陸自隊長が市民を恫喝 宮古島駐屯地 訓練監視行動に逆上
週刊『前進』04頁(3409号04面04)(2025/08/18)
陸自隊長が市民を恫喝
宮古島駐屯地 訓練監視行動に逆上

(写真 市街地訓練を監視する市民を居丈高に恫喝する司令官)
陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)トップの比嘉隼人宮古警備隊長(一等陸佐)が8月6日、新隊員の徒歩防災訓練を監視していた市民に対し、「許可を取ってこい」と恫喝していたことが明らかになった。中国侵略戦争に向かって琉球弧の軍事要塞(ようさい)化が進む中での自衛隊の我が物顔の振る舞いに、現地では抗議の声が高まっている。
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会が訓練の様子を撮影しようと「いらぶ大橋海の家」の駐車場にいたところ、徒歩訓練の隊員約30人が来て休憩を始めた。メンバーが拡声器で「きれいな朝日に戦闘服姿は似合わない」と語りかけたところ、比嘉隊長が怒気をはらんだ口調で「そもそも許可を取っているんですか」と詰め寄り、「許可を取れ早く、取ってこい」と命令口調で怒鳴った。同会はこの時の動画を公開しているが、比嘉隊長の逆上した声は完全に恫喝そのものだ。
県所有・管理の駐車場は使用許可を必要としない。そもそも市民が自衛隊を監視したり、声を発することに誰かの許可を要するものではない。それよりも、自衛官が基地の外に部隊で出て行進したり、休憩することの方が大問題だ。だが、自衛隊は誰の許可もなく、徒歩訓練を強行した。訓練は5日夜から6日朝にかけ第15旅団の新入隊員16人が参加した徒歩防災訓練で、伊良部島と下地島の公道を約35㌔にわたって歩いた。
メディアの目もなく女性だけだと読んで、高飛車で居丈高な暴挙に出たのである。制服の自衛隊幹部が怒鳴りつけることは、銃やミサイルを背景にした脅迫そのものであり、むき出しの暴力だ。
同会の清水早子共同代表は、「初めて口をきく人にいきなり罵声を浴びせられ驚いた。市民は自衛隊の部下ではなく、命令される覚えはない」と、発言の撤回と謝罪を求めた(8日付沖縄タイムス)。同会は9日、抗議の行動を同駐屯地に対して起こした。比嘉隊長は休暇だとして出てこなかったため、15日に改めて面談することを要求した。清水さんは、「本来は(比嘉が)こちらに出向いて謝るべきなのに、建物内にも入れないで、本当に失礼な対応だ」と憤った(10日付同紙)。同駐屯地は、地元紙の取材に「対応は適切だった」と居直っている。
同駐屯地は、昨年1月に隊員20人が地元の宮古神社に制服姿で集団参拝したことが問題になっている。また、陸自第15旅団がホームページに沖縄戦の司令官牛島満の「辞世の句」を載せていることで弾劾の声が上がっている。明確に沖縄の自衛隊を旧日本軍の復活として強化することが狙われている。その中での今度の事件である。市民に対して命令口調で恫喝するとは、銃剣を振りかざして壕(ガマ)から住民をたたき出し米軍の砲火の中に追い立てた日本軍に直結する。「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓は今日の真実だ。自衛隊の暴挙を絶対許さず弾劾し、琉球弧の軍事要塞化を粉砕しよう。