革共同政治局の2026年1・1アピール 反帝・反スターリン主義を掲げ米日帝の中国侵略戦争阻止! 反戦闘争の大衆的爆発で高市政権打倒 闘う中国人民と連帯し、侵略を内乱へ

週刊『前進』08頁(3428号05面01)(2026/01/01)


革共同政治局の2026年1・1アピール
 反帝・反スターリン主義を掲げ米日帝の中国侵略戦争阻止!
 反戦闘争の大衆的爆発で高市政権打倒
 闘う中国人民と連帯し、侵略を内乱へ

はじめに

 2026年は米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争との全面激突の年であり、「世界戦争か世界革命か」を全人民に問う歴史選択の年となる。革共同はすべての労働者人民に、米日帝の中国侵略戦争を阻止する闘いに共に立ち上がることを心から呼びかける。
 国家安全保障戦略(NSS)で中国侵略戦争―世界戦争を貫徹することを宣言した米帝・トランプは、足下でベネズエラ侵略戦争を開始し、12月22日には「トランプ級戦艦」建造と「黄金艦隊」構想を発表。台湾には過去最大規模で最新鋭兵器の供与を承認した。そのもとで日帝・高市は「台湾有事は存立危機事態」発言撤回を拒否して中国スターリン主義との対立を非和解的に激化させ、自衛隊と中国軍の「交戦状態」突入ギリギリの軍事的緊張を高めていっている。一方で、米日帝の中国侵略戦争突入が帝国主義打倒の革命情勢を促進させている。米階級闘争は内戦的激突を生み出し、日本でも労働者人民の物価高騰・生活苦への怒りは爆発寸前だ。全世界で戦争や搾取・抑圧・貧困・政治腐敗などへの労働者人民の怒りが自国政府打倒の内乱的決起として爆発し、米帝を基軸とした帝国主義の世界支配を打ち倒すプロレタリア世界革命の現実性を切り開いている。
 26年こそ、米日帝の中国侵略戦争を阻止する決戦の本番への突入だ。「闘う中国人民・アジア人民と連帯し、日帝の侵略を内乱に転化せよ」の基本路線のもとに反戦闘争の大衆的発展をかちとり、戦争放火者=日帝・高市を倒せ!
 革共同は昨年、組織内性暴力とその隠蔽(いんぺい)を告発し決起した女性同志を先頭に革命的女性解放闘争を革命運動の基軸に据え、革命に勝利する党への変革・飛躍をかけて新たな指導部集団を打ち立ててきた。26年を、反帝国主義・反スターリン主義世界革命への巨大な進撃を開始する転換の年としよう!

―Ⅰ― 革命的女性解放闘争と党変革11・2集会と36全総の到達点

⑴35全総の力でトランプ・高市反革命と実力で激突

 25年、第2次トランプ政権の発足と日帝・高市政権の登場という歴史的な転換点において革共同は「連帯し内乱へ」を貫き、10・5渋谷デモ―「11・2全国労働者総決起集会/改憲・戦争阻止!1万人大行進」へと激しく決起した。石田一派を打倒・放逐した9月の第35回全国委員会総会を闘い、燃えるような勢いで高市政権下の排外主義・国益主義・祖国防衛主義と激突し、全既成勢力の「第2インター崩壊」的総転向を打ち破った決起だ。党の根底的変革で、「連帯し、侵略を内乱へ」の戦略的総路線の全党一丸となった実践についに突入したと断言できる。

反戦と女性解放は一体

 高市の自民党総裁選出に対して直ちに高市打倒を掲げて立ち上がった10・5渋谷デモは、革命的女性解放闘争と反戦闘争を一体で闘う画期となった。革命的女性解放闘争の先頭に立つ女性同志、青年労働者・学生の白ヘルメット軍団が力強く渋谷を席巻した。さらに、中国侵略戦争・核戦争の出撃基地である米軍横須賀基地を直撃する9・28横須賀闘争をはじめ、沖縄、佐世保、横田など全国での自衛隊統合演習への抗議闘争・反基地闘争、トランプ訪日阻止・日米首脳会談粉砕を掲げた10・27新宿デモを闘い抜いた。
 9・19国鉄1047名解雇撤回裁判控訴審闘争は東京高裁包囲のデモと傍聴団の大結集で即日結審を阻む大勝利をかちとった。
 この過程において石田反革命の介入策動を許し、三里塚芝山連合空港反対同盟に、10・12全国総決起集会中止という「苦渋の決断」を強いたことを、反対同盟とすべての共に闘うみなさんに謝罪する。その責任と反対同盟との血盟にかけ、中国侵略戦争突入下で三里塚闘争の勝利をかちとるために闘い抜くことを誓う。
 こうした激戦・激闘の到達点として11・2集会を、東京・芝公園に全国から2150人を結集して闘い抜いた。中国への敵意の扇動と大軍拡への突進、国家主義・排外主義があおられる情勢に対して、中国侵略戦争阻止、階級的労働運動の創造を真っ向から掲げた日本最大規模の労働者集会としてかちとった意義は極めて大きい。そして「台湾有事は存立危機事態」という高市発言に立ち向かい、連続的な街頭デモや12月戦争国会粉砕闘争へと全力で決起した。

⑵7回大会の根本思想打倒し「連帯し内乱へ」貫徹を

 25年12月の36全総は35全総以来3カ月の激闘を「革命への前進」と総括して石田反革命完全打倒を宣言し、関西での11・25蜂起以来1年間の党変革の地平を総括し抜いた。
 36全総は第一に、秋月書記長自己批判―IS同志提起と全党の主体的変革をかけた討議こそが革命的女性解放闘争を革共同に打ち立て、「連帯し内乱へ」を真に実践する党へと変革させたことをはっきりさせた。
 女性差別への無知、無理解、敵対、7・7路線と「血債の思想」の否定、帝国主義打倒の闘いの実践からの日和見主義という2015年7回大会路線の破綻による党指導が、秋月書記長自己批判として総括された。秋月書記長自己批判は、IS同志の34年にわたる女性解放の思想を貫く不屈の闘いが、全国委員会であり革共同そのものに自己批判=根底的変革を強制したものだ。政治局―全国委員会はこれを、党内で発生した性暴力、女性差別を隠蔽し多くの女性同志の告発を圧殺してきた革共同の自己批判として自らの体に刻み付け、革命的女性解放闘争に立ち上がることを改めて決意する。
 他方で、石田は秋月書記長自己批判には政治局員として一切関わらなかった。それをすり抜け、自らの小ブル的「女性解放論」で中央学生組織委員会を支配し、党内支配に乗り出そうとした。だが自らの性加害への糾弾が突きつけられるや帝国主義家族イデオロギーの本性をさらけ出し、学生指導部を組織して革共同破壊に手を染める反革命に転落した。

7・7路線で党再生へ

 36全総は第二に、党変革の最大の核心に、7回大会の「根本思想」との決別があることを明確にした。それはプロレタリア革命党としてマルクス主義、レーニン主義の革命論を全面的に復権していく闘いと同義だ。7回大会路線下の7・7路線―「血債の思想」の解体は、労働者自己解放の共産主義の原理からの背反であり、マルクス、レーニンが貫いた世界革命論からの逸脱であった。
 とりわけ「差別=分断―再団結」論は、すべてを資本と賃労働の関係に一面化し、資本の分断に対して「団結すれば勝利」とし、しかも「団結」の名で加害者を免罪し告発者を抑圧した。この7回大会路線の「根本思想」との極めて意識的な決別が必要だ。プロレタリアートは自らの解放を通して搾取・被搾取、民族的な抑圧・被抑圧の関係を廃絶して全人間の解放を達成し、それを条件に自らの解放をかちとる存在だ。
 36全総は第三に、革命的女性解放闘争を荒々しく創成する革共同の根底的な自己批判と変革の闘いは、未曽有の世界戦争と革命情勢への突入を前に絶対にやり抜かねばならないものであったことを明確にさせた。
 帝国主義の侵略戦争に労働者階級の階級性を貫く道は、自国帝国主義の敗北を促進する「内乱」のスローガンだけだ。この「連帯し内乱へ」の実践的着手をめぐって、党の根底的変革、とりわけ党中央の根本的変革が求められた。革共同は「革命は労働者自身の事業である」というマルクス主義、労働者階級の自己解放の力への不動の確信を貫いた「連帯し内乱へ」というレーニン世界革命論の貫徹に全存在をかけて決起する。

⑶11月集会単独開催への動労千葉の歴史的決断

 6・15国鉄集会の基調報告で動労千葉の関道利委員長は「身を切る思いで告発の闘いに立ち上がった当該の女性たち、それを支えて闘いを開始している全国の仲間たちと共に闘う」と宣言した。そして階級闘争全体に責任をとり、戦時下の階級情勢を牽引(けんいん)する立場から11月集会の単独開催を決定した。動労千葉指導部と組合員のこの決断を革共同は敬意をもって確認し、自身のものとしていかねばならない。
 その決断を可能としたものは一つに、国鉄分割・民営化という国家を挙げた大反革命に対して首をかけて闘い団結を守り抜き、JR体制下でも闘い抜いてきた蓄積だ。二つに、国際連帯の画期的地平だ。三つに、労働組合としての強靭(きょうじん)な路線性と指導部の意識性だ。

労働者の闘い甦らせる

 11・2労働者集会での関委員長の基調報告、「四つのスローガン」を全面的に実践し、連合・芳野体制を打倒し、中国侵略戦争を阻止する階級的労働運動の発展をかちとろう。
 マルクスは「労働組合は......今や労働者階級の組織的中心として、労働者階級の完全解放という大きな利益をめざして活動することを学ばなければならない。......労働組合は、労働組合の活動が狭く利己的なものではなく、ふみにじられている幾百万の人民の解放をめざしているのだということを、全世界に十分に納得させなければならない」(「労働組合、その過去・現在および未来」、1866年)と、労働組合のもつ可能性について力説した。
 労働者自己解放・全人間解放を闘う労働組合の可能性を切り開くのが、動労千葉と共に闘い続けてきた全国労組交流センターだ。今日の労働運動の後退は、資本・国家の攻撃の激しさのみならず、労働組合指導部が自ら路線的に屈服・転向したことを最大の根拠としている。11月集会運動の最大の地平は、この敗北に抗し、日本労働運動の変革、階級的労働運動の建設という大テーマを掲げて組織化を継続してきたことだ。
 動労千葉の闘いの蓄積は労組交流センターの闘いの蓄積だ。この原点に立ち返り、「連帯し内乱へ」に立ち上がる大隊列を組織しよう。

