三里塚 土地明け渡し請求権時効裁判 市東さんが怒りの陳述
週刊『前進』04頁(3467号03面02)(2026/10/12)
三里塚 土地明け渡し請求権時効裁判
市東さんが怒りの陳述

(写真 報告集会で発言する市東さん)
千葉地裁民事第5部(鈴木秀孝裁判長)で10月1日、土地明け渡し請求権時効裁判の第1回口頭弁論が開かれた。
成田空港会社(NAA)は5月、天神峰の市東孝雄さんに対し、南台農地の一部についてNAAに明け渡し請求権があることの確認を求めて提訴した。2016年の「農地法裁判」明け渡し判決確定から10年、時効成立の直前になってNAAはあせりに駆られ、またも市東さんを被告席に座らせたのだ。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の仲間は怒りをかきたて、傍聴席を埋めて共に闘った。
市東さん本人が陳述に立ち、「NAAが時効の完成を妨害するために裁判を起こしたが、明け渡し請求権自体が間違っている」と強い怒りをあらわにした。市東家が100年にわたり耕してきた農地を、NAAは市東家に無断で旧地主から買収し、06年に天神峰農地と南台農地のB土地の明け渡し請求を提訴。市東さんに明け渡しを命じる不当判決が16年に確定した。その後の約10年間、B土地について市東さんに明け渡しの催告も協議の申し入れもしてこなかったNAAは、時効成立のわずか6カ月前になってこの裁判を提起したのだ。市東さんはこのことを「著しく不当であり不公平です」と弾劾した。
その上で市東さんは、空港拡張計画が進む中でNAAにとって南台農地を取得する必要性がまったくなくなっていることを指摘し、「私の営農権を犠牲にしても保持すべき高い価値や合理性は認められません」と訴えた。さらに23年2月の天神峰農地に対する強制執行は「営農妨害のためだけに行った」ものであり、南台農地の「時効延長」も同様だと怒りを込めた。最後に「本裁判は私をさらに10年間、いつ執行されるか分からない過酷かつ不安定な地位に拘束し続けるもの。裁判所は審理を尽くせ」と締めくくった。怒りに満ちた堂々たる陳述に、傍聴席から大きな拍手が湧いた。
続いて反対同盟顧問弁護団が、原告の訴えの却下を求めた。そして、空港公団(NAAの前身)の「用地取得のためにあらゆる意味で強制的手段を用いない」との社会的確約をあらためて突きつけ、今回の提訴が信義則違反であることを指摘。明け渡し請求権を認めた確定判決について「『高い価値や合理性』は認められない」と述べた。次回期日は来年2月4日。
反対同盟事務局の伊藤信晴さんの司会で、報告集会と記者会見が開かれた。最初に市東さんが「これからも体の続く限り、南台農地でみなさんにおいしい安全な野菜をつくり続けるのでよろしくお願いします」と決意を語った。動労千葉の川崎昌浩執行委員が連帯発言で、11・1全国労働者総決起集会への結集を訴えた。マスコミ記者の関心は高く、市東さんと弁護団に熱心な質問が続いた。