「継戦能力確保」叫ぶ骨太方針 戦争遂行が経済財政運営の軸に
週刊『前進』04頁(3454号02面03)(2026/07/06)
「継戦能力確保」叫ぶ骨太方針
戦争遂行が経済財政運営の軸に
アメリカ帝国主義とともに中国侵略戦争に突進する以外に延命の道のない日本帝国主義は、戦時体制を打ち立てようと躍起になっている。高市政権下で初めて策定される「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」は、中国侵略戦争を遂行するための国家総動員体制の確立に向けて出されようとしている。
労働者を強制動員して国が兵器生産
高市政権が策定する骨太方針が今までのものと画然と違うのは、国の経済財政運営の基本的な考え方に中国侵略戦争の遂行が据えられるということだ。そこには安保3文書改定の中身も前倒し的に盛り込まれる。高市は、ウクライナ戦争やイラン侵略戦争で人工知能(AI)やドローンを駆使するものへと戦争の様相が構造的に変化したことに対応しなければならないと叫ぶ。「新しい戦い方」に応じた「年単位の継戦能力の確保」が、国の絶対的な課題にされるのだ。
6月30日の経済財政諮問会議に出された骨太方針の原案には、国が兵器工場を所有し民間資本に運営を任せる「GOCO」方式の導入が盛り込まれた。そこには、「安定供給されない可能性のある武器」や重要装備を生産するための国営工廠(こうしょう)の設置、それを運営する独立行政法人の設立という構想が含まれる。ここで想定されているのは、弾薬やミサイルなど、戦争突入となれば大量に消費される兵器の生産だ。既存の軍需産業だけでは生産が追い付かず、国営工廠で武器を製造しなければならない事態になれば、労働者は必然的に軍事部門に強制動員されるのだ。
政府が窓口になって武器輸出を促進するための「日本版対外有償軍事援助(FMS)」の導入にも、政府は踏み込もうとしている。
そして、これらの方策を強行するための「防衛生産基盤強化法の改定」も骨太方針の原案に明記された。
軍需産業を中心に370兆円の投資
骨太方針の策定に向けて6月24日に開かれた日本成長戦略会議と経済財政諮問会議の合同会合で、高市は17の戦略分野について2040年度までに官民合わせて総計370兆円の投資を行うとぶち上げた。「危機管理投資」17分野のうち、特に重視されているのがAI・半導体と防衛産業だ。AI・半導体で総計101兆6千億円、防衛産業のうちドローンとデュアルユース(軍民両用)技術には計4兆7千億円の官民投資が計画されている。高市政権はこの370兆円の投資のうち国の支出分について、一般会計とは別枠の基金を作って複数年度で予算措置を行い、経済安全保障上、重要な分野については予算の上限を設けない方針だ。財政赤字がどんなに膨らもうが、軍事支出は際限なく拡大するのだ。殺傷兵器の生産で資本は膨大な利益
安保3文書改定に向けた自民党の提言は、「防衛装備品等の製造能力を維持・向上させるべく投資を促進するためには、防衛産業が長期的な投資に値する産業であると認められる環境を構築することが必要」だと言う。経団連も「防衛生産・技術基盤の抜本的強化に向けて」と題する提言で軍需産業への利潤保証をあからさまに求めた。このもとで経済の軍事化が徹底的に進む。三菱重工業の軍事部門の売上高は21年度の6千億円から25年度の1兆3900億円に急増し、この間に同社の株式時価総額は10・5倍に膨らんだ。川崎重工も欧州航空機大手エアバスとドローン開発での提携を発表し、経営破綻した日産の追浜工場を米軍事企業アンドゥリル・インダストリーズが取得してドローン生産の拠点とするための協議も始まった。370兆円の官民投資の発表で、軍事企業は色めき立ったのだ。
大資本は国家資金でさらに肥え太り、労働者人民は侵略の銃を取らされて中国―アジア人民との殺し合いを強いられる。絶対に許せない。8・6広島―8・9長崎をはじめ7~8月反戦闘争の意義はさらに高まった。帝国主義を打倒して中国侵略戦争を阻止する実力の闘いを巻き起こそう。