⑷革命的女性解放闘争を闘い女性・青年・学生が先頭に

 革命的女性解放闘争は党員一人ひとりを根底的に変革し、マルクス主義者、革命家として生まれ変わらせる力を持っている。関西地方委員会においては、性加害を受けた当該の女性同志、当該と共に告発・糾弾に決起した女性同志たちが「当事者の会」を結成し、団結を打ち固めて闘ってきた。そして「蜂起者アピール」などで石田一派打倒に最先頭で決起し、10・11女性反戦集会―11・22女性解放学習講演会の成功をかちとり、生き生きと反戦闘争と組織変革の先頭に立っている。革命的女性解放闘争を本格的な大衆闘争として爆発させる挑戦に踏み出している。全組織・全運動に革命的女性解放闘争を押し広げよう。中央女性解放組織委員会の再建は決定的な女性革命家集団・指導部集団の形成だ。
 11・2集会で全国300万学生を代表して登壇した全学連と学生戦線の闘いは決定的だ。石田一派の「指導」と異常な能力主義は、革共同の学生運動論とは無縁だ。中央学生組織委員会再建を力に、学生戦線と一体で全国の地区党が主要大学にマルクス主義学生同盟中核派の大学支部を建設する闘いを前進させてきた。
 さらに25年の必死の格闘は、マルクス主義青年労働者同盟の大変革を実現した。トランプ・高市打倒の先頭に青年労働者と学生が軍団として立った。こうした地平で新たな世代が指導部となり、第22回大会の成功をかちとった。マル学同、マル青労同建設の前進は党変革の力だ。

―Ⅱ― 米帝の存亡をかけた中国侵略戦争と日帝・高市の反動的突出

 第2次トランプ政権発足後初めてのNSSが12月5日に公表された。結論的に言って、このNSSで出されている米帝の基本的な世界戦略は、まさに革共同がこのかん明らかにしてきた、米帝の中国侵略戦争―世界戦争の「戦略」そのものである。中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、米帝の存亡をかけた国家戦略・世界戦略としての中国侵略戦争―世界戦争と正面から対決する反帝・反スターリン主義世界革命戦略そのものである。このことが完全に明確になった。
 日帝をはじめとする全帝国主義が、この米帝のNSSへの対応を迫られ、中国侵略戦争―世界戦争に参加し、帝国主義として生き残ろうと必死である。とりわけ中国侵略戦争の「戦域」のただ中、その最前線の「第1列島線」そのものに立つ日帝は、高市・小泉防衛相を先頭に「突出」している。
 いま直面している情勢の核心は何か。それは、徹底的に行き詰まった帝国主義の基本矛盾の爆発が、米帝―米日帝―全帝国主義の中国スターリン主義に対する侵略戦争=世界戦争として爆発を開始しているということである。そして中国スターリン主義は、この帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争に対して、帝国主義打倒の革命を呼びかけるのではなく、ますます反人民的な軍事対抗に走り、米帝―帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争を促進しているのである。
 この米帝―帝国主義の中国スターリン主義に対する侵略戦争=世界戦争に対して、労働者階級が対置すべきものは反帝・反スターリン主義世界革命である。

⑴米国家安保戦略が示した中国侵略=世界戦争戦略

 (1)NSSの全編に貫かれている基調は何か。それは、米帝支配階級の「今のうちに中国をたたきつぶさなければ米帝は滅びる」というすさまじい危機感であり、没落の淵にあえぐ「世界帝国」としてのアメリカを守り抜こうとする意志である。没落し、腐朽化・空洞化し、内乱の危機を抱え、これまで支配してきた世界を支えられなくなった米帝の現実を徹底的に見すえ、しかし依然として米帝が他を圧倒するものとして持っている軍事・技術・経済のありったけの力をふりしぼって、絶対に帝国主義として立て直す、世界を支配する米帝の地位は絶対に誰にも渡さない----NSSにはその強烈な意志が貫かれている。そして「今後数十年にわたり、アメリカが世界で最も強く豊かで力に満ち成功した国であり続けるために」いま絶対にやり抜かなければならない戦争として中国侵略戦争―世界戦争があると宣言しているのだ。
 今回のNSSについて、台湾についての言及は「淡々としている」とか「現状維持でしかない」などと評されているが、とんでもない。NSSは「台湾を奪取するいかなる試みも阻止する」とし、そのために「第1列島線」に主要に日帝の力を大動員して圧倒的な軍事力を形成すると、決定的に戦争的に踏み込んでいる。そもそも「誰が」「誰から」台湾を「奪取」すると言うのか。中国が米帝(帝国主義)から奪取することは許さないと言っているのだ。
 そういうことを中国に公然と突きつけ、中国を軍事・技術・経済のあらゆる面で締め上げ、米帝の軍事的優位性をさらに高めることを進めながら、トランプは平然と「中国とはうまくやっていきたい」などと言って4月には訪中を予定し、中国侵略戦争=世界戦争に〝圧勝〟するための有利な条件を形成するまで時間を稼いでいる。その間に日帝に対しては「第1列島線」における中国軍との戦争で「主力」を担えと要求し、日帝・高市は中国との政治的・軍事的緊張・対立をエスカレートさせながらこれに全力で応えている。今こういう過程が進んでいる。
 ともかく米帝はNSSにおいて、中国が「核心的利益の核心」だと必死に言い続けている台湾を絶対に中国には渡さないと明言し、その具体的な軍事力の強化、戦争の計画まで堂々と展開しているのだ。これは日帝・高市の「台湾有事は存立危機事態」発言どころのレベルではない。だが中国スターリン主義は日帝・高市には猛烈に反発しても米帝に対してはまともに「抗議」もできない。ここに米帝―帝国主義とスターリン主義・中国との力関係がはっきり表れている。
 「トランプは台湾を重視していない」とか、「中国と戦争するつもりはない」とか、そのような言説は米帝の危機の深さを見ないものだ。米帝―帝国主義と中国スターリン主義の関係、そしてスターリン主義自身の行き詰まりと体制的危機を直視するならば、米帝による台湾強奪として中国侵略戦争はすでに決定的に開始されていること、その後戻りはないことは明白だ。
 12月23日、米国防総省(戦争省)は中国の軍事力に関する2025年の年次報告書を公表した。それは中国軍が27年までに台湾侵攻を可能にする態勢構築に向けて「着実に前進を続けている」と分析している。米帝は「27年」へ構えに構えている。
 (2)NSSは冒頭で「アメリカの『戦略』が誤った方向へ進んだ経緯」と題して、ソ連スターリン主義崩壊後、「世界の覇者」となったはずのアメリカが、なぜ今日のような大没落の危機に至ったのかの「総括」を行っている。その内容は、トランプ以前の「エリート層」が30年以上続けた誤った政策のせいで、アメリカは他国からいいように利用され、力を吸い取られ奪われてきたというものだ。そしてその「最大の誤り」こそ「市場を中国に開放し、アメリカ企業の対中投資を奨励し、製造業を中国に外注すれば、中国をいわゆる『ルールに基づく国際秩序』に組み込める、という考え」、すなわち「関与政策」だったと断じる。米帝支配階級の「エリート層」は、ソ連スターリン主義も崩壊した状況で、中国を(軍事的に包囲しつつ)帝国主義のグローバリズム、「自由貿易」の中に取り込んでいけば、中国のスターリン主義体制も崩壊するということに「賭けて」いたが、そうはならなかった。
 中国はスターリン主義体制のまま「富み、強大となり」、アメリカを脅かすような存在になり、アメリカ自身は空洞化して没落した! NSSは、このような結果をもたらしたこれまでの「中国認識」を「トランプ大統領はたった一人で覆した」と称賛する。そして、必ずこの中国を打倒して、アメリカが奪われたものすべてを取り返す、そのために中国侵略戦争―世界戦争をやり抜く、そのために必要なことをすべてやる、日帝や欧州の帝国主義を米帝の支配と利害のために徹底的に動員する----以上のことをどしどし実行に移す。これがNSSの基調である。
 (3)NSSはアメリカが外部からとんでもない破壊攻撃を受けているとして以下のように言う。「われわれは、この国とその国民、領土、経済、生活様式を、軍事攻撃や敵対的な外国の影響力(諜報〔ちょうほう〕活動、略奪的な貿易慣行、麻薬・人身取引、破壊的なプロパガンダや影響工作、文化的破壊工作、あるいは我が国に対するその他の脅威を含む)から守りたい」「いかなる敵対者や危険も、アメリカを危険にさらすことがあってはならない」。そのために「世界で最も強力で、殺傷能力が高く、技術的に先進的な軍隊を募集し、訓練し、装備し、配備する」「世界で最も強固で信頼性が高く現代的な核抑止力に加え、次世代ミサイル防衛システム----アメリカ本土を守る『ゴールデンドーム』を含む----を構築する」と。
 ここに挙げたアメリカに対する「軍事攻撃」「影響工作」「破壊工作」「脅威」「危険」のすべてをもたらしている、あるいはもたらそうとしている「敵対的な外国」とはどこか。そして世界最強の軍事力、核抑止力、核戦争をやることまで想定した「ゴールデンドーム」をもって対峙(たいじ)し粉砕すべき「敵対者」とは。それが中国スターリン主義であることは明白である。
 米帝はこの中国の打倒に向かって、米帝の経済・技術を、全国力を中国侵略戦争=世界戦争に集中しようとしている。「われわれの経済はわれわれの国際的地位の礎であり、軍隊にとって不可欠な基盤」「われわれは世界最強の産業基盤を構築する。アメリカの国力は平時・戦時問わず生産需要に対応できる強固な産業部門に依存している。これには直接的な防衛産業生産能力だけでなく、防衛関連生産能力も必要だ。米産業力育成は、国家経済政策の最優先課題とならねばならない」と。戦争長官へグセスは米軍需産業幹部を集めて、「戦時の防衛産業への転換」を要求している。
 (4)この米帝の中国侵略戦争=世界戦争は同時に、欧州、日本の帝国主義に対する激しい争闘戦である。「アメリカ合衆国が世界秩序全体を支え続ける時代は終わった」と言っているのは、米帝が世界支配をあきらめて引っ込むということではまったくない。そうではなく、イラン爆撃でも見せつけた、米帝の他を圧倒する巨大な軍事力(26会計年度国防費9010億㌦、約140兆円。中国の4倍近く)を保持した上で、他の帝国主義・同盟国にも大軍拡を行わせ、米帝の世界支配の維持のために徹底的に動員するということだ。そのことを次のように言っている。
 「同盟国の中には、各自が自らの地域に対して第一次的責任を負い、集団防衛により多く貢献すべき、富裕かつ高度な国家が数多く含まれている」「同盟国が自らの地域に対して第一次的責任を負うべきだと求める」と。「富裕かつ高度な国家」すなわち日本、欧州諸国、オーストラリア、韓国、そして台湾は、まず自らの地域=戦域に責任を負って前面で戦えと言うのだ。さらに「われわれは、ただ乗り・貿易不均衡・略奪的な経済慣行その他、アメリカの国益を不利にするような、歴史的な善意につけ込む行為を、もはや容認せず、容認する余裕もない」とまで言い切り、「同盟国には、自国防衛のために国内総生産のはるかに大きな割合を支出することを求める。これは、アメリカ合衆国が何十年にもわたりはるかに多額の支出をしてきた結果として生じた巨大な不均衡を是正し始めるためである」と、日帝と欧州帝諸国に対して露骨な争闘戦の言葉で有無を言わさず要求している。そうした上で「アメリカ合衆国は、いかなる国家であれ、われわれの国益を脅かし得るほど支配的になることを許してはならない」と明言し、中国、北朝鮮、ロシアだけではなく、ドイツや日本などの帝国主義国がヨーロッパやアジアで「支配的」になることも絶対に許さないというのである。
 (5)NSSは地域では「西半球・米本土防衛」を第一に掲げている。だが、ここで述べられていることも対中国であり、中国侵略戦争―世界戦争の戦略そのものだ。
 実際にNSSでは何と言っているのか。「われわれは、西半球外の競争勢力が、この半球において、兵力やその他の脅威となる能力を配備したり、戦略的に重要な資産を所有・支配したりすることを認めない」「西半球外の競争勢力」の進出を、「真剣な反撃なしに許してきたことは、近年におけるアメリカのもう一つの大きな戦略的過誤である」。ここで強調している「西半球外の競争勢力」というのが、このかん経済的・政治的影響力を拡大してきた中国であることは言うまでもない。米帝は西半球から中国スターリン主義をたたき出し、この西半球全体を米帝の完全な支配・勢力圏下に置くと宣言している。
 これが「モンロー主義のトランプ的帰結(補論)」である。すなわち20世紀初頭に力をつけてきた米帝が南北アメリカ大陸から欧州諸列強を排除し、本格的な帝国主義的侵略と勢力圏化に向かう際に掲げた「モンロー主義のセオドア・ルーズベルト的帰結(補論)」の「現代版=トランプ版」である。南北アメリカ大陸から今度は欧州列強ではなく中国スターリン主義をたたき出し、西半球全体(カナダやグリーンランドを含む)を「米帝本土」として徹底的に固めていくものである。米帝をその帝国主義としての「原点」から立て直し、中国侵略戦争=世界戦争を展開していくというのだ。
 すでに9月からカリブ海上に「世界最強の」空母打撃群を展開し、「国際法」など完全無視で、麻薬輸送船と決めつけた船舶をミサイルや爆弾で次々と撃沈し、戦争長官ヘグセスの「皆殺し命令」をもってすでに約100人を殺害している。トランプ政権はベネズエラのマドゥロ政権を「麻薬テロ組織」と決めつけ、12月16日にはベネズエラに出入りする石油タンカーの全面封鎖を命じ、拿捕(だほ)を強行。本格的軍事進攻を構えている。その目的が260兆円にも上ると言われるベネズエラ石油利権であることは、マスコミでも公然と語られている。まさに古典的な植民地・資源略奪の帝国主義侵略戦争そのものだ。このような露骨極まる侵略戦争を展開しながら、中国に対しては平然と「台湾強奪を許さない」などと言うのだ。
 (6)NSSはこの西半球=「米帝本土」の次に「アジア」を持ってきているが、このアジア=対中国侵略戦争政策の項目こそが米帝の軍事・外交戦略の核心であることは、NSSの全文脈から明白である。
 NSSは、世界経済における比重がますます高まるアジア=インド太平洋地域が「今後も、次の世紀における主要な経済・地政学的な主戦場の一つであり続ける」「国内で繁栄するためには、われわれはそこで競争に勝たなければならない」と確認する。「地政学的」とは「軍事的」ということであり、「競争」という言葉も「戦争」の言い換えだ。中国との「競争に負け」たら米帝は帝国主義として終わってしまう。そして「勝つ」ということは、中国のスターリン主義体制を崩壊させること以外にない。このような「競争」の決着は戦争によるしかない。
 NSSは、台湾が「半導体生産」「海上輸送路」において帝国主義にとって死活的であることを確認し、中国スターリン主義が「核心的利益の核心」とする「台湾との統一」を米帝と同盟国(その主力は日帝)の軍事力をもって絶対に阻止するということを強力に確認し、中国スターリン主義に突きつけている。それは戦わずして米帝の軍門に下るか、戦争かを選べという「最後通牒(つうちょう)」に等しい。
 NSSは台湾争奪戦を軸とする中国侵略戦争の主戦場・決戦場として、台湾から沖縄・日本列島全体を中心とする「第1列島線」を明確に設定した。そしてこの第1列島線を「死守」する「第一次的責任」は日帝にあることを以下のように確認する。「われわれは、第1列島線のいかなる場所においても侵略を拒止できる軍事力を構築する。しかし、米軍がこれを単独で行うことはできないし、また行うべきでもない。同盟国は、集団防衛のために、支出を増やし----そしてそれ以上に、実際の行動を----大幅に強化しなければならない」
 「アメリカの外交努力は、第1列島線の同盟国およびパートナーに対し、米軍が港湾その他の施設により広範にアクセスできるよう求め、自国防衛への支出を増やさせ、そして最も重要な点として、侵略抑止を目的とする能力への投資を迫ることに集中すべきである。これにより、第1列島線沿いの海上安全保障問題が相互に連結されると同時に、台湾を奪取しようとする(中国の)いかなる試みも、あるいは台湾防衛を不可能にするほどわれわれに不利な戦力均衡を実現しようとする(中国の)試みも阻止する、米国および同盟国の能力が強化される」
 まさに米帝―帝国主義の中国侵略戦争=世界戦争において日帝こそが要である。日本プロレタリアート人民の中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、米帝―帝国主義の中国侵略戦争=世界戦争を阻止する決定的闘争である。

