キーン・ソード大演習許すな 中国侵略戦争の「総げいこ」 南西諸島で過去最大規模に
週刊『前進』04頁(3467号03面01)(2026/10/12)
キーン・ソード大演習許すな
中国侵略戦争の「総げいこ」
南西諸島で過去最大規模に

沖縄でまたもや米兵による女性への強盗殺人の発生が判明した中で、日米帝国主義は変わらず日米共同統合実動演習「キーン・ソード27」を10月19~29日に強行しようとしている。絶対に許してはならない! 帝国主義戦争こそが繰り返される米軍犯罪の根源ではないか! 今回の演習では南西諸島(琉球弧)で島まるごとの戦場化を前提とした激しい統合戦闘訓練が予定され、そのための物資輸送や戦闘による大量の死傷者が出ることを想定した後送・医療訓練にドイツなど多くの国が参加する。米帝の中国侵略戦争―世界戦争の最前線を日帝が担い、それを帝国主義各国が支援する、まさしく中国侵略戦争―世界戦争のあり様を示す一大演習だ。前号に続き、その中身を暴露する。
日米軸に計9カ国が参加
キーン・ソード27は自衛隊だけで4万5千人、米軍は在日米軍をはじめとして米太平洋軍が全面的に参加。オーストラリアからは統合作戦本部=軍中枢の人員が参加し、これまで同演習に参加してきたカナダに加え、ニュージーランド、フランス、ドイツ、オランダ、フィリピンが初参加して日米を軸に計9カ国が参加する大演習となる。米太平洋艦隊司令官と共に、同演習では初めて自衛隊の統合作戦司令官が指揮をとり、この「米帝陣営」を率いる「大作戦」の先頭に立とうとしている。キーン・ソードは、日米共同指揮所演習「キーン・エッジ」でシミュレートしたシナリオにのっとって行われる実動演習で、1年ごとに指揮所演習と実動演習を行う二つで一つの演習である。キーン・エッジ24は初めて中国を「敵」と明示して行われ、自衛隊の戦闘機が中国軍艦艇にミサイル攻撃をすることをリアルに想定していたことが判明している。キーン・エッジ26は、ベネズエラ侵略やイラン侵略戦争で使われてきた米軍の人工知能(AI)による指揮統制の迅速化を日米共同演習に初めて組み込んで実施したことがわかっている。つまり、キーン・エッジ―キーン・ソードはその実施時点における「最高の中国侵略戦争遂行シナリオ」を演習するものであり、その意味で他の演習・訓練とは一線を画した中国侵略戦争―世界戦争の「総げいこ」なのである。
全国で反基地闘争に立とう
演習は、①沖縄の先島地域で米海兵隊の中国侵略作戦「遠征前進基地作戦(EABO)」を日米共同で遂行するための連携訓練、②奄美群島(鹿児島県)での上陸作戦訓練、③霧島演習場(鹿児島県)・大矢野原演習場(熊本県)・日出生台演習場(大分県)など九州での大規模な戦闘訓練、④四国沖での日米共同の陸海空戦力を統合した対艦戦闘訓練、⑤朝霞駐屯地(埼玉県・東京都)を共同指揮所として北海道の苫小牧港・室蘭港から、大分港(大分県)を経由して南西諸島に物資・兵力を集中するための統合輸送訓練、⑥入間基地(埼玉県)を中心に各国軍隊の支援を受けて那覇基地(沖縄県)および米軍嘉手納基地(同)から後送された死傷者の戦時医療訓練、⑦北海道西側の空域に戦闘機などを展開する防空訓練が主な内容だ。そして、これらに伴うさまざまな訓練が強行される。大野原演習場(長崎県)には中国本土にまで届く1千㌔メートルの射程を持つ「25式地対艦ミサイル」が初めて展開する。物資や兵員の輸送に多数の民間空港・港湾——特に鹿児島県の志布志港・鹿児島港・西之表港・名瀬港、沖縄県の中城湾港・平良港・石垣港・久部良漁港・宮古空港・石垣空港・与那国空港——が使われ、「(中国軍の反撃によって)基地が使えない場合を想定」した軍用機の大分空港(大分県)、徳之島空港(鹿児島県)、奄美空港(同)への一時展開まで組み込まれている。
