十亀弘史の革命コラム -41- 兵士は銃口を支配階級へ
十亀弘史の革命コラム -41-
兵士は銃口を支配階級へ

作家の中村文則によるエッセーに次の一文がありました。「自衛隊の味方みたいな言い方をする政治家ほど、逆に、自衛隊に危険なことをやらせようとする」(「通販生活」初夏号)。的を射た指摘です。
例えば小泉進次郎は、3月20日に、陸上自衛隊高等工科学校の卒業式で述べています。「(自分は)自衛官が国民の皆様から感謝と敬意を示される社会を実現し、(自衛官の家族も)安心して家族を任務に送り出せる、そのような環境を整えます」。防衛相だから当たり前ではありますが、「自衛隊の味方」そのものという自己表出です。
しかし、彼がやらせようとしている自衛官の「任務」とは何なのか。2月のミュンヘン安全保障会議では、直接に中国と名指しはしていませんが、こう述べています。「我が国の周辺国は不透明な軍備増強を続け、地域の軍事バランスは、大きく、そして急速に変化しています。東シナ(ママ)海、南シナ(ママ)海で、力による現状変更の試みが続き、太平洋の西側や南側での挑発的な軍事活動も活発化しています」
その上で、侵略しようとする国がいつでも〈敵国の侵略からの防衛〉を掲げるとおり、次のように言明します。「侵略者の考えは民主主義の下で生きる我々には予測しがたい。侵略者も我々の意志の強さを見誤まるかもしれない。明日、何があってもおかしくない」
工科学校ではさらに、「沖縄の南西諸島、長崎の相浦の水陸機動団」などを挙げて、「皆さんの先輩たちが、今この瞬間にも日本の国防の最前線で頑張っています」と持ち上げ、その前14日の防衛大学校の卒業式では、「皆さんも、これまでに学んできたことの全てが問われるような現場に卒業後すぐに直面するかもしれません」と述べています。そして、同じ卒業式で高市早苗は、自分の訓示の中で「自衛官の宣誓」の次の箇所を引用しています。「事に臨んでは危険を顧みず身をもって責務の完遂に努める」
それらの発言、そしてなにより沖縄や国会で現に進んでいる事態を見れば、帝国主義国家日本が、中国への侵略戦争に踏み込み、自衛隊員を「すぐに」「明日」にでも、「危険を顧み」させず、戦場での命の奪い合いに「直面」させようとしていることは明らかです。労働者である兵士が、怒りと確信をもって銃口を自国の支配者に向け返す、そのことを可能とする大きな闘いを切り開いていきましょう。
(そがめ・ひろふみ)
2026.5.4