戦時型労働統制を粉砕しよう 高市の戦時体制化攻撃は「高度国防国家」の再来だ

週刊『前進』04頁(3419号02面02)(2025/10/27)


戦時型労働統制を粉砕しよう
 高市の戦時体制化攻撃は「高度国防国家」の再来だ


 極右・高市早苗を首相とする反動政権が登場した。自民党と日本維新の会の連立によって成立した史上最悪の政権は、排外主義をけたたましく絶叫しつつ、中国侵略戦争へと突進する以外にない。だがそれは日本帝国主義の絶望的な危機と表裏一体だ。戦争と排外主義に怒る多くの労働者人民が、反動を切り裂く鮮烈な行動を求めている。
 11・2全国労働者総決起集会は、こうした膨大な数の人々と結びつき、労働者人民の実力で高市を打倒する歴史的な決戦だ。芝公園を埋める大結集を何としても実現しよう。

全社会を戦争に従属させる攻撃

 日帝は中国侵略戦争への突入を決断し、この戦争を遂行するために国家と社会を戦時体制に全面再編する攻撃に着手した。
 9月に発表された「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」報告書で、ブルジョアジーと国家官僚中枢は、戦争突入と戦時体制構築の意思をむき出しにした。この報告書は「安全保障と経済成長との間の好循環を追求することも求められる歴史的転換点に入った」とあからさまに言う。軍需産業を軸にした戦争経済化以外に「成長」の道を失った日帝は、だからこそ凶暴に戦争に突進しつつある。同報告書はまた、「防衛生産基盤の強化は……産業政策や経済安全保障政策といった観点も含め、経済産業省をはじめとする関係省庁と連携しながら、省庁横断的・戦略的に考えなければならない」と言う。国家の全省庁を戦争遂行のための機関につくり変えよという主張だ。それは、防衛費だけでなく国家予算のすべてが、広義の戦費に充てられることを意味する。このもとでは、社会保障をはじめ戦争に役立たないとされた支出は徹底的に切り捨てられる。労働者人民はさらに困窮する一方、大軍拡だけが際限なく進む。
 それは、戦前の「国家総動員体制」と「高度国防国家」建設の再来だ。日帝が中国東北部への侵略戦争に突入していた1934年、陸軍省は「国防の本義と其(その)強化の提唱」というパンフレットを出して、「『国防』は国家生成発展の基本的活力の作用である」と唱え、「外交、経済、思想戦等の部門」をすべて「戦争目的のため統制」する総動員体制を主張した。日帝の侵略が中国全土に拡大した後の38年に、国家総動員法が制定されて労働力と物資は戦時統制下に置かれた。それは、日帝の植民地支配下にあった朝鮮人民に対しては、強制連行と死に至るような過酷な労働の強要として発動された。中国人民の頑強な抵抗によって侵略戦争が行き詰まる中、日米開戦を前にした40年、近衛文麿内閣は天皇のもとへの「国民の精神的団結」を基盤にした「高度国防国家」建設を叫び、絶望的な戦争にのめり込んでいった。
 高市はこの道を再び歩もうとしている。首相に選出されるや否や高市は、「さらなる防衛力強化のため、安保3文書の改定に着手する」と表明し、同時に「責任ある積極財政」の方針を打ち出した。それは「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」報告書が、「防衛支出は、国民にとって単なるコストではなく、国の将来を守るための投資である」「経済の活性化によって財政基盤が強化され、また防衛力も維持できる」と述べていることと重なる。
 かつて日帝は中国侵略戦争と対米戦争の戦費を膨大な赤字国債を発行して賄った。これについて当時、大蔵省総務局長だった迫水久常は、「日本国民経済の基盤が大東亜共栄圏の全域に押し拡(ひろ)げられれば、累増しつつある公債も、資産に見合うべき性質の借金であるから、決して心配はない」とうそぶいた。東条英機内閣の大蔵相・賀屋興宣も「国債が増大すればするほど戦争に勝つ可能性が多い」「多くの公債を出して戦争生産力を増大する。公債が大なるほど償還が確実である」と国会で答弁している。だが、実際には敗戦で国家財政は破綻し、その矛盾はすさまじいインフレとして労働者人民に押し付けられた。