岩国基地(山口県)では、米軍オスプレイの整備・補給に加え、四国沖の対艦戦闘訓練における電磁波作戦訓練に海上自衛隊の航空機が参加する。呉基地(広島県)では、上陸艇を利用して岩国基地への輸送訓練を行う。四国沖での戦闘訓練を支えるものだ。
また、奄美大島沖では海自護衛艦2隻に仏海軍のフリゲート艦も参加し、米軍に対抗して中国軍の太平洋側への進出を警戒する訓練も行われる。このような訓練に欧州帝国主義の柱の一つである仏軍が参加することは、中国侵略戦争が文字通りの世界戦争であることを示している。
島まるごと戦場化が前提に
キーン・ソード27において特に激しい訓練が強行されようとしているのが南西諸島で、同地域で過去最大規模の訓練だ。EABOは、南西諸島の約40の有人島に米海兵隊と自衛隊が展開して臨時の攻撃拠点を設置し、中国軍の反撃で拠点が破壊されればまた別の場所に拠点を構築して攻撃を繰り返すことで「中国軍の反撃圏内で戦闘を継続して中国軍を疲弊させる」ことを目指すものであり、グアムやハワイに集結させた空母などの米軍主力を東中国海に投入して中国軍を制圧するための「露払い」の作戦である。それは有人島を選んでいるように各島のインフラや生活空間を拠点構築と戦闘継続のために使い潰すこと、そして住民を巻き込むことを前提としている。住民は避難できても破壊され尽くした島には帰れず、難民化を余儀なくされる。南西諸島での演習の激しさは、EABOの激しさに規定されている。今回の演習では、石垣島と与那国島にEABO遂行のために無人化されたミサイル兵器「ネメシス」と、そのネメシスを無人機や短距離ミサイル攻撃などから守るための対空兵器「マディス」が展開される(与那国島では初)。また宮古・石垣両島には日米のオスプレイが飛来する。宮古島に米軍のオスプレイが飛来するのは初めてだ。
さらに、宮古・石垣・与那国の3島に無線通信と衛星通信装置を設置して、軍事通信網を構築する訓練が行われる。通信施設などの設置ができない広大な海が戦場となる中国侵略戦争において、通信網の構築は重大事だ。指揮統制はもちろん、無人機も通信による位置把握や遠隔操作なしには機能しない。極めて激しい戦闘を想定しているからこそこの訓練が設定されているのである。また、宮古島分屯基地と沖縄本島の牧港補給地区、防府北基地(山口県)に設置した通信施設を連携させて人工衛星への電波妨害に対処する訓練を実施する。遠く離れた場所を撮影する画像衛星は長射程ミサイル攻撃の、通信衛星は指揮統制の基盤だ。これまでと一線を画する「戦闘準備」が先島地域で強行されようとしているのだ。
そして、直接に最も激しい戦闘訓練が行われる場所が奄美群島である。奄美大島と徳之島では、自衛隊が公園や体育館なども含めた「基地警備訓練」を行う。戦争に使えない場所などもはやない状況は、かつての沖縄戦で日本軍第32軍が唱えた「一木一草(いちぼくいっそう)に至るまでの戦力化」に近い。とりわけ種子島は、今回の演習で最大の「激戦地」だ。「日本版海兵隊」=水陸機動団400人が昼夜にわたって上陸作戦訓練を行い、陸上自衛隊のオスプレイが9機も動員されて前之浜海岸で離着陸する。種子島の東西に海自の護衛艦や機雷掃海部隊・ヘリコプター部隊が展開し、これらと連携しながら長浜南側海岸、中山海岸から上陸作戦をしかける想定だ。中山港などの民間港も使われ、島まるごとが上陸=侵略作戦の舞台とされる。また、四国沖の対艦戦闘訓練のために電波情報の収集とともに妨害電波の発出や対抗をする電磁波作戦訓練が強行され、種子島の各地に全部で10両もの電子戦兵器(NEWS)が分散する。種子島をはじめ奄美群島を、EABO遂行の大拠点とするシナリオに基づいていることは確実だ。
中国侵略戦争―世界戦争はキーン・ソードの強行でさらに激しさを増す。反戦反基地闘争の爆発へ立ち上がろう。