選をぶっ飛ばし、私たち自身の行動で未来を切り開く7~8月実力反戦デモを爆発させましょう!
ウクライナ戦争の泥沼化、ガザ侵略の長期化とイラン侵略戦争、トランプ米政権による中国侵略戦争への本格的踏み込みと、世界戦争の歯車が急回転しています。この戦争に日本が突進する中で行われている参院選は、大軍拡と改憲、戦争国家への大転換を進め、民衆の意識を「戦時下」につくりかえるための排外主義の大宣伝の場になっています。石破は参院選の最中に「外国人政策の司令塔」として「外国人との秩序ある共生社会推進室」 を設置し、官房長官・林芳正は「一部の外国人による迷惑行為や犯罪など、国民が不安や不公平感を有する状況も生じている」と強調しました。しかし彼らは、沖縄で多発する米兵による性暴力・凶悪犯罪には絶対に触れようともしません。
現実に起きていることは何か。カンボジア人女性技能実習生が職場の経営者に連日レイプされ、妊娠すると中絶させられ、しかし加害者は不起訴になっている! このような現実は無数にあふれかえっています。日本帝国主義は「外国人」から選挙権どころか人間として生きる権利すらも奪っているというのに、何が「外国人優遇」だ!
私たちの生活が苦しいのは「外国人のせい」ではありません。資本主義の延命策としての新自由主義のもとで、40年にわたって労働者は非正規職化され、貧困を強制され、社会保障・福祉が解体され、民衆の生活は破壊されてきました。この新自由主義が今や世界の基軸国・アメリカから大崩壊し、日米政府はすべてを軍事につぎ込んで中国への戦争に突き進んでいます。資本主義・帝国主義の支配体制こそ生活破壊と戦争の原因です。
大軍拡・戦争国家化と差別・排外主義の参院選に対して労働者階級が対置するべき答えは、中国侵略戦争に絶望的に突進していく以外に出口のない日帝・石破とアメリカ帝国主義・トランプを打倒する実力闘争を巻き起こすことです。全勢力が「防衛力の抜本的強化」で一致している戦争翼賛国会に、戦争を止める力は一切ありません。女性・青年・学生の怒りを解き放ち、腐りきった戦争国会=自国政府を倒す巨大な反戦デモを切り開きましょう。
戦時差別と対決を
自民党・西田昌司の「ひめゆりの塔は歴史の書き換えだ」 という暴言、中谷元・防衛相と沖縄の陸自第15旅団司令部による旧日本軍第32軍司令官・牛島満の賛美=「皇軍」化宣言、そして天皇の「慰霊の旅」----再びの侵略戦争に乗り出すためにかつての侵略戦争の歴史を美化・抹殺する動きが激化しています。
1931年から中国侵略戦争を本格的に開始した「天皇の軍隊」は、中国人民に対し〈殺しつくし、焼きつくし、奪いつくす〉「三光作戦」を繰り広げました。この〈奪いつくす〉「資源」には、消耗品としての「労働力・性奴隷」が含まれていました。男性は「いつ死んでも構わない労働力」として強制連行され、女性は「従軍慰安婦」と称して「天皇から皇軍への下賜品」として「慰安所」へと送り込まれ、一日に数十人もの兵士に強姦(ごうかん)・輪姦されました。この歴史の事実を日本政府は一貫して抹殺しようとしてきました。こんなことは絶対に許してはならないし、私たちはこんな歴史を絶対に繰り返してはなりません。
このような暴虐を日本兵が行うことができたのは、日清・日露戦争以来、民衆にアジア人蔑視の考えが植え付けられていたからです。「天皇を中心とした神の国」である大日本帝国にとって、「大和民族」の子どもはどんどん「再生産」されなければならなかったが、朝鮮や中国の人々は「民族抹殺」が狙われました。朝鮮・中国の少女が続々と「慰安所」へ送られてレイプされ、子どもを産めない体にされていたころ、日本の女性は「産めよ、殖(ふ)やせよ」の国策のもとで「子産み道具」とされ、侵略戦争の旗振り役とされていました。今、参院選で「外国人」差別があおられるのと同時に、「女は高校を出たら子どもを産め」「男女共同参画社会は間違い」「高齢女性は子どもを産めない」(参政党・神谷宗幣)などと差別暴言が繰り返されているのは、このような思想を体現するものです。帝国主義と侵略軍隊、戦争がある限り女性の解放はありません。
