「第3滑走路」粉砕せよ 国交省が新建設案を提示へ

週刊『三里塚』02頁(0896号01面02)(2014/05/26)


「第3滑走路」粉砕せよ
 国交省が新建設案を提示へ

(写真 「成田の3本目の滑走路を検討する」との国交省方針を報道する新聞【5月17日付日本経済新聞】)

 5月17日の日経新聞は、「羽田・成田 発着枠5割増」との見出しで、首都圏の空港容量拡大を目指す国土交通省の検討案を報じた。これは、3月31日までに国交省の「首都圏空港機能強化技術検討委員会」の報告書が出なかったため、国交省事務官僚が乗り出して、「羽田に5本目、成田に3本目滑走路」への道筋を作ったということだ(本紙894号参照)。
 成田空港の3本目の滑走路といっても高いハードルがある。造るとすれば図で日経新聞が示唆しているように、現在の暫定滑走路の東側に750㍍程度離して、南北に延びる滑走路とせざるをえない。しかしそこには200軒から300軒もの農家、民家が存在しており、48年前の空港計画の再来に等しい強引な構想だ。「もう一つの空港反対同盟」ができてもおかしくない危機的政策だ。

羽田の5本目も 

 一方、羽田空港の5本目も高いハードルがある。羽田空港の海域は〝海の銀座〟と呼ばれるほど、船の往来が激しい。さらに飛行ルートは陸側に設定するしかないが、人口密集の大田区や神奈川県川崎市上空を飛ばざるをえず、騒音問題が発生する。にもかかわらず国交省の委員会は、安倍政権の「成長戦略」の中の「空港・航空インフラ整備」の方針に基づき、この危険な計画に踏み出したということだ。
 戦略的な国策空港政策の破綻は、日帝にとって延命の危機に直結する。空港政策の樹立なしに、日帝がアジア勢力圏化の争闘戦に参戦することはできない。安倍政権は昨年6月に「日本産業再興プラン」など、三つの政策を作り、「三位一体の航空・空港政策」を定めた。そしてその前提が首都圏空港(羽田・成田)の発着枠増加なのだ。
 さらに、インフラ輸出政策の一環として空港システムそのものの輸出を目指していることが明らかになってきた。昨年7月「航空管制システム等海外展開推進会」なる業界団体が作られ、ミャンマー、バングラデシュなどに接近している。さらに安倍政権は今秋、海外交通・都市開発事業支援機構を創設し、空港インフラ輸出を後押ししようとしている。こうしたインフラ輸出とも一体の空港容量拡大攻撃なのだ。
 この動きを利用して、成田市の経済利権団体が4月30日、「成田第3滑走路実現する会」なるものを設立し、「30万人署名運動」を開始した。5月14日には成田空港内で署名取りを始めた。
 反対同盟はこの「第3滑走路」策動を正面から迎え撃ち、空港東側をはじめとする周辺住民との連帯を断固として求めて闘いぬく方針を、4月30日の記者会見で明らかにした。
 農民圧殺の上に展開されて来た空港建設に対して、三里塚闘争が48年もの間、絶対反対・実力闘争で闘ってきたことが、日帝・安倍政権、国交省の空港政策に対していかに打撃を与えているのかを彼らの側から自白する危機的政策だ。
 まさに三里塚闘争はアジア勢力圏化のためのインフラ建設・空港インフラ輸出と断固対決する闘いだ。
 「第3滑走路」策動を粉みじんに粉砕しよう。その最先端攻防こそが、市東さんの農地取り上げを実力で粉砕する闘いだ。全力で6・25弁論へ向かおう。3万人署名を何が何でも達成しよう。
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