⑵とことん追い詰められる中国スターリン主義の危機

 (1)米帝―帝国主義の中国侵略戦争ということについて、前提的にはっきりさせるべきは、アメリカと中国の力関係は「二つの大国が世界の覇権をめぐって競り合っている」などというものではまったくないということである。そのような見方は、世界革命を放棄し本質的に帝国主義に屈服しているスターリン主義というものを「美化」するものであり、帝国主義が軍備増強と戦争をやる口実としてでっち上げられている「中国脅威論」に与(くみ)するものでしかない。
 帝国主義の半植民地だった巨大な後進国における民族解放・革命戦争の勝利(世界革命から切断され、スターリン主義的な歪曲〔わいきょく〕を受けた勝利)の上に成立した中国スターリン主義は、経済的にも軍事的にも圧倒的な力を持つ米帝と全帝国主義に包囲され、絶えず帝国主義による体制転覆の重圧を受け続けている。
 米帝の軍事費は中国の4倍近くもあるが、それに加えて米帝は日帝に対して軍事費を国内総生産(GDP)比3・5%の20兆円以上、さらに5%の30兆円以上(中国の約37兆円に迫る)にしろと要求し、日帝も「前倒し」でそこに向かっている。高市や防衛相・小泉は「中国が軍拡をやって安全保障環境が激変」などと言っているが、米帝の超巨大な軍事力の上に、日帝が単独でも中国と戦争できるくらいの軍事力を第1列島線上で「上乗せ」するのである。
 さらに米帝は台湾にも、ウクライナ戦争で「威力」を示した対戦車ミサイルのジャベリン、高機動ロケット砲システム・ハイマースを、そして「ロシアに打撃を与えすぎる」という理由で当初はウクライナには供与しなかった長射程の地対地ミサイル・ATACMSや、最新の自爆型ドローンなどの強力兵器をどしどし売却している(12月17日に過去最大規模1兆7千億円分の売却決定)。そして米帝自身はますます「世界最強の軍隊」の構築に総力を挙げている(「トランプの黄金艦隊」構想)。まさに圧倒的な力の差をもって攻めかかり、文字通り侵略戦争を仕掛けているのは帝国主義だ。
 (2)そもそも中国を「世界の工場」にし「経済大国化」させたのは米帝をはじめとする帝国主義自身である。米帝は今になって「失敗だった」とか何とか勝手なことを言っているが、中国に巨大な投資をし、中国の労働者を低賃金で搾取して莫大(ばくだい)な「超過利潤」を獲得し蓄積してきたのは紛れもなく米帝であり、そして日帝であり、ドイツなど欧州帝である。米帝―帝国主義が今やろうとしているのは、自分たちがつくり出してしまった「資本主義的に経済大国化したスターリン主義・中国」という「わけのわからぬもの」を自分たちで始末して、もう一度帝国主義体制のもとで再分割しようということに他ならない。
 20世紀の帝国主義時代は中国の分割と再分割で本格的に幕開けしたが、21世紀に最末期を迎えている帝国主義は再び中国への侵略戦争で延命を図り、世界戦争の破滅に突き進もうとしているのだ。
 1949年中国革命は、巨大な半植民地の後進国における民族解放・革命戦争の勝利(歪曲的勝利)としてかちとられたが、その「究極の勝利」は、帝国主義世界体制そのものを転覆する世界プロレタリア革命の勝利によってしか実現しないものだった。帝国主義の包囲と重圧を受けながら(後には同じスターリン主義のソ連とも対立しながら)、半植民地後進国の現実の上に「一国社会主義」を建設するなど「絶対に」不可能だった。それを毛沢東式に強行したのが「大躍進政策」(農業集団化=農民収奪とデタラメな官僚制的計画経済)であり、その大破産を乗り切るために仕掛けられたのが「文化大革命」という毛沢東を絶対化する内乱だった。
 中国革命から毛沢東の死まで20年以上の社会的・経済的混乱と荒廃を経て、中国スターリン主義が自らの延命を託したものが、米中結託(さらに日中国交回復)による帝国主義との平和共存政策の全面展開であり、帝国主義からの外資導入と市場経済化の「改革・開放」路線だった。
 これを鄧小平は、レーニンが内戦勝利後の「息継ぎ」として採用したネップ(「NEP」=新経済政策―商品経済「復活」)から学んだとしてやった。「レーニンがやったことだ」と言って、それまで中国共産党が「反帝国主義」だとか「修正主義反対」だとか言ってきたことをひっくり返して、「社会主義体制のもとでの資本主義化」というアクロバットを開始したのだ。
 だが鄧小平の「改革・開放」とレーニンのネップには一切つながりはない。レーニンはネップをあくまでも内戦勝利から世界革命への「息継ぎ」として採用したのであり、それを「社会主義への前進」などとは決して言わず「資本主義への後退」と率直に認め、しかしこれは前に向かって飛ぶための後退だと言ってプロレタリアートを励ましたのだ。しかし中国スターリン主義・鄧小平は、この市場経済導入の延長に「社会主義の発展」があるのだと言って、まさに世界革命を裏切ったスターリン主義者としてとんでもない開き直りをしたのだ。
 この中国スターリン主義が開いた潜在的な巨大市場(商品・資本の輸出先)に過剰資本・過剰生産力のはけ口を見いだした帝国主義は、米帝や日帝を先頭に先を争って殺到したのである。
 (3)中国スターリン主義にとって、「資本主義化」を進めれば進めるほど必然的に帝国主義の政治的、イデオロギー的な影響が浸透し、やがては中国共産党の支配を揺るがし、崩壊させるような危機に直面することは明らかだった。鄧小平は、1991年のソ連スターリン主義崩壊を「反面教師」として、「資本主義化」政策とスターリン主義的な政治的・イデオロギー的支配、統制の強化を一体で進めた。それは中国がかつてない「経済成長」を続けていく中で「成功」し、米帝の「関与政策」による中国スターリン主義体制転覆というもくろみはとん挫した。しかし、中国の「資本主義化」による「経済成長」がいつまでも続くはずはなかった。2008年恐慌後の巨額経済対策と帝国主義の中国依存の強まりで中国はなおも成長を続けたが、膨大な過剰生産能力の形成と、不動産バブルとその崩壊による過剰債務の重圧に中国経済は押しつぶされ始めた。帝国主義国においては米帝が自らの大没落と中国の「大国化」を見て1990年代以来の「関与政策」の失敗を自覚し、これ以上の中国の膨張・発展を許すことはできないと対中対決路線に舵(かじ)を切った。2017年にはトランプが登場し、中国への経済・軍事両面の圧力を一気に強めていった。
 かくして中国はスターリン主義体制の矛盾と急激な「資本主義化」=経済大国化が生み出した矛盾とがかけ合わさり、深刻な経済危機・国内支配危機に直面した(青年層の大量の失業・就職難、「途上国的」経済から抜け出せないままでの急速な人口減・高齢化問題等)。そして外からは米帝―帝国主義によるスターリン主義体制を転覆させる中国侵略戦争への踏み切りというとてつもない攻撃を受け、徹底的に追い詰められてしまったのである。中国スターリン主義が最も恐れているのは、この内外の危機の中で高まる人民の不満と怒りが、中国共産党スターリン主義体制打倒の「第2革命」に向かって、1989年「6・4天安門事件」をはるかに超える巨大な規模で爆発することである。中国スターリン主義はこの「革命的危機」を「中華民族主義」的ナショナリズムの宣揚と共産党支配の一層の強化で乗り切る以外になくなった。そこで登場したのが習近平体制である。
 習近平は、2012~13年の過程、まさに中国の「経済成長」が歴史的限界に達し、米帝が中国スターリン主義への対決政策に決定的に転換していく過程において党総書記・党中央軍事委員会主席となり、国家主席・中央軍事委員会主席となって党・国家・軍の権力を握った。そして14年から20年の香港民主化闘争の徹底弾圧・解体、コロナ・パンデミック下での戒厳体制を経て、習近平の毛沢東的あるいはスターリン的な独裁的体制は一気に強まった。
 それは中国スターリン主義の「強さ」ではなく、その歴史的崩壊的危機の激化の裏返しである。それは毛沢東的「一国社会主義」の大破産から鄧小平以来の「資本主義化」路線の歴史的破産にまで行き着き、その中で米帝―帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争の巨大な重圧にさらされている中国スターリン主義の末期的・絶望的あがきである。
 中国スターリン主義は、「トランプの自滅」を待つ「持久戦」をやっているなどとも言われるが、NSSでも打ち出されている米帝の中国侵略戦争―世界戦争の戦略はまさに国家戦略なのであって、米帝危機のさらなる激化が不可避の情勢において基本的に不変である。「今の段階で中国をつぶす」と決断し、中国侵略戦争に踏み切った米帝と日帝の動きは急であり、「持久戦」などと言っていたら、台湾は完全に帝国主義によって奪われ、固められてしまう。中国スターリン主義は軍事力、先端技術でも相当な力をつけてきたといっても、帝国主義に重包囲された「一国社会主義」の決定的限界があり、米帝や日帝がさらに本気を出して中国をつぶしにかかってきた中では、「じり貧」になるしかない。そうなると「台湾との統一」は永久に断念するしかなくなる。そういうことが見えている。米帝―帝国主義の戦争重圧と国内危機の激化の中で、習近平体制自身がいつまでもつかという問題もある。ゆえに、米帝は「今の段階なら中国をつぶせる」「今の段階でつぶす」と中国侵略戦争に打って出てきたが、中国スターリン主義の側も時間がなく、「今の段階ならば」台湾との統一は可能かもしれないという「賭け」に出るしかないところに追い詰められているのだ。だから米帝―帝国主義の側にとっても、中国スターリン主義の側にとっても、まさに26年から27年に至る1~2年の過程が決定的な分岐点とならざるをえないのである。

