武器輸出の全面解禁許すな 中国侵略戦争参戦国に兵器供与

週刊『前進』04頁(3437号02面03)(2026/03/09)


武器輸出の全面解禁許すな
 中国侵略戦争参戦国に兵器供与


 アメリカ帝国主義が国家安全保障戦略(NSS)で明示した中国侵略戦争―世界戦争戦略が、ベネズエラとイランへの侵略戦争として発動された情勢下、日本帝国主義・高市政権は「重要政策の大転換」(施政方針演説)へと踏み込んでいる。その一環として「防衛装備移転三原則の見直し」=武器輸出規制の全面撤廃が進められようとしている。絶対に許してはならない。

一切の制限なくし殺傷兵器をも輸出

 高市が改定を強行しようとする新たな運用指針は、①「防衛装備移転三原則」で完成品として輸出できる兵器を定めた「5類型」(救難、輸送、警戒、監視、掃海)の限定を撤廃、②日英伊で共同開発する最新鋭戦闘機のような国際共同開発品の、共同開発国以外への輸出禁止を撤廃、③「現に戦闘が行われていると判断される国」への輸出は原則不可としつつ、「我が国の安全保障上の影響を考慮して特段の事情がある場合」には輸出を可能にする、という3点が柱だ。輸出できる兵器の制限もなく、実際に戦争中の国であっても「特段の事情」があれば殺傷兵器すら輸出できる----まさしく武器輸出の全面解禁である。
 この許しがたい「転換」は、米帝の中国侵略戦争―世界戦争への激しい動きに呼応し急ピッチで進められている。高市が施政方針演説を行った2月20日、自民党安全保障調査会は武器輸出規制の全面撤廃を提言する素案をまとめた。それが25日には自民党全体の提言となり、3月上旬には正式に政府=高市政権に提言される予定となっている。そして高市は武器輸出の全面解禁を前提として、3月19日の日米首脳会談に参加するのである。そうして、米日帝は日帝の武器輸出解禁を組み込んで中国侵略戦争遂行体制をさらに強固にしようとしている。
 武器の輸出先は現在、米や北大西洋条約機構(NATO)諸国、オーストラリアやフィリピンなどインド太平洋地域の18カ国を想定しているとされる。要するに、武器輸出の対象とは中国侵略戦争に「参戦」する、あるいは対中包囲網に引き込みたい国々のことにほかならない。台湾への日帝の関与が強められている中で今後、この対象に台湾が追加されていくことは必至だ。
 武器輸出は兵器の共通化にもつながり、それは戦争を連携して遂行する能力ともなる。ウクライナ戦争において、元々は旧ソ連系統の兵器で軍隊を編成していたウクライナ軍が米やNATO諸国から武器の供給を受けて運用できるのも、2014年のクリミア半島危機以降、ウクライナ軍の「NATO化」を進めてきたことが重要な一因である。「第1列島線」の中心で中国侵略戦争の最前線を担う日帝は、インド太平洋地域に日本製の兵器を売り込み、中国侵略戦争を遂行する体制を構築するとともに、独自の勢力圏を構築しようともしているのだ。実際に豪海軍の次期フリゲート艦の選定は、ドイツ製が優勢と見られていたにもかかわらず、日本の「もがみ」型護衛艦の改良型が選ばれることとなったのだ。比にもすでに旧型護衛艦の輸出が検討されている。
 武器輸出規制の全面撤廃は、国内に軍需産業を育成し、継戦能力の確保を狙うものだ。それは単に日帝が「死の商人」になるというだけではなく、経済の全面的な軍事化を含め、国家と社会のあり方を中国侵略戦争遂行のために大転換させることなのである。

戦争の遂行へ国家のあり方を大転換

 日帝は1950年に朝鮮戦争が始まって以降、米帝から武器の製造が許可され、弾薬などを大量に製造、朝鮮戦争に事実上「参戦」した。その後も東南アジア各国に軍用車両や砲弾を大量に輸出し、それらはベトナム戦争においても使われた。しかし、ベトナム反戦運動や安保・沖縄闘争の爆発により、佐藤政権は「武器輸出三原則」を表明せざるを得ず(67年)、三木政権によるその改定(76年)で、日帝の武器輸出は現実には不可能になった。こうした敗戦帝国主義としての制約を突破しようと日帝はあがき続けたが、その決定的な転機は第2次安倍政権が「武器輸出三原則」に代わり「防衛装備移転三原則」を策定した(2014年)ことだ。これにより5類型に該当する場合は武器を輸出できることになり、原則は根本的に転換した。さらにそれは岸田政権下で改定され(22年)、ウクライナは「『被侵略国』であって『紛争当事国』ではない」という理屈で、防弾ベストや軍用車両、さらには米帝を介して地対空兵器「パトリオット」も事実上、同国に輸出された。
 今回の改定は中国包囲網を形成する「同志国」に積極的に武器を供与するということだ。だから、日本の20企業・団体を対象に軍民両用(デュアルユース)品の輸出を禁止した中国に対し、自民党安全保障調査会長の小野寺は「外圧に屈せず、防衛力を強化する」と息まいたのだ。武器輸出規制の撤廃はまさに中国侵略戦争への踏み込みであり、国家体制を大転換する攻撃だ。3・20反戦デモに立ち高市を打倒しよう。

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