戦争が近づく中で激化している女性差別や排外主義は、この残虐な歴史と一つながりのものとしてあります。「平時」からあふれかえる差別・排外主義、「性の商品化」、女性の性的客体化、性暴力は、帝国主義の最末期的危機の中で極限化しています。このような腐敗と徹底的に対決することが必要です。
3・8国際婦人デー集会実行委員会と改憲・戦争阻止!大行進、そして全学連はこの1年余り、運動内で女性差別・性暴力を発生させてしまった現実を深刻に総括し、徹底的に対決し、女性が反戦闘争の主体として闘える運動への飛躍を一歩一歩実現してきました。この地平に自信をもってさらに前進していくために、すべての女性にともに闘うことを呼びかけます。
8・6広島闘争へ
世界戦争・核戦争が現実化する中で、今夏8・6広島―8・9長崎闘争は歴史的決戦に押し上げられています。広島市当局は昨年に続いて、8月6日に平和公園立ち入り規制・集会禁圧を行うことを宣言しています。昨年、私たちは原爆ドーム前に前夜から座り込み、集会禁止を実力で打ち破って反戦反核集会をかちとりました。この地平を引き継ぎ、これを倍する結集をかちとろう!
戦時下の反戦闘争は、国家権力の弾圧と非和解で闘いぬくことで前進します。6・5天皇沖縄訪問弾劾闘争で逮捕・起訴された全学連のA君、京都大学で逮捕されたCさんを直ちに奪還しましょう。6・14反戦デモで不当逮捕された女子学生Bさんを奪還しました。学生・青年・女性の決起で弾圧は必ず粉砕できます。治安維持法制定から100年の今、戦時下の反戦運動弾圧と真正面から闘い粉砕することが、再びの戦争を阻止するために絶対に必要です。
米軍は侵略戦争体制の構築を急ピッチで進めています。この1~2年が、戦争を止めるか否かの大決戦です。世界で青年・学生・女性が戦争と差別・排外主義に対する内乱的な実力デモを展開しています。これに比肩する闘いを本日の集会とデモから爆発させ、8・6広島―8・9長崎へ攻め上りましょう!
天皇制と対決し性差別うち破る
全学連書記次長 西村凌風さん

差別・戦争と闘うトランスジェンダーの学生として、トランプが女性、セクシュアル・マイノリティー、移民を弾圧し迫害していることを徹底弾劾します。トランプはトランスジェンダーの排斥は「女性の安全のため」と言っていますが、中絶禁止の復活を自分の手柄として誇っている人物です。こんなやつに「女性の安全」を語る資格はありません。女性の怒りを、トランスジェンダーを圧迫し女性の権利を破壊する道に流し込もうという魂胆が許せません。
日本の性差別の激しさは帝国主義の中でも飛び抜けています。日帝は国民統合のイデオロギーを、差別と侵略の元凶である天皇制に求めるしかない。だからジェンダー規範に合わない者を締め上げることでしか権力を維持できないのです。
中国侵略戦争情勢の中で、日帝のセクシュアル・マイノリティー差別がさらに激烈で殺人的なものになっていくことは明白です。参政党は「LGBTは秩序を乱す」と言っています。セクシュアル・マイノリティーは、日帝・天皇制を打倒しなければ命をつなぐこともできないのです。
女性が政治と暴力の主体となり、帝国主義が生み出す女性差別と真っ向から対決することによってこそ、卑劣な差別を粉砕して戦争を止める力が生まれます。女性、セクシュアル・マイノリティーが自らの手で戦時下の差別主義を打ち破ろう。支配階級に憎まれる存在であることに誇りを持って闘おう!