⑶中国侵略戦争・世界戦争の放火者となる日帝・高市

 11月の国会での高市の「台湾有事は存立危機事態」答弁をもって、日帝が、米帝の中国侵略戦争=世界戦争の火付け役として登場した。中国が「不可分の領土」とし、「核心的利益の核心」とする台湾に中国軍が〝侵攻〟してきたら「存立危機事態」を宣言して自衛隊は中国軍と交戦することになるということを言ったのである。これを高市は首相として官僚が用意した「仮定の質問には答えられない」という「答弁原稿」をあえて無視して言った。これは「失言」では断じてない。高市は中国がどれほど激甚に反応することになるかわかった上で言ったのだ。
 日帝・高市は、中国を激しく挑発し、「激怒」させた上で、高市発言撤回を求める中国の反応を「許しがたい威嚇だ」と逆に中国への排外主義的敵意をあおった。それだけではなく防衛相・小泉が台湾直近の南西諸島の自衛隊基地を視察し軍事的挑発にも踏み切った。さらに台湾・中国近海で自衛隊・米軍が大演習を繰り返していることは棚に上げ、演習中の中国軍空母に接近した自衛隊戦闘機が中国軍艦載機から「レーダー照射」を受けたと騒ぎ立て、それへの対抗とばかりに米軍の戦略爆撃機B52と空自ステルス戦闘機が日本海で編隊飛行訓練を行うなど、中国との軍事的対立をエスカレートさせている。そしてこの情勢のただ中で、自民党幹事長代行の萩生田は12月21~23日に台湾を訪問して頼清徳総統と会談し、さらに年末から年明けにかけて30人の国会議員が次々と台湾を訪問することになった。日帝の確信犯的な中国への政治的・軍事的挑発である。
 ここまでのことをやって、「日本は平和を望んでいるのに中国側が不当な威嚇や威圧をやっている、これに日本は毅然(きぜん)と対応している」などと描き上げているのだ。かつての日帝の中国侵略戦争のやり方と一切何も変わっていない。
 日帝は、米帝からNSSで「第1列島線防衛は日本の責任」とまで突きつけられている中で、この米帝の中国侵略戦争の戦略に乗る形で、中国に対し日帝単独ででも戦争ができるような巨大な軍事国家に自らを変貌(へんぼう)させようとしている。米帝が中国侵略戦争=世界戦争に乗り出し、軍事力で、戦争で中国スターリン主義を屈服させ、転覆し、中国を再分割し、世界を再分割していく時代に突入した中で、日帝は「平和国家」とか「戦争しない国」といった「帝国主義としてありえない」姿をかなぐり捨てなければならない。実際に血を流して戦争をやり、戦争によって市場・資源・勢力圏といった「獲物」の奪い合いに勝たなければ、帝国主義として存続できない。日帝は、米帝の中国侵略戦争への突入に乗っかることを「本来の」帝国主義、戦前のような日帝に一気に自己を変貌させる「決定的チャンス」としているのだ。
 米帝は、NSSで書いているとおり、日帝を中国侵略戦争の前面に立たせ、日帝に最大の犠牲を払わせ、血を流させ、その上で、米帝が最大の「獲物」をもっていこうとしている。だから日帝がいま米帝よりも「突出」して中国との軍事的対立を激化させていることは、米帝としてはまったく構わない。米帝は日中の対立を「静観」しているわけではない。米帝と中国スターリン主義が全面的に軍事的に対立し、文字どおり世界戦争的に激突するのは、戦争の最後の最後の局面であり、そのような大戦争を「簡単に」始めることはできない。米帝としては、中国との戦争の前面に立つ日帝が中国との対立を激化させ、米帝が要求している水準で軍事費を増大させ、戦争能力を高めることは「大いに結構」なのだ。
 現在の日帝は、世界最悪の財政赤字、円安、金利上昇、少子高齢化等々に直面し、トランプ関税にも圧迫され、労働者人民の生活は物価高と低賃金でますます困窮している。そのような中で安保3文書の改定を前倒しし、米帝がNSSで要求しているような軍事力の形成をめざし、防衛費GDP比2%水準も超えて、3・5%、さらには5%という中国の軍事費に匹敵するほどの30兆円台という途方もないレベルで達成するなどということが、どうしたら可能になるか。そのためには中国との「戦争状態」をつくり出し、排外主義、祖国防衛主義の世論を徹底的に扇動する以外にないのだ。そして、昨年9月の「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」報告のように、「防衛力強化と経済の好循環の実現」などと言って労働者人民を戦争経済と戦争そのものに引きずり込む以外にないのだ。それは1930年代のナチス経済や、中国侵略戦争と軍需拡大で大不況を抜け出した日帝経済と同じだが、戦争の破滅に行き着くしかないことは証明済みだ。
 日帝・高市の「存立危機事態」発言は、日帝の中国侵略戦争突入の決定的引き金を引いた。日帝は、米帝が中国侵略戦争に踏み切った以上、そしてその米帝にとって日米同盟が絶対に不可欠である限り、日帝は中国との政治的・軍事的対立がどこまでも激化しても構わないと開き直って、中国侵略戦争に突っ走り始めたのである。
 2026年は、安保3文書改定の前倒しから、さらに日帝が高市のもとで米帝の中国侵略戦争―世界戦争の戦端を開いていくような情勢がますます進んでいくことになる。この高市のもとでの日帝の急激な軍事国家化・戦争国家化、そして戦争そのものへの突入情勢をいささかも甘く見ることはできない。1930年代のドイツも、ナチス「再軍備宣言」からあっという間に巨大な軍事大国に変貌した。
 GDPでは2025年にインドにも抜かれて5位になったと言われる日帝だが、潜在的な工業生産力、技術力を軍需生産に総動員すれば、本当に中国と単独でも戦争できるような軍事力を形成しうるし、実際にもすでに相当な軍事力を持っている。たとえば中国の空母が脅威だなどと言うが、日帝は「世界一」と言われる静粛性と原潜なみの長期潜航能力をもつ「たいげい」型潜水艦(27年までに6隻就役)などで中国の空母をはじめ艦船をつけ狙い、魚雷や対艦ミサイルのターゲットにしているのである。
 日帝が、1930年代以来の「世界戦争の放火者」として、世界戦争情勢の中心に登場しようとしている。米帝が日帝をそのような帝国主義として押し出しているということはあるが、日帝はあえてそれに乗っかり、帝国主義としての生き残りを、そして戦前以来の「帝国主義らしい帝国主義」への復活をかけて中国侵略戦争―世界戦争の放火者の役を担おうとしているのだ。だが、そのことは、この日帝・高市を打倒するならば、米帝―帝国主義の延命をかけた中国侵略戦争―世界戦争を阻止することができるということだ。そして中国侵略戦争を阻止するということは、米帝のNSS、米帝の世界支配と帝国主義としての存亡をかけた国家戦略の核心を打ち砕き、反帝・反スターリン主義世界革命の巨大な突破口を開くことである。
 日帝・高市打倒と日帝の中国侵略戦争を阻止する闘いこそ、反帝・反スターリン主義世界革命への最短の道である。確かに高市は今のところまだ「高支持率」を維持している。だが、日帝の中国侵略戦争突入は、巨大な矛盾を爆発させずにはおかない。高市は財政破綻的状況下で大軍拡を進め、一方で物価高対策、景気対策の「積極財政」や「減税」を続けようとも、これはさらなる財政悪化と円安を進め、食料やエネルギーなどの輸入インフレでさらなる物価高をもたらす。日銀は円安とインフレを抑えようと30年ぶりという0・75%への政策金利の利上げを決めたが、物価上昇率を差し引いた実質金利はマイナス状態のままで、円安は止まらない。しかしさらなる利上げは国債の利払いを増やして財政悪化を加速させ、企業活動、住宅ローン返済などにも打撃を与え、株バブルも崩壊する。
 高市の「積極財政」「減税」で景気がよくなるなどという幻想がはげ落ち、さらなる物価高と生活困窮への怒りが高まる中で防衛費だけを増大させ、そのために増税までやるとなったときに、労働者階級人民がこれを中国への排外主義宣伝で受け入れることなど絶対にありえない。沖縄、広島・長崎の反戦反核の闘い、三里塚闘争、福島の怒り、動労千葉を先頭とした階級的労働運動、日本プロレタリアート人民の絶対反戦の根源的な階級的意志と闘いとの非和解的・内乱的激突は不可避だ。
 この情勢において何よりも決定的なのは、日帝の完全な手先となった連合指導部、祖国防衛・国益擁護で日帝と一致する日本共産党スターリン主義をはじめとするあらゆる勢力の総屈服・転向を打ち破って、唯一「中国侵略戦争阻止」を掲げて闘い抜く革共同の存在だ。
 日帝・高市の中国侵略戦争突入は、革共同がいかなる国家権力の弾圧や反革命の攻撃にも屈せず、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を宣伝・扇動し、革命的大衆的行動を組織していくならば、必ず革命的内乱に転化する。日本プロレタリアートの日帝・高市打倒の闘い、闘う中国人民・アジア人民と連帯し、二度と日帝の侵略を許さないという「血債の思想」に貫かれた中国侵略戦争阻止の反戦闘争の内乱的発展は、必ず中国人民を揺り動かし、反帝・反スターリン主義世界革命への歴史的合流を実現する。そしてそれは、すでにこのかんの反戦デモや11月労働者集会への合流として現実に始まっているのである。

