国鉄闘争に勝ち切ろう 井手・深澤を法廷に引き出せ
国鉄闘争に勝ち切ろう
井手・深澤を法廷に引き出せ
国鉄1047名解雇撤回裁判は、国鉄分割・民営化による解雇を首謀し実行した井手正敬(JR西日本元会長)と深澤祐二(JR東日本会長)の証人尋問を実現できるかどうかの正念場に差し掛かっている。
国鉄分割・民営化は改憲と戦争国家づくりを目的に強行された戦後最大の労組破壊攻撃だった。これと対決する闘いは1047名解雇撤回闘争として継続されてきた。アメリカ帝国主義がイラン侵略戦争を強行し、中国侵略戦争に全面突入する中で、国鉄闘争が歴史的な勝利を切り開きつつあることの意味は大きい。
動労総連合が証人尋問を求めている井手は、分割・民営化当時、国鉄総裁室長として労組つぶしの陣頭指揮を執った。彼は分割・民営化に反対する労組の組合員をJRから排除することをたくらみ、そのための選別基準(不採用基準)の策定をJR設立委員会委員長だった斎藤英四郎(当時、経団連会長)に進言し、斎藤の指示を受けて基準を具体的に策定した。JR発足後はJR西日本の社長・会長に納まって大合理化を強行し、2005年4月の尼崎事故を引き起こした。
深澤は不採用基準に基づきJR採用候補者名簿から動労千葉組合員の名前を削除する作業に携わり、その後はJR東日本の社長・会長として不当労働行為を居直り続けた張本人だ。
動労総連合が解雇の撤回を求めた裁判の控訴審で、1月23日、東京高裁第24民事部の東亜由美裁判長は、被告の中央労働委員会に「組合側が主張するJRの不当労働行為を事実として認めるのか、認めないのか」と迫り、「認めれば証人尋問の必要はなく、組合側の主張を事実として判決を書く。認めなければ証人尋問を検討する」と明言した。JRを免罪する反動命令を出した中労委が、動労総連合の主張を認めるはずがない。ならば裁判所は、井手・深澤を証人尋問せざるを得なくなる。
裁判への全国からの大結集と解雇撤回署名の拡大は、法廷内の闘いと一体となり、そこまでJRと裁判所を追い詰めたのだ。
この裁判の一審東京地裁判決は、「不当労働行為からの救済申し立ては行為があった日から1年以内」とした労働組合法上の除斥期間を盾にして、事実調べも拒否して解雇撤回の訴えを切り捨てた。
除斥期間の壁破り
だが、動労総連合は控訴審で除斥期間の問題を徹底的に争った。除斥期間とは時間の経過により訴える権利を消滅させる制度で、時効と異なり進行が一時停止したり振り出しに戻ったりすることはなく、時間の経過だけが絶対的な基準になる。除斥期間について最高裁は24年7月、優生保護法により不妊手術を強制された被害者が国に損害賠償を求めた裁判の判決で、従来の判例を変更し、国が損害賠償責任を免れるために除斥期間の適用を主張したことは著しく正義・公平に反し、信義則違反または権利の濫用(らんよう)として許されないと判示した。
これを国鉄解雇撤回裁判に当てはめれば、「採用候補者名簿を作ったのは国鉄で、JRは不採用者の選別に関与していない」という虚偽の主張を一貫して続けてきたJRが、除斥期間を主張することは正義に反し許されないということだ。また、JRの主張が信義則違反や権利の濫用となるかどうかは、解雇の真相を明らかにしなければ判断できない。だから東裁判長は、証人尋問を検討すると言わざるを得なかったのだ。
権力中枢揺るがす
国鉄闘争は「勝利まであと半歩」に迫った。この事態は国家権力中枢を揺るがしている。2月下旬、内閣は東裁判長を高松高裁長官に抜擢(ばってき)する人事を発表した。高市の言う「女性活躍」の代表格のように扱いながら、彼女を体よく東京高裁から追い出すのだ。国家権力はそこまでして裁判の流れを逆転させ、闘いをつぶそうとたくらんでいる。闘いはこれとの力勝負の激突に入った。
今、闘われている裁判は第3ラウンドの闘いだ。JRに解雇撤回を求めた第1ラウンドの裁判では、「JRに法的責任はない。不当労働行為があったとしても、その責任を負うのは旧国鉄」という反動判決が出された。旧国鉄を訴えた第2ラウンドの裁判では、動労千葉組合員を排除するための不採用基準の策定は不当労働行為になるという判決が最高裁で確定した。だが、JRの責任は宙に浮いたままになった。その不採用基準の策定を命じたのはJR設立委員会だったという事実をもとに、改めてJRの責任を問うたのが第3ラウンドの裁判だ。その闘いの前に立ちはだかった除斥期間の壁も、控訴審で崩れ落ちようとしている。
国鉄分割・民営化にストライキで立ち向かった動労千葉は、それへの報復として行われた不当解雇を、39年に及ぶ不屈の闘いで撤回させようとしているのだ。
戦時独裁つき崩せ
戦時独裁をもくろむ高市の攻撃は、労組を解体し労働者を軍需産業に強制的に移動させるたくらみと一体だ。戦時体制構築と軍事経済化の司令塔としてつくられた「日本成長戦略会議」に連合は会長の芳野友子を送り込み、産業報国会化に一層のめり込んでいる。
国鉄闘争の勝利は、この反動を根底から打ち破る。闘いの現局面を広く伝え、解雇撤回署名を広げよう。次回裁判(時期未定)までが勝負の時だ。何としても国鉄闘争に勝ち切ろう。