安保3文書改定へ防衛力整備計画の素案判明 5年で70兆円超の大軍拡
週刊『前進』04頁(3465号02面02)(2026/09/28)
安保3文書改定へ防衛力整備計画の素案判明
5年で70兆円超の大軍拡
年末に改定される安保3文書の一つ、防衛力整備計画の素案が明らかになった(9月16日、共同通信)。2027~31年度の5年間で約5万2千機の無人機を導入し、中国本土や遠く離れた海上の中国軍を攻撃できる長射程ミサイルの運用能力を強化することに、現行の防衛力整備計画の倍近く、9兆円超が必要だと試算。さらにミサイルや無人機攻撃に対応する防空力の整備に8兆円、弾薬やミサイル、燃料の確保など長期戦を見据えた「持続的な対応能力」の構築に10兆円を計上する見通しだ。改定安保3文書のもと、5年間の防衛費総額は70~80兆円規模に膨らみ23~27年度の防衛費総額の約43兆円の倍近い額になるという。中国侵略戦争―世界戦争を遂行するための大軍拡であり、絶対に許してはならない。
大量の無人機とミサイルを整備
素案では、人工知能(AI)と無人機利用の強化には現行計画の6倍となる約7兆円が必要だと推計し、長距離飛行が可能な対地攻撃用無人機を約1万機、艦艇攻撃用を約1300機、情報収集・警戒監視用を約7500機導入することを挙げる。「長距離飛行が可能な対地攻撃用無人機」とは、イラン侵略戦争でイランの反撃手段として注目された「シャヘド」のような長距離自爆無人機にほかならない。防衛省は大量の無人機を南西諸島に展開する「多層的沿岸防衛体制(SHIELD)」を構築するとして26年度だけで約1千億円を計上するなど無人機の導入を進めてきたが、この構想自体は小型無人機がメインで、中国軍を疲弊させることが主眼だった。今回の素案で示されているのは、中国本土を攻撃する能力としても無人機を使うというエスカレーションである。開発が進む25式高速滑空弾の改良型(射程2千~3千㌔メートルと言われる対地ミサイル)や極超音速ミサイルなどミサイル戦力の質・量の拡大と無人機攻撃を組み合わせ、米軍とともに中国に対して激烈な攻撃を加えるつもりなのだ。日本帝国主義はそのようなすさまじい戦争を遂行するつもりだからこそ、中国の反撃に「耐える」防空力と、「持続的な対応能力」の強化を同時に目指しているのだ。だが結局のところ、「持続的な対応能力」の核心は全人民の戦争動員である。損耗を前提に大量投入される無人機の継続的な大量生産やそのための分散した秘密工場の運営は、労働者階級人民の階級意識を解体することなしにはありえない。だが、矛盾に火をつけ、侵略を内乱に転化する勢力が登場した時、その体制は根本から揺らぐ。
あらゆる資金を戦争遂行に投下
26年度予算では、防衛省分の約9兆円に、海上保安庁や軍事関係の公共インフラ整備を足した防衛関連費は計10兆6千億円規模となり、国内総生産(GDP)比1・9%に上った。ウクライナ戦争を象徴とする「前線と後方の区別がない」現代戦争、すなわち総力戦体制をもって激化する中国侵略戦争―世界戦争において、防衛省の費用と民間・公共部門の軍事転用に伴う費用がますます融合・増額されることは必至であり、改定安保3文書のもと、現実の軍事費はさらに膨れ上がることになる。実際、9月17日に開かれた安保3文書改定に向けた政府の有識者会議「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の第4回会合では、「有事と平時、軍事と非軍事の境目が一層あいまいになっている」「公共インフラや社会全体の持続的な対応能力」などの議論とともに、「コアとなる防衛力強化の予算の確保が後退してはいけない」と強調されている。アメリカ帝国主義は中国侵略戦争―世界戦争を完遂するため、日本や欧州など他帝国主義に直接の軍事費としてGDP比3・5%を、関連費も含めて5%を支出することを求めている。とりわけ中国侵略戦争で最前線エリアとなる「第1列島線」(日本列島―沖縄・南西諸島―台湾―フィリピン)上の「要」となる日帝に求められる軍事費は天井知らずだ。実際、ウクライナの戦費はGDP比30%強に上っているのだ。
国内トップ銀行の三菱UFJ銀行が安保3文書改定に合わせて、軍需産業への融資を「慎重姿勢」から転換することが16日にわかった。帝国主義の屋台骨である金融資本自身が軍需産業の発展=戦争に命運をかけようとしている。日帝は税金だけでなく、社会のあらゆる資金を中国侵略戦争の完遂に投じる気なのだ。
帝国主義の打倒のみが戦争を止める道だ。11・1労働者総決起集会―22反戦闘争へ、今こそ労働者階級人民の総決起をかちとろう!