十亀弘史の革命コラム -43- 「日の丸」は侵略戦争の旗

週刊『前進』04頁(3454号04面04)(2026/07/06)


十亀弘史の革命コラム -43-
 「日の丸」は侵略戦争の旗


 国会で「国旗損壊処罰法案」が審議されていますが、祖国を持たない労働者階級にとっては「国旗」の存在自体がまず否定されるべきです。その上で「日の丸」は、侵略と排外と天皇制の象徴そのものです。中国・アジアへの侵略戦争において、焼き尽くし・殺し尽くし・奪い尽くす「三光作戦」の現場には常に日の丸が翻っていました。
 これは、マレーシアでの例ですが、6月24日の朝日新聞に次のような事実が紹介されています。日本軍の占領下で、「敵の協力者」とみなされた多くの中華系住民(華人)が殺されました。「マレーを占領した陸軍第25軍の『華僑工作実施要領』では、『協力を惜しむ者に対しては、断固その生存を認めざるものとする』との方針が示されて」います。何という「方針」でしょう。直ちにただ殺せというのです。2000年代の初め、その60年ほど前に虐殺に直面していた女性が、家族に連れられて「すしレストラン」に向かいます。すると、その店の前に掲げられていた日の丸を目にして、「全身を激しく震わせ」「『家に帰らないと......、家に帰らないと......』」とおびえて繰り返した、とその女性の子が語っています。アジアにおける日の丸は、何十年を経ても殺戮(さつりく)の血の旗でしかありません。その日の丸がいま「国旗」として維持されていることこそが歴史的な犯罪です。
 そのような旗の「損壊」に対して刑罰を科そうというのは、現になしてきた凄惨(せいさん)な侵略の歴史を居直り、中国への新たな侵略戦争に向かう日本帝国主義のすさまじい意志の具体化に外なりません。〈表現の自由の侵害〉だとか〈立法事実が存在しない〉とかの批判は、完全に的を外しています。日本共産党は、日の丸や君が代に対して、一貫して〈国民の多数が自然に受け入れられるようにする努力が必要〉などといった態度をとり続けています。国旗損壊罪にも少しも対決しようとしていません。日帝権力は、愛国主義、排外主義を広げ、反対勢力を「非国民」化して総力戦体制を築く、というそれこそ喫緊の立法事実(法をつくるべき必要性)を有しています。それが、安保3文書の改定やスパイ防止法制定策動などと一体の戦時下の国民総動員攻撃の一環だとすれば、大きく、中国侵略戦争絶対阻止、「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いで応えるしかありません。損壊罪そのものを日の丸もろとも粉々に破り捨てましょう。
(そがめ・ひろふみ)
2026.7.6

このエントリーをはてなブックマークに追加