労組解体し軍需産業に強制動員

 高市による大軍拡と戦時国家化は、人民を破滅に突き落とすものになる。
 国家と社会の全域にわたる戦時体制への再編は、労働者の軍需産業への強制的な移動を含む労働力の戦時統制を不可避にする。経団連は2025年版「経営労働政策特別委員会報告」で、国家総動員体制下の1942年に出された「労務調整令」や「重要事業場労務管理令」に言及し、「自由な労働移動の禁止=労働力封鎖」は「解雇制限による終身雇用制」や「定期昇給制度の確立」と一体だったと強調している。軍事経済化なしに賃上げはないと言わんばかりだ。連合はこれを受け入れ、積極的に推進して産業報国会への道をひた走っている。
 これに呼応して高市は、自民党総裁選の過程で「労働時間規制の緩和」を叫び、「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」とわめいて過労死遺族の怒りを集めた。その根本にあるのは、「戦時において労働者はつべこべ言わず死ぬまで働け」という発想だ。これを受けて来年の通常国会には、労働基準法の抜本的な改悪案が出されようとしている。
 戦争は労働組合の解体と一体だ。経団連が昨年1月に出した「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」は、従業員代表に団体交渉権を与える形で労働組合の解体を狙うものだ。たくらまれている労基法改悪の核は労働組合の絶滅だ。
 国鉄分割・民営化とも次元を異にする戦時下の労組解体攻撃が始まった。だが、改憲と戦争国家化のために強行された国鉄分割・民営化と今日まで立ち向かい続けてきた動労千葉と11月労働者集会の中にこそ、この攻撃に立ち向かう力がある。動労千葉は9月の定期大会で、中国侵略戦争阻止を労働組合の第一の任務とする方針を確立した。
 この決断に応え、11・2労働者集会への大結集をかちとろう。その力で高市を打倒し、中国侵略戦争を絶対に阻止しよう。


 極右・高市早苗を首相とする反動政権が登場した。自民党と日本維新の会の連立によって成立した史上最悪の政権は、排外主義をけたたましく絶叫しつつ、中国侵略戦争へと突進する以外にない。だがそれは日本帝国主義の絶望的な危機と表裏一体だ。戦争と排外主義に怒る多くの労働者人民が、反動を切り裂く鮮烈な行動を求めている。
 11・2全国労働者総決起集会は、こうした膨大な数の人々と結びつき、労働者人民の実力で高市を打倒する歴史的な決戦だ。芝公園を埋める大結集を何としても実現しよう。

