3・4芝山デモ―3・8請求異議裁判 3月決戦に総決起を 耕作権裁判 農地強奪許さない NAAの文書隠しを追及

週刊『三里塚』02頁(0986号01面01)(2018/02/26)


3・4芝山デモ―3・8請求異議裁判
 3月決戦に総決起を
 耕作権裁判
 農地強奪許さない
 NAAの文書隠しを追及

(写真 内田博久裁判長の訴訟指揮を弾劾し、反対同盟を先頭に千葉市内を元気よくデモ行進【2月19日 千葉市】)

(写真 裁判後の報告集会で闘う決意を語る市東孝雄さん【左】と葉山岳夫弁護士 )


 三里塚芝山連合空港反対同盟は2月19日、耕作権裁判・千葉地裁包囲デモを闘い、成田空港会社(NAA)の文書隠しを徹底的に追及した。平昌(ピョンチャン)五輪終了後、朝鮮侵略戦争情勢は一気に緊迫の度を深める。52年の歴史を刻む三里塚闘争は、軍事空港建設のための農地強奪を実力で阻み、改憲を阻止し、労農連帯・国際連帯を築いてきた。その真価をかけ三里塚3月決戦に総決起しよう。空港機能強化案粉砕へ、3・4芝山現地闘争に立ち上がろう! 3・8請求異議裁判・デモに集まり、市東孝雄さん農地取り上げ強制執行を阻止しよう!
 2月19日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。開廷に先立つ午前9時、反対同盟と支援の労働者・農民・学生・市民110人は千葉市中央公園に結集し、太郎良陽一さんの司会で集会を行った。
 最初に伊藤信晴さんが発言に立った。「NAAは市東さんを〝不法耕作者〟として提訴したが、自分たちに不利となる文書を墨塗りにし、あるいは隠し続けている。盗人猛々しいとはこのことだ! 安倍は改憲とともに、羽田・成田空港の容量を世界最高水準の100万回にまで拡大すると言明した。住民の騒音への怒りは一層高まっている。われわれの〝農地死守・実力闘争〟の原則は圧倒的に正しかった。空港機能強化案を空港もろとも粉砕しよう」
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言を行った。「内房線・外房線切り捨てに反対する沿線住民の声が高まり、北総では空港機能強化案反対の決起が続いている。房総半島から新自由主義と対決する大反乱が始まろうとしている。安倍の改憲と戦争を阻止するため、すべての闘いを再組織しよう」
 さらに関西実行委と「市東さんの農地取り上げに反対する会」の連帯発言を受け、意気高くシュプレヒコールを上げデモに出発した。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが街中にアピールを響かせ、デモは千葉地裁に迫った。

手荷物検査を徹底弾劾

 千葉地裁では全来庁者に対する手荷物検査が始められていた。総出の職員が所狭しと配置され、傍聴希望者は金属探知機をくぐらされる。その際、なんとカバンを開いて見せることまで強制されるのだ。怒りと抗議の声が上がり、ロビーは大混乱状態になった。
 10時30分に開廷すると直ちに、弁護団はこの手荷物検査強制に対し徹底的な弾劾を裁判長にたたきつけた。傍聴席からも怒りの声が次々と飛んだ。内田裁判長は、「私が指示したわけではない。庁舎管理者が実施している」と他人事のように弁明。「こんな人権侵害は許されない」と40分にわたり徹底抗議すると、裁判長は裁判官合議の末にやっと、「要望は管理者に伝える」と約束し、審理に入った。
 弁護団はすでに、大部分が墨塗りされた形で開示された証拠を含め、空港公団(NAAの前身)と旧地主、さらに小作者であった石橋、根本、鈴木各人との用地買収の交渉記録をすべて明らかにするよう文書提出命令申立を行っている。今回弁護団はそれを補充する形で、「交渉記録」という表題だけでなく、関連する調査書・報告書などのあらゆる文書を出すことを厳しく求めた。原告NAAは、昨年12月に出した準備書面で、「文書は探したがなかった」と居直っている。弁護団は今回も、「どこをどう探したというのか。具体的に明らかにせよ!」と一層鋭く迫った。NAA代理人の和田衛(元東京地検検事)はあからさまに「やる気ゼロ」の態度を示しながら、「見つからなかった」と空疎な言動を繰り返し、ついには「文書作成者はすでに死亡しているのでわからない」と言い放った。これには市東さん自身が怒り、「死んでも記録は残っているだろう!」と和田を弾劾した。
 弁護団・傍聴者一体で、つねにNAAの肩を持ち代弁する裁判長の訴訟指揮を徹底弾劾した。
 次回期日を5月14日、次々回を9月3日として閉廷した。
 弁護士会館で開かれた報告会で市東さんは、「NAAは裁判長にまかせきり、裁判所は早く裁判を終わらせたいという態度が見え見えです。毎回の裁判で今日以上に追及しましょう」と一同に奮起を促した。
 弁護団は、NAAの文書隠し、地裁の手荷物検査強行を強い怒りで批判した。さらに、請求異議裁判をめぐる千葉地裁民事第5部との折衝を報告し、証人調べについて高瀬順久裁判長が不当な圧力をかけてきていることを明らかにした。
 最後に太郎良さんが3・4芝山デモ、3・8請求異議裁判への総決起をよびかけた。
 報告会後、反対同盟、支援連は農地死守の決意を込めて街頭で強制執行反対署名を集めた。

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