署名6395筆提出 請求異議裁判NAAの違法を追及

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(0969号01面03)(2017/06/12)


署名6395筆提出
 請求異議裁判NAAの違法を追及

(写真 開廷前に千葉市中央公園で集会【5月25日】)

(写真 署名提出に向かう反対同盟 )


 5月25日、反対同盟と労農学は第2回の請求異議裁判闘争を闘い、NAAと千葉地方裁判所を圧倒する勝利をかちとった。この日の闘いには動労千葉、動労水戸(市東さんの農地を守る会・茨城)、動労福島(市東さんの農地を守る会・福島)を先頭に沖縄も含め、全国から100人が集まった。
 午前9時、千葉市中央公園で集会を行い、9時30分、千葉地裁に向けたデモ行進を行い、市民の注目を浴びた。午前10時、「強制執行反対」の第1次署名6395筆4分冊を市東孝雄さん、萩原富夫さん、太郎良陽一さんがそれぞれ抱え、地裁4階民事第5部の部屋へ出向き、書記官に受け取らせた。
 午前10時30分に開廷し、反対同盟顧問弁護団は「準備書面1」と「準備書面2」を陳述、NAA側の2月24日付「答弁書」に反論し、完膚なきまでに粉砕した。
 市東さん側は前回、「請求異議の事由(訴えの根拠)」について、①NAAが社会的に強制的手段の放棄を公約してきたこと、②裁判官忌避中の東京高裁・小林昭彦裁判長が違法に控訴審判決を強行したこと、③耕作権解約の条件である「離作補償」が今にいたるも払われていないことを指摘した。
 今回は特に①について、NAAが「1994年の公約であり、2015年3月2日の高裁口頭弁論終結後の事柄ではないので、請求裁判の理由にはならない」としてきたことに対して、強制執行が具体的に効力を発揮するのは最高裁決定後のことなので、「口頭弁論終了後の事由」として十分な理由になると突きつけた。
 そして、NAAは「強制的手段の放棄についてまったく答弁しないという形で、事実上『強制執行権の放棄』を追認してきた。それにもかかわらず、ここに来て初めて強制執行をあからさまに言い出した。これも『口頭弁論終了後の事由』として請求異議裁判の理由になる」と追撃した。
 NAAは一貫して、「最後は裁判官が救ってくれる。裁判官に任せておけば大丈夫」と高をくくり、市東さん側の求釈明にまともに答えないデタラメな対応をもっぱらにしてきた。その不誠実な対応を利用し、逆手にとった見事な反撃だった。NAAはまったく反論できず打ちひしがれた。
 また、本裁判で市東さん側が追及した「南台48番のうち、空港敷地からはみ出た部分」について、当時NAAは「ULD(コンテナ置き場)、GSE(そのための特殊車両置き場)に利用する」などとごまかしてきたが、今ではULDとGSEは取香地区にすで完成しており、天神峰地区には必要ない。NAAのウソが現実によって暴かれた。この点を指摘して弁護団は「NAAはウソで判決をだましとった。実に卑劣・不当な行為だ。これは信義則違反にあたり、判決執行は許されない」と畳みかけた。傍聴席を埋めた傍聴団からも歓声が上がった。
 弁論は次回を8月10日と確認した。
 弁論終了後に弁護士会館で報告会を行った。市東さんがあいさつに立ち、「NAAを追い詰めている。さらに追撃しよう」と語った。
 葉山弁護士をはじめ弁護団は「めったに経験しない請求異議裁判を闘う道筋が見え、広がりが出てきた」と成果を語り、手応えを実感している発言を行うとともに6395筆という署名の持つ力を強調した。
 8月10日の第3回弁論に向けさらに署名を積み上げよう。市東さんの農地を守りぬこう。

このエントリーをはてなブックマークに追加