福島の怒り解き放ち核戦争阻む
福島 青年労働者
米帝がイランの地下核施設を空爆し、核戦争の火ぶたが切られました。トランプはこれを「戦争を終わらせた広島・長崎と本質的に同じ」などと正当化し、許しがたいことに日帝・石破政権はこれを即座に全面支持しました。
石破は福島原発事故の直後、核の「潜在的抑止力」のために原発の必要性を説き、核武装路線を維持しています。福島では帰宅困難区域が次々と解除され、旧東電経営陣に対して事故の責任を認めない判決が下され、汚染土の全国拡散、放射能安全キャンペーンの展開など、原発事故圧殺が強まっています。
福島の人間が原発事故と向き合うということは、自分たちが国から切り捨てられた国民であると認めることから始まります。国は福島の人間の怒りを抑え込み、原発事故をなかったことにして、原発を再稼働・増設しています。
でも、国家権力がどんなに弾圧しても、この怒りに目覚め立ち上がった人間をねじ伏せることはできない。そのことを、私の存在をもって証明してみせるという覚悟でここに立っています。14年前に初期被曝し、内部被曝を強いられている一人として、この核戦争を絶対に許すことはできません。その怒りを爆発させて、今日のデモを闘い抜きたいと思います。
国家暴力にうち勝つ実力デモを
婦人民主クラブ全国協議会 川添望さん
不当逮捕された女子学生Bさんを奪還してこの場に集まっている勝利を、断固確認しましょう。私たちは、運動内で起きた女性差別事件を徹底的に反省し、女性差別・抑圧と闘える運動への変革を一生懸命やり抜いてこの地平を獲得しています。この闘いを断固進め、日帝を打倒してプロレタリア革命をやり遂げる運動体として飛躍と前進を断固かちとっていこうではありませんか。
差別・排外主義を絶対に許さないということは、国家の暴力と立ち向かうことになります。皆さん、怖いですか? 絶対に勝てます。私たちは小なりといえども、国家権力に立ち向かって天皇の沖縄・広島訪問に反対し、天皇制打倒の声を上げました。闘えば、絶対に帝国主義を打倒することができます。腐りきった参院選をぶっ飛ばして、実力の反戦デモに立ち上がることこそが、社会を変えていく唯一の道です。
この日本において差別・排外主義、戦争を象徴する天皇制を徹底弾劾し、国家権力の暴力と対決し、中国侵略戦争を絶対に阻止しましょう。
8月6日の広島こそが、その最大の決戦です。再びの核戦争・侵略戦争を許さないために、原爆ドーム前に大結集して戦争絶対反対、核戦争を進めるトランプ・石破打倒の声を世界にとどろかせようではありませんか。女性、学生、青年こそがその先頭で闘おう!
差別事件糾弾!男性こそ変革を
関西 青年労働者
昨年末、関西の運動内部で重大な女性差別事件が起こっていたことが、当該女性をはじめとする仲間の渾身(こんしん)の決起によって明らかになりました。しかも、当該女性から相談を受けた責任者的な立場の人たちは、加害者を擁護して当該女性に責任を転嫁し、告発を圧殺しました。加害者はもちろん、当該女性の告発を圧殺してきた女性差別集団を私は未来永劫(えいごう)許しません。
当該女性の決起から8カ月、告発した当該女性たち、その仲間たちが先頭に立ち、加害者への徹底糾弾や激しい議論の上、実践を通して運動体の変革をかちとっています。この告発・決起がなければ、女性差別・性暴力をはじめとする差別・排外主義や、その元凶である天皇制に心から怒り、闘うことはできませんでした。二度と同じことを繰り返さない、繰り返させないために、当該女性の決起に学び、苦しみと悔しさに肉薄していくこと、とりわけ男性が女性差別の現実に怒り、自己変革を伴いながら主体的に女性解放闘争を闘うことが強く求められています。反戦闘争と女性解放闘争を一体のものとして、青年・学生・女性が先頭に立ち、共に闘いましょう!
明日、関西でも反戦反核を訴えるデモを行います。今日と明日、一体で闘いぬき、8・6広島原爆ドーム前座り込み闘争に断固決起しましょう!