洞口区議 中国侵略戦争阻止訴え 岸本区長の日帝翼賛を弾劾 杉並区議会 「帝国主義打倒こそ必要」

週刊『前進』04頁(3464号04面01)(2026/09/21)


洞口区議 中国侵略戦争阻止訴え
 岸本区長の日帝翼賛を弾劾
 杉並区議会 「帝国主義打倒こそ必要」


 杉並区議会第3回定例会(決算議会)本会議で9月14日、洞口朋子区議が一般質問(別掲)に立ち、「圧勝」で再選された岸本聡子区長の政治姿勢を厳しく追及した。米日帝国主義が一体となった中国侵略戦争が始まり、高市政権が戦争政策を満展開させる中で「自治体は区民の命と暮らしを守る最前線」(所信表明)と語る岸本区長のペテン性をあばき出した。
 洞口区議は議会の演壇から、帝国主義こそが戦争の元凶であり、その帝国主義を倒さないかぎり戦争をなくすことはできないと、労働者階級の歴史的責務を明確に示した。とりわけ日本の労働者階級人民にとって、かつて朝鮮・中国・アジア人民2千万人を殺戮(さつりく)した侵略戦争の歴史を見すえ、その「血債」をあがなうことが求められていることも、自らの課題として突き出した。
 今回の一般質問で特徴的だったことは、高市首相が進める戦争政策に対する区長の見解を求めたにもかかわらず、区長は一切回答せずに総務部長に答弁させたことだ。「外交・安全保障・防衛政策に関しては国の専管事項であり、地方公共団体の長が見解を述べることは適切でなく答弁は控える」と。これまでは同じ答弁ではあったが岸本区長自身が答弁に立っていたのに、今回は一切無視した。あたかも〝中立〟を装っているような姿勢だが、中国侵略戦争が具体的に始まっている時に、それについての見解を明らかにしない=沈黙することは、この侵略戦争を容認することではないのか? それどころか、日帝の戦争遂行に唯々諾々と従い、地方自治体として民衆に戦争協力・戦争動員を強いることに帰結するのだ。
 岸本区長を支えているのは日本共産党スターリン主義だ。洞口区議の追及は、自国帝国主義による侵略戦争に直面したときの日共スターリン主義や「市民的リベラル」の欺瞞(ぎまん)と本性を暴き出した。27年杉並区議選勝利に向けて、鮮やかな一撃を放つ闘いとなった。(都政を革新する会・北島邦彦)
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洞口区議の一般質問(一部省略) 
国家の戦争政策と闘わずして何が「命を守る」だ!

米帝こそが戦争の原因だ

 岸本区長は先日の所信表明で「世界では戦争はやまず、平和は遠のき、暮らしと将来への不安が増しています......自治体は、区民の命と暮らしを守る最前線であり続けなければなりません」と述べています。区長は8月6日の広島平和記念式典に参列され、「世界各地で戦争や紛争が続き、核兵器による威嚇さえ現実のものとなっている今、自治体が核兵器のない世界と恒久平和を求め続けることの重要性を改めて強く感じました」とも述べています。
 そうであるなら高市政権が進める戦争政策に真っ向から反対すべきです。区長は「国の専管事項については回答を控える」という答弁を繰り返していますが、「命と暮らしを守る最前線」の自治体の責任者として、今こそ国に立ち向かうべきではないでしょうか。
 はっきりさせたいことの一つは、戦争の最大原因はアメリカ帝国主義にあるということです。米帝が中国への侵略戦争―世界戦争に踏み込んでいます。この戦争は、アメリカと中国が全面的に激突し最前線の「第1列島線」に位置する日帝が帝国主義国家としての存亡をかけて参戦し、欧州帝が「分け前」を求めて乗り込み、ロシアや北朝鮮を巻き込んで第3次世界大戦として爆発することが不可避の戦争です。そして、この戦争は、ウクライナ戦争、ガザ―パレスチナのジェノサイド、「不法移民」追放の国内戦争、ベネズエラ軍事攻撃とキューバへの石油遮断など中南米を勢力圏化する「ドンロー主義」の発動、イラン侵略戦争として激しく進行しています。何よりも「第1列島線」での米日の軍事力強化、実戦的展開として進んでいます。
 関税戦争も、中国侵略戦争と一体です。トランプ政権はカナダから輸入する自動車の関税を来年1月1日から50%に引き上げると表明しました。五大湖の一つの「オンタリオ湖」を「アメリカ湖」に改称する大統領令に署名し、「あとは(アメリカ)海が必要だ。大西洋か太平洋の名前を変える」とも強弁し、「米国第一」を振りかざして他の帝国主義国に争闘戦を展開し、中国侵略戦争に動員しようとしています。
 2027会計年度の米国防予算は、前年度比で4割増の1兆5千億㌦を計上。戦術核の使用を柱に新たな核戦略の策定を進め、核兵器関連予算も10年前の3倍の274億㌦に上っています。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなど自動車大手が第2次大戦以来の武器生産へ動き、人工知能(AI)やドローンの開発・生産など「防衛テック」への巨額投資が進められています。9月24日の習近平訪米から11月アジア太平洋経済協力会議(APEC)での米中ロ首脳会談へ続く過程では、「米中の対話の進展」どころか、逆に戦争的激突が深まることは不可避です。