―Ⅲ― 中国侵略戦争―世界戦争に反帝・反スタ世界革命の旗を

 Ⅱ章で見てきたとおり、いま米帝が、そして日帝が率先して開始している中国侵略戦争の本質は、帝国主義の基本矛盾の爆発としての世界戦争が、中国スターリン主義との戦争という形をとって全面的に爆発しようとしているものである。それは大没落し体制存亡の危機にまで至った米帝と日帝をはじめとする全帝国主義が中国のスターリン主義体制を転覆して奪い取り、ぶんどり合う侵略戦争として実体的に展開される。そしてこの米帝―帝国主義の中国侵略戦争に対して、中国スターリン主義は、米日をはじめ全世界の労働者人民に国際的な反戦闘争と帝国主義打倒の革命への決起を呼びかけるのではなく、帝国主義の軍事力にスターリン主義の軍事力をもって対抗し、そして帝国主義の台湾強奪に対し台湾の「武力解放」を対置することによって、帝国主義の侵略戦争を阻止するどころか、帝国主義の侵略戦争に格好の口実を与え、それを促進しているのである。このスターリン主義反革命の本質は、中国と世界のプロレタリアート人民の革命性への不信であると同時に、その革命的決起によって自分たちの支配も打倒されてしまうという恐怖である。そして帝国主義とスターリン主義は、「世界革命の圧殺」というところで利害は一致しているのだ。ゆえに、米帝―帝国主義による中国侵略戦争―世界戦争を阻止する反戦闘争は、帝国主義とスターリン主義を打倒するプロレタリア世界革命(パレスチナ人民をはじめとする民族解放闘争もその決定的な一環をなす)に向かって闘うことによってのみ貫徹しうる。
 いま始まっている米帝―帝国主義の中国侵略戦争に対して反戦は訴えるが、革命は訴えないということはありえない。帝国主義の矛盾の爆発として今の戦争があるのであって、この戦争を止めるには、帝国主義を打倒する革命しかない。そしてこの帝国主義を打倒する世界革命を放棄し、反人民的な軍事対抗で帝国主義に戦争の口実を与えているスターリン主義も打倒しなければならない。

革命こそ反戦を貫く道

 われわれは帝国主義のもとでの「平和」を求めているのではない。帝国主義は必然的に戦争を、帝国主義侵略戦争、帝国主義間戦争を生み出す。現代の帝国主義は資本主義を土台とする帝国主義である。資本主義とは階級的な搾取にもとづく生産様式である。それは資本家階級と労働者階級の階級対立―階級闘争と、資本家同士の果てしない競争を必然とする。そして階級闘争を抑圧し弾圧する国家暴力をつくり出し、資本家同士の激しい競争は独占を生み出し、国家と融合した独占体同士の競争は国家間の対立となる。それは必然的に少数の帝国主義国家による世界支配と民族抑圧をつくり出し、帝国主義国家間による世界の分割と再分割をめぐる争闘を発展させ、ついには世界戦争にまで至る。
 この資本主義にもとづく帝国主義、資本主義の最高段階としての帝国主義をそのままにして戦争をなくすというのは絶対に不可能である。帝国主義の戦争に真剣に反対し、本当に戦争をなくそうというのであれば、帝国主義を打倒する革命をやらなければならない。このことをはっきりと認めなければならない。
 「反戦を訴えるのに暴力を肯定するのか」などと言う右翼や国家権力こそ、帝国主義ブルジョアジーの利益である国益のためなら、帝国主義ブルジョアジーの国家を守るためなら、どんな暴力(「殺傷能力の高い」軍隊による非武装の住民・子どもの無差別虐殺!)でも、核兵器でも、平然と認める連中であるが、われわれは、極少数の帝国主義ブルジョアジーを打倒する大多数の労働者階級人民と被抑圧民族人民の一切の革命的闘争を支持する。帝国主義の侵略戦争は、必ずパレスチナ人民の蜂起のような被抑圧民族の抵抗闘争を、民族解放闘争とその発展形態である民族解放・革命戦争を呼び起こす。共産主義者はこの革命戦争を支持する。
 帝国主義の侵略戦争、帝国主義間の戦争、世界戦争は、帝国主義国内のプロレタリアート人民にも巨大な災厄をもたらし、それはプロレタリアート人民の不満と怒りを高め、革命的情勢を呼び起こす。戦争とは帝国主義の矛盾がとことん激化したものであって、革命はこの矛盾の激化によって呼び起こされる被抑圧階級の怒りの爆発と大衆的行動なしには起きない。だから戦争は、耐え難い惨禍を引き起こすものであるが、同時に革命の「チャンス」である。
 「戦争がもたらした経済的・政治的危機を人民を揺り起こすために利用し、それによって資本主義的階級支配の排除を促進するよう極力つとめる」----1912年のバーゼル宣言でも確認されたこの階級的義務を、最初の世界戦争において「帝国主義戦争を内乱に転化せよ」のスローガンに高めて貫徹し勝利したのが1917年ロシア革命だ。この革命は世界革命の始まりだったが、その始まりの段階でスターリン主義によって中断され、変質させられ、帝国主義は今日まで延命し続けてしまった。その結果、第2次世界大戦があり、原爆があり、今日のガザ・パレスチナ人民虐殺まで続く無数の侵略戦争があり、そして今や米帝と全帝国主義が完全に行き詰まって、その基本矛盾を中国スターリン主義に対する侵略戦争として爆発させ、破滅的な世界戦争の過程に突入している。この戦争は何としても、今の「始まりの段階」において止めなければならない。

