国家情報会議法案粉砕を 反戦運動を〝スパイ行為〟に
週刊『前進』04頁(3439号04面02)(2026/03/23)
国家情報会議法案粉砕を
反戦運動を〝スパイ行為〟に
イラン侵略戦争を強行したアメリカ帝国主義は今も無差別虐殺の暴挙を続けている。絶対に許せない。開始された世界戦争に促迫されて高市政権は3月13日、国家情報会議創設関連法案を閣議決定し、国会に提出した。同法案は首相を議長に官房長官、国家公安委員長、法相、外相、財務相、防衛相、経済産業相、国土交通相で構成する国家情報会議を内閣に設置し、そのもとに内閣情報調査室を格上げした国家情報局を置いて、情報活動の司令塔にすると言う。
高市はこの法案を今国会で押し通し、今年7月にも国家情報会議と国家情報局を発足させ、遅くとも2027年度中にスパイ防止法を成立させようと狙っている。さらに、自民党と日本維新の会の連立合意は、国家情報局のもとに「対外情報庁」を27年度までに設置すると明記している。
敵国の「機密」探知はまさに戦争行為
国家情報局は、警察庁警備局や外務省国際情報統括官組織、法務省公安調査庁、防衛省情報本部など各省庁が収集した情報を内閣が一元的に掌握し、諜報(ちょうほう)活動を総合調整するための機関とされる。だが、狙いはそれにとどまらない。2月21日付日経新聞のインタビューで、駐ウクライナ日本大使を務めた倉井高志は、こう述べている。「対外情報機関とは一般に、海外で秘密情報の収集を任務とする機関だが、秘密情報とは相手が秘匿しようとする情報のことだ。それをさまざまな手段で入手するのが任務なので、非合法活動に至る可能性を常にはらんでいる。外国からは、そのような組織だとみなされることを、分かっておく必要がある」「対外情報庁」の役割は、外国の「国家機密」を非合法手段で探り取ることにある。想定されているのは、アメリカの中央情報局(CIA)やイギリスの秘密情報部(MI6)、イスラエルのモサドのような機関だ。米帝とイスラエルはイランの最高指導者ハメネイの所在を事前につかんでイラン侵略戦争を強行した。こうした役割を果たしうる機関を、日帝も必要とするに至ったのだ。
維新の会の安全保障調査会が3月2日にまとめた「21世紀の国家安全保障とインテリジェンス構想」と題する提言は、諜報活動の対象領域には軍事と非軍事の2分野があるとした上で、「情報要員が国内外で活動するにあたり、身分偽装を行うことも想定される。しかし、我が国の現在の法体系では、身分偽装の際の要件及び要員の保護等に関する法定化がなされておらず、早急に対策が必要である」と言う。3日に自民党インテリジェンス本部がまとめた「我が国のインテリジェンス機能の抜本的強化に関する提言」も、サイバー空間をはじめ通信・電波・電子信号情報を収集し分析する「シギント能力」と並び、機密を知る外国の要人などと接触して情報を収集する「ヒューミント能力」の強化が必要だとし、そうした活動に携わる要員の「安全保護のために必要な措置の導入についても具体的な検討を加速する」と述べる。
敵国の機密を非合法手段で探知するのは当然であり、それを戦争行為として遂行できてこそ、国家は国家たりうると、自民や維新の会は叫び始めたのだ。
反戦闘争の圧殺を狙い階級戦争強行
国家情報局が統括する諜報活動は、対外戦争と国内階級戦争を一体で遂行するものになる。維新の会の提言は、諜報活動には①諜報②防諜③非公然活動の3機能があるとする。諜報とは外国の機密を探知すること、防諜とは日本の機密を保持すること、非公然活動とは国の内外で世論操作や選挙介入を行うことを指す。高市独裁を維持するための国内世論操作も国家情報局の役割だ。維新の会の提言は、「SNS上で、外国勢力が偽情報を発信及び拡散するといった影響工作を行い、人々の認知及び行動に影響を与える……認知戦に対抗する部署を可及的速やかに新設」せよと叫ぶ。彼らが敵視するのは、外国から発信された言論だけではない。
例えば「台湾有事は日本の存立危機事態」という高市発言を批判する言論は、それが日本国内で発信されたものであれ、中国による工作の影響を受けたものとして監視・弾圧の対象になる。中国との戦争の階級的本質を「米日帝国主義による侵略戦争」と暴くことは「偽情報」とされ、「中国の脅威から日本の国益を守れ」と叫ぶ政府の宣伝だけが正しいものとされて、反戦の声は圧殺される。
そうした攻撃の全面的な貫徹を狙うものがスパイ防止法だ。「スパイ行為」に死刑や無期拘禁刑などの厳罰を科すこの悪法によって守られる「国家機密」とは、不正義の侵略戦争を正当化するためになされる事実の隠蔽(いんぺい)と歪曲(わいきょく)だ。
今こそイラン侵略戦争・中国侵略戦争に絶対反対を貫く巨大な反戦闘争に立とう。戦争なしには延命できない帝国主義を打倒する労働者人民の実力決起が、国家情報会議と国家情報局の設置にかけた高市の狙いを打ち砕き、スパイ防止法を阻むのだ。総翼賛化した戦争国会を許さず、人民の怒りで包囲して、国家情報会議創設法案を粉砕しよう。