横須賀を戦争出撃拠点にするな 9・28反戦反基地闘争に集まろう 米軍基地に迫る実力デモを 革共同神奈川県委員会

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週刊『前進』04頁(3412号03面01)(2025/09/08)


横須賀を戦争出撃拠点にするな
 9・28反戦反基地闘争に集まろう
 米軍基地に迫る実力デモを
 革共同神奈川県委員会



(写真 米海軍第7艦隊が司令部をおく「ブルー・リッジ」)

(写真 横須賀中央駅前広場を埋めた昨年9月のアピール行動)


 時代は、米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争・核戦争を許すのか否かの歴史的分岐点にある。中国侵略戦争の最大の出撃基地・核攻撃拠点となるのが、米海軍第7艦隊と海上自衛隊の司令部が隣接する横須賀だ。労働者人民が実力で基地を包囲する大デモをたたきつけること自体が一つの内乱だ。9・28横須賀闘争を、首都を揺るがす10・5反戦大デモと一体で闘い抜こう。原爆ドーム前を実力死守し被爆80年の反戦反核集会を貫徹した8・6広島闘争を引き継ぎ、「連帯し侵略を内乱へ」を実現する今秋決戦の大爆発を切り開こう。

中国侵略戦争の「ハブ」に

 「命の危険を日々感じながら生きている」----ある在日朝鮮人2世の言葉だ。「日本人ファースト」など排外主義が吹き荒れ、帝国主義が全面的に中国侵略戦争に踏み込んでいる。日本の労働者階級人民は今こそ「闘う中国・アジア人民との連帯」をかけて反戦闘争に立ち上がる必要がある。
 在日朝鮮人2世の映画監督・朴壽南(パクスナム)氏、娘の朴麻衣氏が共同で製作した映画「よみがえる声」は、「横須賀に行ってごらんなさい。そこに戦争の現実があります」という朴壽南監督の言葉で終わる。広島や長崎で原爆被害を受けた人々、長崎の「軍艦島」に連行された労働者、沖縄戦で軍属とされた人々、さらに日本軍の「慰安婦」にされた女性たち――。多くの朝鮮人たちの声をよみがえらせたこの映画は、事実を記録し伝えるだけではなく日本の労働者階級人民に共同の闘いを呼びかけている。侵略と戦争、搾取と収奪、差別と民族抑圧の元凶である帝国主義が日々強化する軍事基地は、労働者階級人民の力で解体しつくす以外にない。
 横須賀に8月12日、英空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中心とする空母打撃群が、「同盟国や同志国などとのパートナーシップを通じて法の支配に基づく海洋秩序を保つため」として寄港した。英空母打撃群の寄港は、2021年の「クイーン・エリザベス」以来2度目だ。
 寄港に先立って米原子力空母「ジョージ・ワシントン」がこれに合流し、7月13日から8月4日にかけてはオーストラリア沖で多国間演習「タリスマン・セイバー25」が実施された。豪、英、米、日など計19カ国から約3万5千人が参加した「前例のない規模の演習」(ジョン・ヒーリー英国防相)だ。
 さらに8月4~12日には、米、英、日など6カ国が共同訓練を実施。「ジョージ・ワシントン」、「プリンス・オブ・ウェールズ」、空母化を進める海自護衛艦「かが」が一体となり、英戦闘機F35Bを「かが」に発着艦させるなど相互運用訓練を行った。空母打撃群を展開した米帝のイラン空爆と同等の構えを中国に示したのだ。日帝・自衛隊は「専守防衛」など事実上投げ捨て、帝国主義強盗戦争を担う侵略軍隊化になりつつある。
 また、仏原子力空母「シャルル・ドゴール」を中心とする空母打撃群が昨年から1960年代以来とされる太平洋航行を実施し、艦隊の一部が横須賀に寄港。ドイツやイタリア海軍の艦艇も寄港した。中国に群がる日、米、英、独、仏などの帝国主義は、横須賀を中国侵略戦争のためのハブ港として位置づけている。
 1899年に英、米、独、仏、日、オーストリア=ハンガリー、イタリア、ロシアの帝国主義各国は義和団による蜂起の鎮圧を口実に8カ国連合軍を形成して中国に出兵し、1901年9月には北京議定書を締結して軍隊の駐留権を認めさせた。これはまさに帝国主義各国が中国を侵略し植民地化する戦争だった。120年以上経過した今、大没落する米帝をはじめとする帝国主義強盗どもが、再び中国スターリン主義に対する侵略戦争に突入しようとしているのだ。