帝国主義の政治と戦争

 自国の政府、自国の帝国主義が実際に戦争を始めるとき、始めたときには、「戦争反対」は「当たり前」ではなくなる。帝国主義は必ず「外敵による一方的な、不当、不正、不法な侵略に対抗する防衛」という外観をつくって、「やむをえない自衛の反撃だ」として祖国防衛主義で労働者階級人民を侵略戦争に引きずり込む。そして現代の帝国主義は、スターリン主義国家を最も好都合な「敵」に仕立て上げる。
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争を大衆的に発展させていくためには、中国侵略戦争の階級的本質、すなわち、その戦争が徹頭徹尾、帝国主義の侵略戦争であり、反労働者的・反人民的なブルジョアジーの利益のための政治の継続であることを暴き出さなければならない。
 「戦争は政治の継続である。だから、戦争の前の政治を、戦争へと導いてその目的を遂げる政治を、研究しなければならない。もしその政治が帝国主義的であるなら、つまり、金融資本の利益を守り、植民地や他国を略奪し抑圧しているなら、このような政治からもたらされる戦争は、帝国主義戦争なのだ。もし政治が民族解放的であるなら、すなわち、民族抑圧に反対する大衆運動を表現しているなら、このような戦争は、民族解放戦争なのだ」(レーニン「マルクス主義の戯画と『帝国主義的経済主義』について」)
 米帝・トランプの政治は、一握りの帝国主義ブルジョアジーのための政治である。労働者人民には物価高・低賃金・貧困を強制し、移民を弾圧し追放し、イスラエルのパレスチナ・ガザ住民の大量虐殺と極限的に非人間的な民族抑圧を支援し、ベネズエラに対する無法の侵略戦争を行っている。それは朝鮮、ベトナム、中東、中南米、アフリカ、全世界で行ってきた民族解放闘争圧殺の侵略戦争を引き継いでいる。このような帝国主義の政治の延長から「自由のため」「民主主義のため」「民族解放のため」の戦争がどうして出てくるか。このような米帝・トランプと固く固く同盟し、日本においてトランプと同じ帝国主義の政治を行っている高市が準備し、開始し、行う戦争が帝国主義戦争以外の何であるか。高市や小泉は「我が国を取り巻く安全保障環境の激変に対応して防衛力の抜本的強化が必要」と、あたかも日本は平和にじっとしているのに、周りが勝手に戦争を仕掛けようと動いているかのように描き上げる。だが日本は米帝と同盟する帝国主義国であり、沖縄―日本全土に巨大な米軍基地を置き、自衛隊と米軍の軍事力をもってNSSに明記しているような帝国主義支配のための政治を全面的に貫徹しようとしているのだ。

「血債の思想」で闘う時

 日帝・高市は、日帝が80年前まで台湾で、中国大陸で行ってきた残虐な侵略の歴史を完全に抹殺して、中国に対する排外主義、敵意と憎悪を扇動している。高市発言は当然、撤回を求める中国は横暴、などという世論をつくっている。日本の労働者階級の階級性を解体し、腐敗させ、労働者人民を再び日帝の侵略の先兵とするすさまじい帝国主義的民族排外主義のイデオロギー攻撃を日々行っている。日本の労働者階級人民は、まさに今こそ「血債の思想」を徹底的に貫いて闘うときだ。日帝とその軍隊である自衛隊が、中国―台湾の人民に再び血を流させるなどということは、一滴たりとも絶対に許されない。日本プロレタリアート人民の階級性・階級的倫理性にかけて、自らの血を流してでも必ず阻止しなければならない。そのような闘いとして「闘う中国人民・アジア人民と連帯し」の中身を実践しなければならない。そうしたときに初めて「日帝の中国侵略戦争の内乱への転化」は現実の運動になる。この日本の労働者階級人民の闘いとスターリン主義を打倒する中国の労働者階級人民の闘いが一つになって、世界革命の突破口をこじ開けるならば、米帝の中国侵略戦争―世界戦争を阻止し、米帝を打倒することもできる。
 反帝・反スターリン主義を貫く中国侵略戦争―世界戦争阻止の反戦闘争を巨大な革命的大衆的行動として組織し、徹底的に発展させていくこと。これが25年に革命的女性解放闘争の力で「7回大会路線の根本思想」を粉砕し、「連帯し侵略を内乱へ」の基本路線を揺るぎなく打ち立て直した革共同が、26年に挑戦し成し遂げていくべき任務である。

―Ⅳ― 中国侵略戦争を内乱に転化する巨万の革命的大衆行動を

⑴帝国主義打倒訴える扇動で階級の怒りを組織しよう

 「米日帝による中国侵略戦争がすでに始まっている」激動的情勢として幕を開いた26年は、「戦争か革命か」があいまいさなく問われる、労働者階級人民の歴史選択をかけた決戦である。帝国主義戦争に対する唯一の回答である「帝国主義打倒」「革命的内乱」の立場と実践を階級闘争の現場で貫き、労働者階級人民の怒りと闘いとして徹底的に爆発させることが求められている。「米日帝国主義の中国侵略戦争阻止!高市・トランプ打倒!」の訴えを街頭・職場・地域・キャンパスでとどろかせ、中国侵略戦争阻止の反戦闘争の巨大な規模での戦闘的爆発を切り開こう。6・14全国闘争へ向かう前半決戦を、1月冒頭から反戦デモが首都・東京―全国を席巻する状況をつくり出し、闘争が闘争を組織し巨万の戦闘的隊列へと拡大していく激動的決戦過程として闘おう。
 求められているのは扇動の飛躍だ。国家主義・排外主義、中国脅威論など帝国主義イデオロギーを怒りで粉砕するアジテーション、そしてまた戦争・貧困・生活破壊と社会の崩壊的現実を生み出す一切の根源が帝国主義であることの暴露・断罪を通して、階級的怒りを呼び覚まし組織することだ。
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、帝国主義打倒(反帝・反スタ世界革命)以外に決着のない闘いであり、だからこそ帝国主義打倒の権力闘争、政治権力を目指す闘争として、激しさと根底性をもった中央政治闘争=反戦政治闘争として爆発させなければならない。その迫力と構想と展望こそが、社会の根底的変革を求めて動き出している青年・学生・女性の大隊列を組織するカギである。
 開戦から4年を迎えるウクライナ戦争は、米帝による中国侵略戦争の一環として激化・泥沼化を深めている。トランプはウクライナ東部の経済特区構想をはじめ、領土・資源の強奪の意図をむき出しにして中国侵略戦争への国力集中のための「停戦合意」を進めている。この米帝の同盟国としての立場を押し出しながら、ウクライナ軍事支援=武器輸出へと次々と踏み込み、資源強奪戦の一角にかみ込もうとしているのが日帝だ。帝国主義打倒を貫き、2・22ウクライナ反戦新宿デモを闘おう。
 日帝はガザ大虐殺を支え続け、「和平」の名によるパレスチナ抹殺・植民地支配に深々と関わり「戦後統治」への参入も狙っている。米帝とともに日帝を打倒する闘いは、国際反戦闘争において決定的位置を持っている。4月29日に日本武道館で開かれる「昭和100年」記念政府式典は、日帝の中国・アジア侵略戦争を全面的に開き直り、天皇制を前面に押し出し、再び公然たる帝国主義として中国侵略戦争―世界戦争に突っ込んでいくための場だ。怒りの闘争で粉砕し、その力で6・14全国闘争を、首都を揺るがす数千数万の戦闘的反戦デモへ押し上げよう。

戦争国会粉砕へ闘おう

 戦争国会粉砕の闘いは反戦闘争の要だ。補正予算に1兆1千億円の防衛関連費を組み込みGDP比2%化を25年度に前倒しした高市政権は、歯止めなき大軍拡・戦争予算の道に踏み込んでいこうとしている。26年度予算案の防衛費では25年8月の防衛省概算要求をさらに拡大し、長射程ミサイルや無人機を活用した多層的沿岸防衛強化構想「SHIELD」、次期戦闘機開発などの中国侵略戦争遂行予算として過去最大の9兆円超が計上される。与党税制調査会は防衛財源として27年1月からの所得増税開始も明確にし、「防衛国債」の主張も噴出している。大軍拡・戦争予算粉砕の決戦として1月通常国会開会日から連続的に国会闘争に立とう。スパイ防止法案、国家情報局(会議)創設、国旗損壊罪など、中国侵略戦争を遂行する国家体制への全面的転換のための治安・戦争法案の成立を阻止しよう。安保3文書の26年中の改定、4月の武器輸出の5類型撤廃=殺傷兵器輸出への踏み込みを粉砕しよう。
 中国侵略戦争突入下で改憲をめぐる攻防は大決戦だ。改憲阻止闘争とは、戦後憲法的支配の行き詰まりの中で、中国侵略戦争への国家を挙げた突入か、この支配体制を打倒する革命かの歴史選択をかけた決戦だ。国会内の全政党が帝国主義の支配の延命・継続で一致し、祖国擁護=国家主義・排外主義の立場で共通している。祖国防衛主義―戦争翼賛に総転落した戦争国会を怒りで実力包囲・粉砕する闘いをつくり出そう。
 改憲・戦争阻止!大行進運動を、青年・学生・女性が先頭に立ち、中国侵略戦争阻止・日帝打倒の反戦闘争を荒々しく自己解放的に闘う全人民的運動体として本格的に発展させよう。全国に運動を広げ、活動家を組織し、地域に拠点を建設しよう。