総力戦体制に突進の高市

 二つ目は、アメリカ帝国主義の中国侵略戦争に主体的積極的に参戦しようとしているのが、高市政権だということです。
 安保3文書改定を先取りするように、新たな防衛白書が出されました。その柱は軍用ドローンとAI導入による「新しい戦い方」を確立することと、国家を挙げた軍需産業の支援・育成・強化などによる「少なくとも年単位の継戦能力の確保」です。小泉防衛相は「世界一、無人アセット(装備)を駆使する組織(自衛隊と日本国家)」への変革をうたっています。日本を総力戦体制にたたき込もうとしているのです。
 すでに、日本の大資本は軍需生産にのめり込んでいます。横須賀にある日産の工場を米軍事企業が取得し、ドローン生産の拠点化が始まりました。川崎重工業はエアバス社と軍用ドローン開発で提携し、東芝も軍用ドローン開発に乗り出すことを公表しました。楽天はドイツの企業と組んで攻撃型ドローンの自衛隊への納入をめざすと発表しました。
 防衛省は、海上自衛隊呉基地近くの日鉄呉の製鉄所跡地を取得し、「複合防衛拠点」として無人機の製造・整備や兵器開発・生産の大拠点を築こうとしています。防衛省は来年度予算案で過去最大の8兆9千億円の概算要求を計上しましたが、安保3文書改定に基づく新たな事業は、軒並み金額を明示しない「事項要求」となっています。27年度当初予算案で防衛費は10兆円を超えると言われ、関連費も含めればさらに巨額となり、アメリカが要求する防衛費のGDP比3・5%化を進めれば約21兆円にもなります。
 26年版防衛白書とともに小学生高学年・中学生・高校生用の『まるわかり!日本の防衛』が出されました。両方の表紙とも軍事色を完全に消し、親しみやすさを強調したイラストを採用しています。政府の「有識者会議」では「国民の安全保障リテラシー(正しく理解し活用する能力)を高めること......中等・高等教育における安全保障教育の充実が必要」と言われています。戦争に子どもたちを始め全人民を本気で動員しようとしているからです。
 帝国主義体制は、その危機と矛盾の激化を必ず侵略戦争、帝国主義間戦争―世界戦争として爆発させます。市場、資源、労働力、植民地・勢力圏の独占、それらの分割・再分割を巡る対立と争闘戦を絶えず繰り広げ、激化させるのが帝国主義段階の資本主義です。この帝国主義という「おおもと」をそのままにし、「根っこ」を断たずして、どんな仕組みや秩序や「法の支配」なるものをつくっても、世界から戦争をなくすことは絶対にできません。「平和的で民主的な帝国主義・資本主義」を求めるのではなく、戦争を不可避とする帝国主義体制を、労働者人民の力で打倒することが今こそ必要です。