核戦争の拠点にさせない

 中国侵略戦争に向け、横須賀の米海軍・海自基地は急速に強化されている。
 米国防総省は、2025年までに数千台の無人兵器を配備する「レプリケーター」構想のもと、8月には第7艦隊にドローンと無人艇を配備した。インド太平洋軍司令官パパロは「台湾海峡を無人機で地獄絵図にする」と豪語する。
 海自佐世保基地に配備された海自イージス艦「ちょうかい」への巡航ミサイル・トマホーク搭載、横須賀を母港とする護衛艦「てるづき」への12式向上型ミサイル搭載計画も進む。さらに重大なのは、米戦闘機や潜水艦への核兵器配備、さらには石破が持論とする日米の「核共有」への踏み込みなどを通して、横須賀を核攻撃の出撃基地としようとしていることだ。アメリカは、18年に公表した「核態勢見直し(NPR)」でいったん全廃した「海洋発射型核巡航ミサイル」を復活させた。現在戦略核ミサイルを搭載しているオハイオ級原子力潜水艦だけでなく、第7艦隊に配備された「ミネソタ」などへの核ミサイル搭載、トマホークへの核弾頭搭載を進めるということだ。こうした政策は横須賀への核持ち込みを常態化・公然化する。
 また防衛省は新型潜水艦建設を進め、日本で初めての垂直発射装置を搭載しようとしている。これは日本がトマホークや核・非核両用の弾道ミサイル「トライデント」を潜水艦に搭載する能力を持ち、核共有が可能になることを意味する。
 そもそも横須賀への核持ち込みが繰り返し行われていることは、ベトナム戦争時の1965年、横須賀に向かう途中だった米空母が水爆を海中に落下させ紛失した事件からも明らかだ。
 日米安保と米軍の「核の傘」に依拠する既成勢力は「祖国防衛」の立場から軍事費増額に反対しないばかりか、排外主義をあおり、中国脅威論に屈服することで米日帝の中国侵略戦争を推進している。いま求められているのは、8・6広島闘争のように帝国主義打倒を鮮明にした反戦・反基地の実力闘争として横須賀闘争を闘い抜くことだ。9・28横須賀闘争を、中国侵略戦争阻止の反戦闘争そのものとして闘いとろう。大デモで横須賀を「反戦の街」に塗り替えよう!
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明治以来の軍都ヨコスカ

 横須賀は「明治」以来の軍都であり、戦後は米海軍と海上自衛隊の二つの最前線司令部がおかれている中国侵略戦争の共同前線司令部だ。「基地の街」「核の街」ヨコスカを「反戦・反核の街」にすることは、米日帝の中国侵略戦争を阻止する決定的な闘いだ。

米海軍横須賀基地

 横須賀は、第7艦隊司令部をおく旗艦・揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」をはじめ米空母の唯一の海外母港であり、現在は最新鋭に改修され昨年11月に再配備された「ジョージ・ワシントン」が任務に就く。200人を超える士官および1200人以上の兵員が生活できる「ブルー・リッジ」は、小さな町と同等の機能を有している。さらに、その下に艦船60隻、航空機350機、将兵6万人を指揮する。1991年の湾岸戦争時には旗艦として主要な戦闘に参加した。
 米海軍横須賀基地は軍事施設に加え住宅や病院、学校、野球場、映画館なども備え、実に2万人以上の米軍関係者と家族が暮らす。

海自横須賀基地

 海自の自衛艦隊司令部は、海自全部隊への指揮・命令権を持つ統合作戦司令部と直結し、米海軍将校が常駐している。8隻のイージス艦や「いずも」「かが」など、戦時には艦船80隻、航空機190機、潜水艦22隻や掃海部隊、人員4万人を指揮・運用する中枢となる。さらに今年度末までに護衛艦隊、掃海隊群などの水上艦艇部隊を一元的に指揮監督する体制整備のため「水上艦隊(仮称)」が新編され、この司令部も横須賀におかれる。
 自衛隊は比与宇(ひよう)地区に弾薬庫を建設し、一般道で弾薬などを輸送している。また、潜水艦専用桟橋を建設してミサイル搭載などの作業も行っているほか、敷地内に簡易宿舎を建設し即応性も追求している。自衛隊横須賀病院の建て替え工事が進行し、戦傷医療に対応する診療科も増設される。
 石破は8月23日、米海軍横須賀基地に停泊中の「プリンス・オブ・ウェールズ」の視察を防衛相・中谷元とともに行い、停泊中の「かが」艦上での訓示で中国やロシアを名指しして「わが国と各国が連携して強い意志と能力を示すことは、抑止力向上に大きく寄与する」と述べた。横須賀は今や、中国侵略戦争への出撃に加え、これを指揮する一大拠点とされている。
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9・28横須賀闘争
 9月28日(日)午後2時 京急横須賀中央駅前広場
 アピール行動終了後、米海軍横須賀基地へデモ
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◆全国で軍事演習反対闘争

◇レゾリュート・ドラゴン
沖縄 
・9月11日(木)午後1時陸自那覇駐屯地前で抗議行動/5時30分 県庁前街宣・9月21日(日)午後5時県庁前反戦スタンディング/6時 国際通りデモ
・9月25日(木)午後5時30分 県庁前街宣
佐世保 9月14日(日)午後1時 島瀬公園集合/2時 反戦デモ/終了後、海自佐世保総監部に抗議行動
岩国 9月21日(日)正午 岩国駅前でリレーアピール/午後1時30分 デモ
◇オリエント・シールド
新潟 9月15日(月・休)午後2時 メディアシップ前で反戦スタンディング
伊丹―大阪 9月15日(月・休)午前10時 伊丹市・伊丹史跡公園集合、陸自伊丹駐屯地に抗議申し入れ/午後4時 大阪市・西横堀公園で集会/なんば御堂筋反戦デモ
◆各地の反戦闘争
東京・練馬 9月13日(土)午後1時 徳丸第二公園集合/2時 陸自練馬駐屯地前へデモ
香川 9月26日(金)サンポート高松中央ふ頭 護衛艦いなづま入港阻止闘争

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