⑵安保・沖縄闘争の歴史的爆発と反基地闘争の発展を

 米日帝の中国侵略戦争は、沖縄を全面的な軍事拠点にし、戦場にたたき込むことなしには成り立たない。今こそ70年安保・沖縄闘争を超える大闘争をつくり出そう。
 米軍・自衛隊の基地の臨戦態勢化、全面的強化・拡大、実戦演習の激化と空港・港湾・道路など全土の軍事使用、事件・事故の激発に直面する沖縄からの根底的怒りの爆発は不可避である。日帝は不屈の反基地闘争への敵意をむき出しにし、国家の全体重をかけて襲いかかっている。これを突き破り、怒りを解き放つのは本土―沖縄を貫く闘いの爆発であり、「中国侵略戦争阻止、日米安保粉砕、全基地撤去」の鮮明な立場と実践だ。日米安保同盟と沖縄の軍事要塞(ようさい)化を階級的怒りの焦点へと押し上げ、安保・沖縄闘争の歴史的爆発を切り開こう。
 昨年11月末の大浦湾への本格的な土砂投入に怒りを爆発させ、辺野古新基地建設を阻止しよう。陸上自衛隊第15旅団の師団化や与那国島への全国初の対空電子戦部隊配備など、南西諸島を丸ごと軍事要塞化する計画と徹底的に対決し粉砕しよう。「復帰」54年の5・15沖縄闘争に沖縄現地・全国から大結集しよう。
 沖縄闘争と一体で、全国での反基地闘争の実力闘争的発展を切り開こう。中国侵略戦争の最大の司令部・出撃拠点・核攻撃拠点である横須賀を先頭に、米軍統合軍司令部へと再編される米空軍横田基地、陸自総隊司令部の朝霞駐屯地、横須賀と並ぶ米海軍・海上自衛隊の大拠点である佐世保基地、米海兵隊岩国基地と「複合防衛拠点」構想が進む海自呉基地、南西諸島など戦略的拠点での闘いを爆発させよう。
 当面する最大の激突点が、熊本・健軍駐屯地への国産長射程ミサイル=12式地対艦ミサイル改良型の25年度内配備を阻止する闘いだ。2・1健軍駐屯地闘争をはじめ現地闘争に決起しよう。さらに海自イージス艦へのトマホーク搭載、27年度にかけての富士駐屯地への高速滑空弾、12式改良型の航空機(百里)、護衛艦(横須賀)への配備、宮崎・北海道・静岡などの基地への長射程ミサイル配備計画を粉砕しよう。祝園、大分、大湊など弾薬庫新増設粉砕の闘いも決定的に重要である。
 自衛隊の侵略軍隊化は、自衛隊員を激しい矛盾にたたき込んでいる。反軍闘争が決定的だ。反戦・反基地闘争の内乱的爆発と、労働者と自衛隊員の革命的合流は、プロレタリア革命の成否を決する。自衛隊員を「軍服を着た労働者」として獲得し隊内決起を組織しよう。
 「成田空港第2の開港プロジェクト」と銘打った空港機能強化は、日本最大の巨大兵站(へいたん)拠点―輸送・出撃拠点へと成田空港の位置をさらに押し上げるものだ。「一切の話し合い拒否、農地死守・実力闘争」「反戦の砦(とりで)」「労農連帯」という日本階級闘争の決定的地平が凝縮している三里塚闘争は再び日本階級闘争の最前面にせり上がり、歴史的決戦局面に突入している。不屈非妥協の三里塚闘争の地平は、地域を徹底的に破壊し軍事拠点へとたたき込もうとする空港機能強化に対する北総台地全体の怒りの決起と結合し、巨大な闘争へと発展していくことは不可避だ。それは、全国で40カ所が指定され軍事利用のための滑走路延長や港湾整備・拡張が進められる特定利用空港・港湾との闘いを牽引していくものでもある。
 市東孝雄さんの南台農地をめぐり農地強奪の国家意思をむき出しにした昨年3月の一審反動判決を、控訴審闘争と現地闘争の爆発で粉砕しよう。三里塚反対同盟との血盟にかけて全国で三里塚闘争への取り組みを強化し、援農・現地攻防にかけつけ、中国侵略戦争阻止闘争の中軸的決戦として三里塚闘争の歴史的爆発をかちとろう。1月新年デモ―反対同盟旗開きから3・29三里塚闘争に決起しよう。
 全国力を戦争に投入する日帝・高市政権の「成長戦略」において、原発再稼働―全面推進(戦争遂行・継続のための日帝独自のエネルギー確保と核武装)は絶対的条件である。1月柏崎刈羽原発再稼働を絶対に阻止しよう。高市の原発推進は、福島第一原発の廃炉のめどすら立たず、原発事故の責任は居直り続け、内部被曝を強制し、故郷も生活も奪って徹底的に福島を切り捨て圧殺することと一体である。これと対決し、原発再稼働阻止・全原発廃炉、核燃料サイクル・核武装粉砕、中国侵略戦争阻止・日帝打倒の階級決戦として3・11反原発福島行動26を闘おう。
 今春には天皇の福島訪問も策動されている。昨年の戦後80年を期した沖縄・広島・長崎に続く福島訪問は、福島第一原発事故15年をもって福島の怒りと闘いを圧殺することが狙いであり、天皇を再び暴力的弾圧を核心とする支配の前面に押し出すものとしてある。3・11福島闘争と一体で天皇福島訪問粉砕を闘おう。
 日帝中枢から、非核三原則見直し・核共有への踏み込みと一体で、ついに核武装論が公然と噴出している。広島・長崎を拠点に、被爆者の怒りと共に反戦反核闘争の大衆的爆発へ攻勢に打って出よう。

⑶戦時下の階級的労働運動の力強い前進かちとろう

 経済の軍事化(経済安保・防衛産業を柱にした「成長戦略」)、労働法制大改悪、労働組合解体攻撃、労働時間規制緩和(戦時下の「滅私奉公」強制)と対決し、産業報国会化する連合の支配を打ち破る階級的労働運動(帝国主義打倒の労働運動)をつくり出そう。11・2集会の動労千葉・関委員長の基調報告の四つのスローガン----①中国侵略戦争阻止―差別・排外主義と対決する労働運動、②戦時下における労働政策の歴史的転換に抗する労働運動、③国鉄分割・民営化反対闘争が切り開いた地平を水路に、連合路線と対決する労働運動、④反動高市政権打倒、闘う労働者の新しい党を----を徹底的に実践することこそその道だ。
 JR資本と対決する国鉄決戦は、中国侵略戦争情勢下において階級的労働運動をめぐる最大の決戦である。JR東日本大再編攻撃は「国鉄時代に由来する制度を抜本的に変革する」として、従来の会社組織や人事・賃金制度のあり方を完全に一掃し、鉄道業務・現場業務の全面的な外注化、転籍・総非正規職化、JR本体の持ち株会社化、賃金制度の「職務能力給」化と退職金の100%確定拠出型年金への移行を強行し、何よりも労働組合を徹底的に解体することを狙ったものだ。
 しかも、JR東日本は「社友会」での労働組合破壊をモデルに、全社会において、労働組合ならざる従業員代表組織に事実上の「団体交渉権」や「労働協約締結権」を与える労働法制の改悪=「労組なき社会化」攻撃を進める先頭に立ち、戦後的な労働法制、労働者の権利と労働組合の存在を根底から解体しようとしている。日帝の国家戦略を体現する基軸資本として、労組解体と戦争国家への大改造攻撃を率先推進することで延命しようというのだ。
 国家・資本との非和解的対決を貫き反戦闘争を第一の任務として闘う動労千葉の存在は、日帝を打倒する階級的労働運動の展望を示している。動労総連合の闘いは、本体・関連会社を貫いてJR体制の根幹を揺さぶり大激突情勢に突入している。国鉄1047名解雇撤回闘争は、国家権力とJR体制を打倒する決定的闘いだ。改憲・戦争と労組破壊、戦後的労資関係の解体の突破口であった国鉄分割・民営化攻撃と闘い抜いてきた国鉄闘争は不当労働行為を暴き出し「勝利まであと一歩」の情勢を切り開いてきた。署名運動を全国で広げ、1・23控訴審第2回裁判に大結集し、勝利をもぎりとろう。2・8国鉄集会の成功をかちとろう。
 日帝国家権力・資本を挙げた中国侵略戦争と真っ向から対決し、生活破壊・低賃金・権利剝奪(はくだつ)・労組破壊攻撃に対する労働者階級の怒りの大反撃をつくり出す、荒々しい26春闘を闘おう。高市は防衛産業を戦略分野に据え、経済安保政策として全産業・経済・社会を軍事・戦争を基軸に大再編しようとしている。そのための「日本成長戦略会議」に連合・芳野が参加し、高市の手先として登場しているのだ。産業報国会=連合打倒の旗を鮮明にさせ、階級的労働運動の力強い前進をかちとらなければならない。
 4大産別こそ最大の決戦場だ。郵政現場では、郵政民営化以来の合理化・安全破壊が、運転手への「不適切点呼」問題、貨物運送事業許可取り消し処分として噴出している。日本郵政はこの現実を開き直り、防衛省と人材確保協力の協定を結んで郵政労働者を自衛隊に駆り立てていくことにまで行き着いた。4大産別を軸に労組交流センター運動を本格的につくり出そう。中国侵略戦争阻止の反戦闘争を先頭で闘い、職場生産点での政治暴露と扇動を日常的に展開し、職場に党細胞、活動家、フラクションを建設する挑戦を必死にやり抜くことである。何よりも連合や全労連との党派闘争を貫徹し、産別における独自の潮流を形成し、権力奪取へ闘い抜くことだ。帝国主義打倒の実践の旗を鮮明にさせ、現場の階級との結合を深め、活動家フラクションを無数に組織しよう。

