十亀弘史の革命コラム-44- AIが戦争の現場変える

週刊『前進』04頁(3459号04面04)(2026/08/17)


十亀弘史の革命コラム-44-
 AIが戦争の現場変える


 いま、AIが戦争の現場を急激に変化させています。大方の軍事作戦は、「標的の選別、特定、追跡、照準、交戦(攻撃)、そして評価という六段階」(内田聖子「軍拡はAIからはじまる」・岩波新書『「アメリカの戦争」と世界危機』所収)で展開されます。攻撃そのものはドローンなどが行いますが、その六段階の全てを自律的に指揮・統制するのがAIの軍事システムです。それによって、「作戦立案の速度と規模は飛躍的に拡大」(同)します。瞬時の大規模殺戮(さつりく)の自動化です。
 2月28日の米軍によるイランへの侵略(先制攻撃)には、パランティア・テクノロジーズ社の「メイブン・スマートシステム」が使われたとされています。標的を捕捉するAI「メイブン」と、戦争や大量監視の全情報を蓄積したAI「ゴッサム」を組み合わせたシステムです。パランティア社はイスラエルによるパレスチナ人民のジェノサイドにも加担しています。
 外への戦争は国内の人民への抑圧や管理・監視などと一体です。パランティア社やアンソロピック社のデータ分析システムは、そのためにも大いに利用され、この先さらに「強力」な弾圧の利器にされようとしています。
 日本で、7月10日に個人情報保護法が改悪されました。人種や信条なども含むあらゆる個人情報について、本人の同意や実名の削除がなくても、民間企業が大幅に取得できるとしたのです。例えばパランティア社がそれらのデータを得たとしたら、「プライバシーの侵害」どころではありません。3月5日に高市首相が、同社の会長で「テック右翼」の頭目とされるピーター・ティールと面談していますが、その内容は一切公表されていません。戦争と総力戦体制作りのための話し合いだったとしか思えません。
 その前1月には、小泉防衛相がワシントンのパランティア本社を訪問し、同社幹部との会合を開いています。高市政権は、内外にAIを駆使する、中国への最も「現代的」な侵略戦争に踏み込もうとしています。「骨太方針」のいう「戦略17分野」の最重要項目の一つには、まさにAIが挙げられています。
 ただ、AIが戦争を始めるわけではありませんし、技術論や兵器論だけで戦争を論じてはなりません。戦争に突き進むのは、危機に陥った帝国主義であり、まさしく今の日帝と米帝です。高市政権を打倒し、さらに帝国主義体制そのものを打ち倒しましょう。
(そがめ・ひろふみ)
2026.8.17

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