泊原発の再稼働許すな中国侵略戦争へエネルギー確保狙う
泊原発の再稼働許すな
中国侵略戦争へエネルギー確保狙う
北海道の鈴木直道知事が12月10日の道議会予算特別委員会で、北海道電力の泊原発3号機(泊村)の再稼働に同意すると表明した。 北電は2013年7月に原子力規制委員会に審査を申請し、今年7月にようやく正式合格したばかりだが、27年早期の再稼働を目指している。3・11福島原発事故を全く省みない暴挙であり、断じて許せない。
発表2日前の8日には、八戸市で震度6強を観測した青森県東方沖地震が起きた。専門家は泊原発直下の活断層の存在を指摘するが、北電は否定している。
鈴木知事は判断の根拠として、①原子力規制委員会の新規制基準に適合、②道内電力需要の増加の見通し、③再稼働後の北電の電気料金引き下げのほか、企業投資の促進による雇用の拡大を挙げている。
政府は2月にエネルギー基本計画を改定し、原発の「最大限活用」を掲げた。そして中国侵略戦争に突入する日帝・高市政権は「危機管理投資・成長投資」を掲げ全国力を戦争に投入しようとしている。戦争を遂行・継続するには日帝独自のエネルギー確保が不可欠だ。非核三原則解体に踏み込む高市は核燃サイクルを維持・発展させ核武装をも狙う。こうした最重要の環こそ原発再稼働だ。鈴木知事も高市の意を受け、新潟県知事の東京電力柏崎刈羽原発再稼働の同意表明(11月21日)に続いたのだ。
とりわけ泊原発再稼働は、「重要戦略分野」である半導体とAIの拠点として北海道を位置づけていることと一体だ。最先端半導体の国産化・量産を目指して千歳市には国策企業ラピダスの工場が建設され、27年度には第2工場も着工する。ソフトバンクも苫小牧市で大規模なAIデータセンターを建設中である。その「電力安定供給のため」と称して再稼働が狙われている。財界は「原発の稼働状況は産業誘致を巡る競争力を左右する」とし、川内・玄海原発再稼働で九州に台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場が進出したことを「成功例」として持ち出し沸き立っている。赤沢亮正経済産業相は12月12日、鈴木知事への感謝を述べ、「(ラピダスは)高市総理が目指す流れのど真ん中」「成長分野の中でAI・半導体は筆頭格」と強調した。日帝・高市は、継戦能力に必要な重要物資の供給網強化として泊原発再稼働を狙っているのだ。
それゆえ、住民の安全などお構いなしだ。避難経路の拡充について、鈴木知事はこれから国に要請するという。北電による津波対策のための核燃料輸送船の新港建設着工も再稼働後だ。政府が8月に「理解要請」をした道と立地4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)の全てが再稼働に合意した一方、同じ後志管内のニセコ町は「地元同意」の範囲拡大を求めてきたが無視されてきた。また泊3号機の増設に反対した積丹町は慎重な判断を求めてきたが、これも無視された。
政府や北電が再稼働による「雇用拡大」や「電気料金引き下げ」を大々的に宣伝しようとも怒りの爆発は不可避だ。福島の闘いと共に、中国侵略戦争阻止・原発再稼働阻止へ闘おう。