3・2請求異議裁判・千葉地裁デモに立ち 3・26全国集会(成田市赤坂公園)へ 2・14審尋 強制執行停止かちとる 〝市東さんの農地を奪うな〟

週刊『三里塚』02頁(0962号01面01)(2017/02/27)


3・2請求異議裁判・千葉地裁デモに立ち
 3・26全国集会(成田市赤坂公園)へ
 2・14審尋 強制執行停止かちとる
 〝市東さんの農地を奪うな〟

(写真 「強制執行を停止しろ」と訴え千葉市内を席巻するデモ行進【2月14日】)

 3・26全国集会まで1カ月、反対同盟が招請状を発した(別掲)。2月12日、安倍とトランプが共同声明を発し、核兵器の使用と尖閣諸島への日米安保5条適用を明言した。世界で最も凶悪な日米同盟による、東アジア・朝鮮半島での核戦争策動と真っ向から対決するのが「反戦の砦」=三里塚闘争だ。国際連帯・労農連帯の底力を発揮し、戦争に突き進む安倍政権を打倒しよう。市東孝雄さんへの農地の強制収用を実力で阻止しよう。3・2請求異議裁判・デモ(千葉市中央公園)から3・26全国集会(成田市赤坂公園)へ、労組旗・自治会旗を林立させ大結集しよう。
 2月14日、市東孝雄さんの農地強制執行をうち返す大きな反撃がかちとられた。千葉地裁民事第5部で開かれた「強制執行停止申立」の審尋で、当面の強制執行停止をかちとったのだ。
 午前9時、千葉市・葭川(よしかわ)公園に労働者・農民・学生・市民70人が結集し、反対同盟の主催で集会が開かれた。
 司会の太郎良陽一さんが、第3誘導路裁判弁論に続いて、審尋―市東さんと空港会社(NAA)の双方から意見を聞く場―が開かれることを説明し、「強制執行を絶対にさせないという大事な闘いだ」と訴えた。
 反対同盟事務局を代表して、萩原富夫さんがアピール。「成田空港を造るために農民から強制的に農地を取り上げる国のやり方は許せない。農業をつぶし、労働者の権利をはく奪する安倍政権と闘おう。戦争政策に反対して闘おう」と千葉市民に呼びかけた。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が、「市東さんの農地強奪に反対する新しい闘いが始まる」と述べ、全学連の斎藤郁真委員長、全国農民会議岡山支部の内藤大一さんなどが連帯発言に立った。 一同は意気高くシュプレヒコールを上げて千葉市内デモに出発。「千葉地裁は農地強奪の強制執行をやめろ」のコールを響かせて、千葉地裁に迫った。
 第3誘導路裁判(記事別掲)が終わると、いよいよ審尋だ。一同は千葉地裁正門前でシュプレヒコールをあげ、市東さんと弁護団を送り出した。
 11時50分から始まった審尋の場に現れたのは、昨年まで東京高裁判事だった高瀬順久裁判長。審尋と請求異議裁判を認めた鹿子木康裁判長に代わって、今年から千葉地裁民事第5部に就いたのだ。安倍政権による露骨なまでの国策人事だ。
 葉山岳夫弁護士を先頭に顧問弁護団は、強制執行を認めないよう主張した。さらに、市東さんと萩原さんが、農地取り上げに絶対反対の意見を述べた。
 NAAの代理人弁護士は、「部分執行もありうる」などとうそぶいていながら、執行されないことで損害が生じるか問われても、まともに答えることもできない。それなら保証金など不要だ。しかし、高瀬裁判長は「裁判所としてはわかった」とNAAに手を差しのべた。
 審尋の終了後、千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。まさにその最中に裁判所から連絡が入った。
 高瀬裁判長が、「保証金200万円を1週間以内に千葉地裁に納付することを条件に、執行を停止する」と連絡してきたのだ。NAAの強制執行申し立てを許可しないよう求める請求異議裁判の判決が出るまで、執行停止が効力を持つことになる。電話で応対した葉山弁護士がその報を伝えると、拍手が起き、会場は高揚感に包まれた。
 市東さんが審尋から請求異議裁判へ向かう意気込みを語り、これに応えて弁護団一人ひとりが全力で闘い勝利する決意を述べた。司会の伊藤信晴さんが直ちに200万円を集めきるカンパを呼びかけた。そして、3月2日の請求異議裁判当日は、千葉市中央公園に結集して再び千葉地裁に迫る市内デモに打って出ることを提起した。
 敵の攻撃を打ち破って進む三里塚50年の底力だ。反対同盟、顧問弁護団、支援者の一丸となった闘いによって切り開いた勝利だ。
 3・2裁判がきわめて重要な闘いになった。大結集でさらに反撃の歩を進めよう。

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