中谷が訪韓し防衛相会談 日米韓軍事同盟で対中国戦争体制狙う

週刊『前進』04頁(3414号02面02)(2025/09/22)


中谷が訪韓し防衛相会談
 日米韓軍事同盟で対中国戦争体制狙う


 中谷元・防衛相は9月8日、韓国・ソウルで安圭伯(アンギュベク)国防相と会談した。日本の防衛相の韓国訪問と日韓防衛相会談はいずれも10年ぶりだ。会談では、防衛当局間の相互訪問や定例協議を活性化し、日韓・日米韓の軍事協力を継続・強化することで一致した。
 昨年末の非常戒厳宣布に対する労働者民衆の闘いで打倒された尹錫悦(ユンソンニョル)前政権は、日本帝国主義の侵略と植民地支配、戦争責任を免罪し、その歴史の抹殺を狙う日帝との関係を「正常化」することで政治的延命を図った。そして今年6月に「進歩(革新)」の旗を掲げて大統領に就任した李在明(イジェミョン)は、ユンソンニョル打倒の功労者であるかのように振る舞いながら労働者民衆を裏切り、ユン政権の路線を継承して日米韓軍事同盟強化を積極的に推進している。
 これら一切は、米日帝が中国侵略戦争に突入する中で起きていることだ。そして中国包囲網の要となるべく、「準同盟国」との関係強化へ動いているのが日帝だ。中谷は8月28日にイギリス、9月5日にオーストラリアの国防相と相次いで会談を行い、軍事協力の推進で一致した。さらに9日には訪問先の韓国でフィリピンのテオドロ国防相と今年3回目の会談を行い、軍事協力強化を確認。11日には同国との間でオーストラリア、英国に次ぐ3カ国目の「円滑化協定(RAA)」が発効した。
 中谷は今回、韓国海軍司令部の視察や在韓米軍司令官との面会を行ったほか、ソウルで9日に開かれた韓国国防部主催の国際会議「ソウル・ディフェンス・ダイアローグ」で日本の防衛相として初めて講演を行った。東・南中国海で中国が「力または威圧による一方的な現状変更の試み」を強化していると主張し、改めて「オーシャン」構想に言及。日米韓に豪比などを加えた多国間の軍事協力を進める考えを強調した。石破も9月末に最後の外遊先として韓国を訪問しようとしている。
 9月15日からは東中国海の海上や上空を中心に、昨年6月以来3回目となる多領域の日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」が始まった。今回、自衛隊からは統合作戦司令部を含めて約700人が参加する。「日米韓の複数領域における相互運用性の向上」(防衛省)を目的とし、同時期の日米実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」や日米豪実動訓練「オリエント・シールド」と一体で行われるこの訓練自体が、中国に対する戦争行為の一環にほかならない。
 これに対し、民主労総をはじめとする韓国労働者階級は怒りを燃やして闘いに立ち上がっている。15日には民主労総や市民団体がソウル・龍山(ヨンサン)の国防部前をはじめ韓国各地で「フリーダム・エッジ」中断・日米韓軍事協力中断を求めて記者会見を行った。民主労総を先頭とする韓国の仲間たちと連帯し、10・5反戦デモを日帝打倒・中国侵略戦争阻止の大反戦闘争としてかちとろう。
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