アジア侵略を繰り返すな

 三つ目に、日本がかつて「中国・アジアで一体何をやったのか」を今一度はっきりさせ、アジア侵略の歴史を絶対にくり返さない立場を貫くことです。
 第2回定例会で、広島への中学生派遣に関し「日本のアジア侵略の歴史が、広島への原爆投下に行き着いたことを教えるべきではないか」という私の一般質問に対し、区長は「過去に我が国が戦争への道を歩んだことによって、国家や国民を存亡の危機に陥れた事実を謙虚に受け止め、未来に向けて事実を引き継ぐことが必要」と答弁しました。これは、極めて抽象的であり一面的です。歴史認識の最大の問題は、国のため、天皇のためと言って「日本がアジアで何をやったのか」ではないでしょうか。
 高市は「日本の自存自衛のための戦争」「反省なんかしておりませんし、反省を求められるいわれもない」と居直り、中学・高校の歴史教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」の語を削らせた張本人です。「日の丸」を振って延々と侵略と虐殺を続け、多くの女性に戦時性奴隷を強制し、2千万人以上の命を奪った侵略戦争の事実をねじ曲げ、抹消し、「台湾有事は日本の存立危機事態」と発言して中国を挑発し、戦争を引き起こそうとしている高市政権と真正面から闘うことが、求められています。

安保3文書に従うのか!

 いま多くの人たちが高市政権の改憲・戦争に対して激しい危機感と怒りを持ちさまざまな行動に立ち上がっています。
 この情勢の中で、自治労本部は改憲阻止の旗をおろす歴史的転向をしました。8月26~27日に開催された自治労の定期大会では、事前配布されなかった議案が急きょ提出されました。そこには「自治労本部の考え方」として「自治労は改憲論議自体を否定しない」「自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正を深化」と明記され、これが議案書「一括採択」で承認されました。
 自国政府の戦争政策=中国侵略戦争を支持し、改憲に労働者階級―自治体労働者を動員する立場の表明に他なりません。こうして戦争は始まるのです。改憲情勢の中で国民投票が日程に上るとき、その実務を担うのは自治体労働者です。
 かつての戦争は、日本の労働者人民が、日本帝国主義の侵略戦争を阻止する闘いに勝利しえず、侵略の担い手として総動員されました。この痛苦の歴史を二度と繰り返さない立場から、以下、7点質問します。
 ➊高市首相が、8月15日の全国戦没者追悼式で「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」と述べたことは、「(日本が)繰り返さない」としてきた歴代首相の言辞をひっくり返し、「中国の脅威」をあおって戦争に突き進む重大な踏み込みであると考えますが、区長の見解を伺います。
 ➋戦前の皇国史観を支えた国家神道の中心的施設が靖国神社です。軍人勅諭に「死は鴻毛(こうもう)より軽し」とあるように、天皇を守るために兵士の命は鳥の羽よりも軽く、消耗品として扱ったにもかかわらず、死んだら「英霊」「神」として祭り上げ、中国・アジア人民を2千万人も虐殺した侵略戦争を「聖戦」「自衛戦争」と歪曲・美化し、新たな侵略戦争につなげるのが、靖国神社の目的、役割です。
 高市首相が、戦没者追悼式典会場の日本武道館から靖国神社の方角に「遥拝(ようはい)」し、防衛相ら4人の閣僚を筆頭に89人もの国会議員が靖国神社を参拝したことについて、アジア侵略の歴史を美化し居直る行為だと思いますが、見解を伺います。
 ❸高市政権のもとで安保3文書改定から来春の改憲発議が狙われていることについて、見解を伺います。
 ❹皇室典範改定と、国旗損壊罪が制定されたことについて、見解を伺います。
 ➎今年度に自衛隊による個人情報の閲覧の対象となった若者の合計人数と年齢・男女別の内訳、また5年間で閲覧の対象となった合計人数、入隊・入校した合計人数を伺います。
 ❻防衛省発行の『まるわかり!日本の防衛 はじめての防衛白書』の区立学校での導入状況(配布・利用の実態)を伺います。
 ❼AI暴走事故報告書についての見解。杉並区の行政事業におけるAIの導入状況はどうなっているか。防衛白書では軍事行動の指揮にもあたるとされているが、見解を伺います。

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