絶望的に凶暴化する米帝トランプ 11月中間選挙を前に激化する戦争と内戦
週刊『前進』04頁(3464号02面02)(2026/09/21)
絶望的に凶暴化する米帝トランプ
11月中間選挙を前に激化する戦争と内戦
中国侵略戦争―世界戦争に突入したアメリカ帝国主義、日本帝国主義をはじめ全帝国主義の「崩壊」が激しく進行している。何よりも、戦後世界体制の基軸国であった米帝こそが国内危機に直面し、トランプのもとで内戦的状況が生まれている。11・1全国労働者集会―11・22全国反戦闘争を頂点とする今秋決戦は、ついに到来したこの革命情勢を帝国主義打倒の革命そのものに転化する闘いだ。
一線を越えた没落と危機
米帝・トランプは、11月3日に迫った中間選挙を前に「アメリカ第一」を振りかざしてカナダや日帝、欧州帝国主義に対する文字通りなりふり構わぬ争闘戦を展開している。かつては「最大の同盟国」であったはずのカナダを「併合」すると公言するトランプは、8月末の貿易交渉決裂を受け、両国にまたがる五大湖の一つ・オンタリオ湖の名称を「アメリカ湖」に変更する大統領令に署名。高率の報復関税による応酬が続けられている。これと並行して米帝は日帝への争闘戦も激化させ、7月末には日米「協調」為替介入という形で金融政策への全面介入にも踏み出した。米財務長官ベッセントは「今や私が胴元だ」とまで述べ、決定権は日帝ではなく米帝の側にあると露骨に突きつけた。しかし、自らも巨額の債務を抱える中で日帝の財政破綻に引きずり込まれることを回避しようとする米帝の介入はあくまで一時しのぎでしかなく、米日帝の金融危機の爆発は時間の問題だ。
こうした中で、トランプは中間選挙を乗り切ることに賭けている。共和党はテキサス州ダラスで9月9、10日に特別党大会を開催した。通常は4年に1度の大統領選に合わせて開催する党大会を中間選挙の前に開くという史上初の事態だ。トランプは2日連続で登壇し、9日の演説は約1時間45分に及ぶという異例尽くしの大会となった。
トランプは差別と排外主義、移民排斥の扇動に長い時間を割き、「共和党が負ければ安全な国境も減税策も安心・安全も富も失い、わが国は地獄を経験する」とあおり立てた。そして、労働者人民の闘いへの恐怖と憎悪をつのらせ「共産主義を打ち負かし、自由のために投票を」と訴えた。さらに、共和党が勝てば米国市民の成人全員に5000㌦(約77万円)を配るという「トランプ配当金」の公約まで打ち出した。
この背景にあるのは米帝の歴史的没落の一線を越えた進行だ。とりわけ、イラン侵略戦争とその再激化による原油価格の高騰はインフレを促進し、この間の資本家階級への大減税と福祉や医療、年金の削減による生活・生業破壊に拍車をかけている。特に住宅費が爆発的な勢いで高騰し、車中生活者やホームレスが激増している。底が抜けたような社会の崩壊、沸騰する労働者人民の怒りを前に、トランプにできることは空約束の乱発だけだ。トランプは演説で「イランとの戦争に勝てば石油価格は下がる。アメリカは勝っている」などと叫んだが、一方で「戦闘終結は中間選挙の後になる」と述べざるをえなかった。
しかし、中東が以前のような状況に戻ることなど絶対にない。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、バンス副大統領やルビオ国務長官らトランプの側近が、次期米大統領が就任する2029年1月以降も戦闘が続く可能性を想定して非公式協議を行ったと報じた。9月11日にはイエメンのフーシがサウジアラビアの石油パイプラインを破壊し、ホルムズ海峡の代替ルートであるバブルマンデブ海峡の要衝を制圧した。これにより最新の原油先物の価格は100㌦超と、米帝がイラン攻撃を開始したころの水準まで急上昇している。
移民襲撃と労働者の反撃
この間、トランプの集会などへの動員数は低下し、世論調査でもトランプ政権・共和党への支持は記録的な低さに落ち込んでいる。追いつめられたトランプは、どんな手段を用いてでも「勝利」し、実際の勝敗がどうあれ中国侵略戦争―世界戦争に突き進む。それ以外に、米帝が米帝として存続していく道はないのだ。それは、ブルジョア民主主義の建前さえ激烈に破壊し、21年のトランプ支持者らによる連邦議会議事堂襲撃事件のような事態を含め、軍や警察、移民税関捜査局(ICE)を動員して選挙結果を暴力的に粉砕してでも「必ず勝つ」ということだ。これは本質的にも現実的にも、単なる「民主党への攻撃」などではなく、労働者階級人民に対する宣戦布告だ。
第2次トランプ政権は、25年の発足後ただちに南部の国境地帯への非常事態宣言を発出し、国土安全保障省内のICEに軍隊と同等の装備を与えて大増員した。ICEの予算は100億㌦から750億㌦へと急増し、都市の占領や移民への襲撃、巨大な移民収容所の建設・運営費に充てられている。ICEがトランプの私兵として全米各地に派遣され、「史上最大の強制送還」を掲げて、街頭から職場・学園・病院・住宅にまで踏み込み、地方の農園も包囲・制圧して移民への襲撃・逮捕を繰り返している。これ自体が全米を軍事力によって戒厳令下に置こうとする攻撃であり、支配階級の側からの内戦・内乱以外の何ものでもない。
こうした事態は何よりも、米帝がこれまでの朝鮮戦争・ベトナム戦争・イラク戦争などとは次元が違う、帝国主義の基本矛盾の世界戦争としての爆発そのものとして中国侵略戦争―世界戦争に突入したことによってもたらされている。帝国主義が支配の道具として不断にまき散らす排外主義との闘いに勝利するためには、差別と排外主義、戦争の元凶である帝国主義を打倒することが必要だ。
一方で、9月24日の訪米、トランプとの首脳会談を控える中国・習近平は人工知能(AI)や資源、軍事力、グローバルサウスなどへの国際的な影響力を総動員して米帝に全力で対抗し、中国侵略戦争を促進している。1917年ロシア革命によって帝国主義から社会主義への過渡期が切り開かれたにもかかわらず、スターリン主義の裏切りによって今日まで延命した帝国主義と、帝国主義打倒の世界革命を放棄した反革命であるスターリン主義を共に打倒する反帝国主義・反スターリン主義世界革命こそが求められている。
そして、米労働者階級人民はトランプ政権下で命がけの闘いを継続している。その先頭に立っているのは、03年の11月全国労働者総決起集会以来、動労千葉との国際連帯を深めてきた労働者たちだ。不屈に闘う米労働者階級と連帯する日本での闘いは決定的な位置にある。自らの戦争として中国侵略戦争に参戦した日帝を打倒し、中国侵略戦争を内乱に転化する闘いこそがアジア革命―世界革命を切り開く。トランプ政権と対決する米労働者階級の闘いと固く連帯し、11・1労働者集会―11・22全国反戦闘争を、日帝打倒の内乱を切り開く巨大な革命的大衆行動としてかちとろう。