全社会を戦争に従属させる攻撃

 日帝は中国侵略戦争への突入を決断し、この戦争を遂行するために国家と社会を戦時体制に全面再編する攻撃に着手した。
 9月に発表された「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」報告書で、ブルジョアジーと国家官僚中枢は、戦争突入と戦時体制構築の意思をむき出しにした。この報告書は「安全保障と経済成長との間の好循環を追求することも求められる歴史的転換点に入った」とあからさまに言う。軍需産業を軸にした戦争経済化以外に「成長」の道を失った日帝は、だからこそ凶暴に戦争に突進しつつある。同報告書はまた、「防衛生産基盤の強化は……産業政策や経済安全保障政策といった観点も含め、経済産業省をはじめとする関係省庁と連携しながら、省庁横断的・戦略的に考えなければならない」と言う。国家の全省庁を戦争遂行のための機関につくり変えよという主張だ。それは、防衛費だけでなく国家予算のすべてが、広義の戦費に充てられることを意味する。このもとでは、社会保障をはじめ戦争に役立たないとされた支出は徹底的に切り捨てられる。労働者人民はさらに困窮する一方、大軍拡だけが際限なく進む。
 それは、戦前の「国家総動員体制」と「高度国防国家」建設の再来だ。日帝が中国東北部への侵略戦争に突入していた1934年、陸軍省は「国防の本義と其(その)強化の提唱」というパンフレットを出して、「『国防』は国家生成発展の基本的活力の作用である」と唱え、「外交、経済、思想戦等の部門」をすべて「戦争目的のため統制」する総動員体制を主張した。日帝の侵略が中国全土に拡大した後の38年に、国家総動員法が制定されて労働力と物資は戦時統制下に置かれた。それは、日帝の植民地支配下にあった朝鮮人民に対しては、強制連行と死に至るような過酷な労働の強要として発動された。中国人民の頑強な抵抗によって侵略戦争が行き詰まる中、日米開戦を前にした40年、近衛文麿内閣は天皇のもとへの「国民の精神的団結」を基盤にした「高度国防国家」建設を叫び、絶望的な戦争にのめり込んでいった。
 高市はこの道を再び歩もうとしている。首相に選出されるや否や高市は、「さらなる防衛力強化のため、安保3文書の改定に着手する」と表明し、同時に「責任ある積極財政」の方針を打ち出した。それは「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」報告書が、「防衛支出は、国民にとって単なるコストではなく、国の将来を守るための投資である」「経済の活性化によって財政基盤が強化され、また防衛力も維持できる」と述べていることと重なる。
 かつて日帝は中国侵略戦争と対米戦争の戦費を膨大な赤字国債を発行して賄った。これについて当時、大蔵省総務局長だった迫水久常は、「日本国民経済の基盤が大東亜共栄圏の全域に押し拡(ひろ)げられれば、累増しつつある公債も、資産に見合うべき性質の借金であるから、決して心配はない」とうそぶいた。東条英機内閣の大蔵相・賀屋興宣も「国債が増大すればするほど戦争に勝つ可能性が多い」「多くの公債を出して戦争生産力を増大する。公債が大なるほど償還が確実である」と国会で答弁している。だが、実際には敗戦で国家財政は破綻し、その矛盾はすさまじいインフレとして労働者人民に押し付けられた。

労組解体し軍需産業に強制動員

 高市による大軍拡と戦時国家化は、人民を破滅に突き落とすものになる。
 国家と社会の全域にわたる戦時体制への再編は、労働者の軍需産業への強制的な移動を含む労働力の戦時統制を不可避にする。経団連は2025年版「経営労働政策特別委員会報告」で、国家総動員体制下の1942年に出された「労務調整令」や「重要事業場労務管理令」に言及し、「自由な労働移動の禁止=労働力封鎖」は「解雇制限による終身雇用制」や「定期昇給制度の確立」と一体だったと強調している。軍事経済化なしに賃上げはないと言わんばかりだ。連合はこれを受け入れ、積極的に推進して産業報国会への道をひた走っている。
 これに呼応して高市は、自民党総裁選の過程で「労働時間規制の緩和」を叫び、「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」とわめいて過労死遺族の怒りを集めた。その根本にあるのは、「戦時において労働者はつべこべ言わず死ぬまで働け」という発想だ。これを受けて来年の通常国会には、労働基準法の抜本的な改悪案が出されようとしている。
 戦争は労働組合の解体と一体だ。経団連が昨年1月に出した「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」は、従業員代表に団体交渉権を与える形で労働組合の解体を狙うものだ。たくらまれている労基法改悪の核は労働組合の絶滅だ。
 国鉄分割・民営化とも次元を異にする戦時下の労組解体攻撃が始まった。だが、改憲と戦争国家化のために強行された国鉄分割・民営化と今日まで立ち向かい続けてきた動労千葉と11月労働者集会の中にこそ、この攻撃に立ち向かう力がある。動労千葉は9月の定期大会で、中国侵略戦争阻止を労働組合の第一の任務とする方針を確立した。
 この決断に応え、11・2労働者集会への大結集をかちとろう。その力で高市を打倒し、中国侵略戦争を絶対に阻止しよう。

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