全学連三里塚現地行動隊日誌 東京高裁・小林判決 安倍と同じ論理 新たな闘い始まった 全学連三里塚現地行動隊長

週刊『三里塚』02頁(0922号02面03)(2015/06/22)


全学連三里塚現地行動隊日誌
 東京高裁・小林判決 安倍と同じ論理
 新たな闘い始まった
 全学連三里塚現地行動隊長

(写真 三里塚現地行動隊が先頭になって国会前でシュプレヒコールをくり返した【6月15日】)

 昨年困らせたアブラムシなどもつかず、色つやが素晴らしいなすやピーマン、ししとう、ズッキーニなどが大きく育ち、ケースをにぎわせています。新たなきゅうりの苗の定植も終え、トマトも実をつけはじめました。おいしく育った野菜の収穫は大変ですが、とりわけ楽しい作業の一つです。しかし、なすなどは出荷当日に収穫するので、ほぼ午前中がつぶれてしまいます。雨なども重なると出荷日は本当に大忙しなのです。
 この出荷日をあえて狙って東京高裁・小林昭彦裁判長は、一方的に判決期日の指定を行い、農地強奪判決を強行しました。市東さんの農地問題が社会的な関心事となり、福島・沖縄をはじめ闘う多くの人々と結びつき、3万人署名もうなぎのぼりに集まり、2万8千筆を超える中での、追いつめられた暴挙です。闘いの前進に対する恐怖、市東さんはじめ反対同盟が裁判に来なくても構わない、いやむしろ来て欲しくないという本音が表れています。
 判決は一審判決の字句の誤りなどを上塗りするということに終始し、市東さん側の訴えを無視するというまったく許すことのできないものです。「空港のため」だという目的さえあれば、小作人の同意もいらない、具体的転用計画がなく15年転用しなくても構わない、敷地外であっても構わないという本当にデタラメな判決です。「国民の生命と平和な暮らし」のためという目的さえあれば憲法や手続きなどどうでもよいという安倍政権の論理と全く同じです。
 しかし、「生命と平和な暮らし」を脅かしているのは日本共産党などが言うアメリカではなく、安倍政権そのものです。最高裁・寺田体制は、市東さん裁判で、農民の耕す権利、生きる権利を否定しました。国会では、労働者を機械や原料などと同じモノとして扱う労働者派遣法の改悪、「ホルムズ海峡は日本の生命線だ」と資源・勢力圏強奪の侵略戦争のための戦争法案の審議が平然と行われています。安倍は、安保は抑止力だと言ってはばかりません。
 しかし、イランや北朝鮮の核抑止力・核武装については口を極めて非難します。安倍が、日米安保による東アジア支配を考えているのは明らかです。
 この安保国会に対する根底的怒りを、6月15日、首都圏をはじめ多くの初参加の学生と共に爆発させました。この安保国会粉砕の闘いと一体で、耕作権裁判も勝利的に闘い取られています。早朝からのデモ行進、法廷での市東さんの意見陳述、綿密に準備された弁護団の更新意見で法廷を完全に圧倒しました。
 「新たな闘いの始まりだ。青年・学生の未来のために三里塚は闘い続け必ず勝つ」(北原鉱治事務局長)「最高裁をひっくり返す闘いを共にやろう」(市東さん)「地元住民の怒りと結びつこう」(萩原富夫さん)の呼び掛けにこたえ共に闘いましょう!
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