⑷「7・7路線」貫き全戦線から日帝打倒へ総決起を

 日帝の中国侵略戦争突入下で極限的に激化する差別・排外主義との闘いは絶対不可欠の課題だ。
▼日帝・高市政権は発足直後に外国人政策見直しの関係閣僚会議を立ち上げ「不法滞在者ゼロプラン」の推進や在留資格審査の厳格化、外国人受け入れ制限、不動産取得時の国籍登録など、排外主義をむき出しにし、全面的管理と排斥に踏み込もうとしている。昨年5月の「ゼロプラン」発表以降、強制送還が激増している。極悪の入管体制を粉砕しなければならない。他方で日帝は「労働力不足」の危機への死活的対応として、多数の外国人労働者を導入する政策も進めている。育成就労制度をはじめ、日帝国家・資本のためにとことんこき使い犠牲にするものだ。
 入管体制と必死に闘う在日外国人労働者人民を防衛し連帯し共に闘う運動をつくり出そう。とりわけ在日朝鮮・中国人民との結合は決定的だ。日帝による侵略戦争と植民地支配の歴史の抹殺と全面的居直りを打ち砕き、中国侵略戦争阻止闘争の中で「7・7路線」「血債の思想」を貫き真の国際連帯を築き上げていく闘いである。さらに中国人留学生・労働者の決起と結合し組織していく闘いは、米日帝の中国侵略戦争を阻止し反帝・反スタ世界革命を実現するための核心的課題である。入管闘争組織委員会の路線的・組織的確立を柱に、入管闘争を強化しよう。
▼運動内における女性差別・性暴力との対決、党と運動の変革をかけた必死の格闘は、10・11関西女性反戦集会、11・22関西女性解放学習講演会の決定的地平をかちとり、革命的女性解放闘争の大衆的発展への出発点が築かれた。この地平を徹底的に発展させ、26年を革命的女性解放闘争の荒々しい進撃の年としよう。
 戦時下で女性への差別・抑圧・襲撃・性暴力が極限化し、非正規職化・貧困がさらに拡大し、高市を筆頭に「女性活躍」の名による帝国主義支配への女性の取り込みと戦争動員の攻撃が激化している。女性解放をめぐる激しい党派闘争に勝ち抜き、差別・抑圧の根源である帝国主義の打倒、私有財産制度の廃止と階級社会の廃絶、「帝国主義戦争を内乱へ」の立場を貫き闘おう。女性が先頭で解放的に闘う運動への不断の変革をかちとり、3・8国際婦人デー闘争の大爆発を切り開こう。25年の激闘を通して新体制を確立した女性解放組織委員会をさらに強化し、中央・地区党の根幹を担う女性指導部の建設を推し進めよう。
▼生涯をかけて不屈非妥協に国家権力と闘い続け、昨年3月11日に逝去された石川一雄さんの遺志を引き継ぎ、部落解放・日帝打倒の巨大な階級決戦を切り開こう。東京高裁・家令裁判長による再審棄却策動を打ち破り、狭山差別裁判糾弾・第4次再審闘争の勝利を実現しよう。
 狭山闘争こそ国家による部落差別への糾弾闘争であり、部落解放闘争を日本革命の戦略的課題とする決定的闘争だ。部落民であることを理由に石川さんを殺人犯にでっち上げた権力犯罪への煮えたぎる怒りこそ狭山闘争勝利の力である。解放同盟本部派の屈服を突き破り、部落差別の根源である日帝と天皇制を打倒する革命的部落解放闘争をつくり出そう。
▼障害者解放闘争は、戦時下で先鋭化する帝国主義による障害者差別・抹殺攻撃と対決し、人間解放の道を開く重要な闘いだ。特に運動内での障害者の格闘に肉薄し、障害者解放・日帝打倒の闘いの展望を共に切り開こう。
▼大坂正明同志の控訴審闘争に勝利し、無罪・奪還をかちとろう。大坂同志の存在には、70年安保・沖縄闘争の巨大な革命的内乱をもって日帝打倒の現実性を切り開いた勝利性、国家権力の恐怖と憎悪を一身に受けながらそれを打ち破り不屈に闘い抜く党と階級の革命性が貫かれている。大坂奪還闘争は、中国侵略戦争阻止の反戦闘争、安保・沖縄闘争の今日的な大発展を切り開く闘いであり、その闘いの爆発こそが大坂同志を奪還する力でもある。何一つ物証すらなく、ウソの供述調書のみで大坂同志に「懲役20年」もの重刑を出した一審判決、国家権力に怒りを燃え上がらせ、署名運動を武器にその怒りの炎を全人民の中に広げよう。星野・大坂全国救援会のもとに大坂奪還の大運動をつくり出そう。
▼戦争と革命の時代は国家権力との内乱的死闘である。絶えざる弾圧を打ち破り徹底的に闘い抜くことを通して隊列を爆発的に拡大し、階級闘争の激動的発展を切り開こう。完全黙秘・非転向の原則を貫き、弾圧を革命に転じる精神で闘い抜こう。
 国家権力と原則的・非和解的に闘い、反戦闘争の先頭に立つ革命的弁護士の決起は決定的である。労働者階級に依拠し、国家権力打倒の立場を貫いて闘い抜くことにこそ戦時弾圧・戦時司法を打ち破る道がある。

学生運動の再建・爆発へ

▼石田一派と決別して決起した学生たちの闘いは、石田反革命を完全に圧倒・粉砕し、学生運動の再建と爆発の緒についた。労働者階級の階級性に獲得されその先頭で闘う中央学生組織委員会、マル学同の細胞の建設・強化・拡大を土台に、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を牽引する全学連運動の大衆的発展を本格的につくり出そう。300万学生を組織する主流派精神を貫き、大学に連日アジテーションをとどろかせて帝国主義打倒の拠点として打ち立てていく戦闘性を燃え上がらせて闘おう。
 全国の地区党で、大学への恒常的・計画的な展開、学生の組織化を主要課題として闘おう。国家・資本による戦時型大学への転換と学生支配を打ち破り、全国大学にマル学同と全学連の拠点を打ち立てよう。

―Ⅴ― 中国侵略戦争突入下において革命党に求められている任務

 中国侵略戦争突入下において革命党に求められている任務は何か。
 米日帝の中国侵略戦争=帝国主義世界戦争を、闘う中国・朝鮮・アジア人民と連帯して内乱に転化し、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命を実現することだ。すなわち、レーニンが提起する革命的情勢に対する「社会主義者のもっとも議論の余地のない、もっとも基本的な義務」を実践することだ。それは「革命的情勢が現存することを大衆に明らかにし、この情勢の広さと深さを説明し、プロレタリアートの革命的自覚と革命的決意を呼びさまし、プロレタリアートをたすけて革命的行動にうつらせ、こういう方向にむかって活動するために革命的情勢に応ずる組織をつくりだすという義務である」(「第二インタナショナルの崩壊」)。革命的情勢の徴候として、特に「大衆は、『平和』の時代にはおとなしく略奪されるままになっているが、あらしの時代には、危機の環境全体によっても、また『上層』そのものによっても、自主的な歴史的行動に引き入れられる」。それに「強力な革命的大衆行動をおこなう革命的階級の能力が加わるような情勢からだけ革命がおこる」「旧来の政府は、それを『たおさ』ないかぎり、たとえ危機の時代であろうと、けっしてひとりでに『たおれる』ものではない」のだ。
 帝国主義国家権力の打倒、プロレタリア独裁樹立の意識性を体現するものこそ革命党だ。労働者階級人民の帝国主義戦争と生活破壊への憤怒と流動を革命的大衆行動に組織していくことこそがその任務である。その要、総括軸は「内乱のスローガン」であるとレーニンは訴える。「帝国主義戦争を内乱へ」、すなわち「連帯し内乱へ」をすべての宣伝・扇動、大衆運動、労働運動に貫くことを強く求めているのだ。
 「戦争によってつくりだされ、ますます拡大し、ますます深刻になりつつある客観的な革命的情勢は、不可避的に革命的気分を生みだし、優秀な、もっとも自覚したすべてのプロレタリアをきたえあげ、啓発しつつある」「この活動を総括し、方向づけるスローガン、自国の政府と自国のブルジョアジーにたいするプロレタリアートの革命闘争をたすけようとのぞむ人々の統合と団結をたすけるスローガンは、内乱というスローガンである」
 戦時下で「内乱のスローガン」を貫くことは決して簡単ではない。国家権力、資本の弾圧、連合の帝国主義労働運動、スターリン主義、民間反革命などとの激しい攻防が不可避となる。現に米日帝の中国侵略戦争が開始され、9回大会路線=「連帯し内乱へ」の実践が求められたときに革共同自身がその主体かどうかが問われた。それが関西蜂起以来の25年決戦の核心だ。「7・7」路線=血債の思想を否定する7回大会路線とその「根本思想」を打倒、粉砕すること、あるいは石田一派の労働者蔑視の思想を徹底的に打倒、駆逐することなしに革共同は真に「連帯し内乱へ」を実現する労働者党への変革と飛躍はできなかったのだ。
 「連帯し内乱へ」を貫きプロレタリア独裁樹立まで突き進むために、非合法・非公然体制をつくり出すことを核心とした党の変革と飛躍、党建設が革命の命運をかけた闘いとなる。レーニンは「旧来の党は、現在の合法的諸組織を保持するために、プロレタリアートの革命的目的を犠牲にしてしまった」と強く弾劾する。ドイツ社民党の指導者たちはわずかな合法的陣地を守るためにプロレタリア革命を投げ捨て、労働者階級人民を帝国主義戦争に動員する側に転落した。それではどうするのか。「もし革命的情勢が現存するなら、新しい組織をつくり、自国の政府と自国のブルジョアジーにむかって、死と破壊のかくも有効な道具を用いる準備をせよ」「それは組織と闘争の新しい形態であり、やはり学びとられなければならない」
 革共同はスターリン主義と対決してマルクス主義の革命的復権をかちとり、レーニン主義革命論を貫いて闘い抜いてきた。70年安保・沖縄決戦、二つの破防法攻撃とカクマル反革命の白色テロルという二重対峙の内戦を闘い抜き勝利した。多くの困難と犠牲を伴う激闘、死闘の中で自らを徹底的に変革し、党組織と総路線を打ち鍛えてきた。
 だからこそ革共同は、帝国主義とスターリン主義の世界体制の決定的行き詰まりと米日帝の中国侵略戦争突入という革命的情勢の到来に、徹底的に古い自己を打倒、破壊して、真に「連帯し内乱へ」を闘う党へと生まれ変わるのだ。それこそが秋月書記長自己批判―IS同志提起の核心だ。革命的女性解放闘争創成の闘いは、「連帯し内乱へ」を闘う党を求める当該女性同志の渾身(こんしん)の決起から開始された。まさに帝国主義に屈服し、合法主義に転落した古い組織が打倒されたのだ。
 帝国主義打倒と人間解放を求めるすべてのみなさんが革共同に結集し、「戦争か革命か」の26年決戦を共に闘うことを心から訴える。
 最後に党建設上の強調点を明確にしたい。一つに、マル学同、マル青労同の組織化にすべての地区党が一切をかけて突入することである。帝国主義の圧政と連合、スターリン主義の屈服と翼賛に心底怒り、根底的な社会の破壊、変革を求めているのが青年・学生だ。帝国主義打倒の扇動と、マルクス主義・レーニン主義ですべての青年・学生を獲得しよう。二つに、機関紙活動の強化であり、根本的変革である。「前進」こそが宣伝・扇動の武器だ。「前進」を共につくり、守り、読み、広げよう。三つに、差別・排外主義と闘い、帝国主義、スターリン主義との党派闘争を徹底的に闘い抜くことだ。「愛国の党」「国益の党」を帝国主義者と競い合う日本共産党スターリン主義を徹底批判、粉砕しよう。四つに、治安弾圧の強化に勝ち抜く党を建設することである。合法拠点を守り抜きながら非合法・非公然体制をつくる柔軟性を堅持して戦時治安弾圧体制に勝ち抜く組織を建設していく。あらゆる弾圧を完全黙秘・非転向で打ち破り、革命的大衆闘争=中国侵略戦争阻止闘争の大衆的爆発に転じていくことである。
 大坂同志の不屈の獄中闘争と固く団結し、控訴審闘争勝利へ全力を挙げよう。須賀同志の満期出獄が5月23日に迫っている。実力奪還をかちとる対権力闘争として闘い抜こう。
 革命的女性解放闘争をさらに徹底的に推し進め、青年・学生・女性の党へ変革し、「連帯し内乱へ」の闘いに万余の決起をかちとる26年決戦へと進撃しよう。

このエントリーをはてなブックマークに追加