星野文昭さんの遺志を継ぎ三里塚闘争勝利へ 天神峰・樫の木まつりに集まろう 「農地はみんなの命」 伊藤さん、太郎良さんが訴え

週刊『三里塚』02頁(1017号01面01)(2019/06/10)


星野文昭さんの遺志を継ぎ三里塚闘争勝利へ
 天神峰・樫の木まつりに集まろう
 「農地はみんなの命」
 伊藤さん、太郎良さんが訴え

(写真 第2回樫の木まつり【2018年7月8日】)


 三里塚闘争を闘った大先輩である星野文昭さんが逝去された。「無実の政治犯」として44年もの獄中闘争を全力で闘い、全世界の心ある仲間を勇気づけ、闘う希望を与えてくれた生涯だった。星野さんが命をささげた「すべての人が人らしく生きられる社会の実現」という事業は、星野さんの存在によって命を与えられた私たち後輩が必ずや実現しよう! 星野さんの闘魂が染みこむ大地で開かれる6・30天神峰・樫の木まつりに集まろう! 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局の伊藤信晴さん、決戦本部長の太郎良陽一さんに、まつりにかける意気込みを伺った。

搾取と戦争なくす
 反対同盟事務局員 伊藤信晴さん

 ----昨日、星野文昭さんが逝去されました。
 伊藤 沖縄や三里塚を闘った星野さんが国家権力に虐殺されたことは本当に残念で、まだ整理がつきません。みんなで一生懸命がんばって、仮釈放に肉薄し闘いは高揚していました。医療センターに移ったことも含めて星野さん自身も展望を感じ、再度闘志を燃やしていたのは間違いないと思います。そのただ中での急逝。星野さんは、私と同い年で三里塚現地でも共に闘った仲間です。この星野さんの無念をどう継承するのかという重大な課題を突きつけられたと感じました。全人民の中に分け入り労働運動・農民運動の発展をつくりだすことを再度決意します。われわれの前に立ちはだかった壁を、樫の木まつりに集まった仲間とともに打ち破りたい。
 ----改めて樫の木まつりとは。
 伊藤 市東孝雄さんの農地を守りたいという様々な思いの一つの集約として、多くの人に現地に駆けつけてほしいという企画です。全国集会では、国とNAAの攻撃を政治的に打ち返すという要素が強いけど、樫の木まつりは、三里塚の闘う陣形の人間的な横の関係の一大結集軸という感じがしますね。それぞれの三里塚にかける思いを持ち寄り、違いを大事にしながら、お互いが交流し学び合い団結を強めていくという。
 ----ご自身の市東さんの農地への思いを。
 伊藤 市東さんの農地はみんなの命です。先日の街宣で、「これまで農業は経済的な効率性を理由に切り捨てられてきたけど、全世界で必ず農業の価値が見直されるときがくる。だからこそ三里塚がんばってください」と言われました。
 帝国主義は、核という自然界にはないものまで生み出して殺人兵器や原発をつくりました。人間が生きるための基盤でもある自然循環を破壊する越えてはならない一線を越えています。やっぱり人間を取り戻すということだと思います。そのために、人間を搾取・抑圧する資本主義を打ち倒す団結を作りたい。今こそ生きるために労働者・農民の連帯を築き上げたい。三里塚闘争には労農同盟の萌芽があります。
 ----成田の機能強化との闘いも正念場です。
 伊藤 そもそも市東さんへの攻撃と空港機能強化策は一体のものとして始まりました。両方の狙いは反対同盟つぶしです。国側には反対運動をつぶせていない危機感・恐怖があります。反対同盟に対しては裁判でも何でも人間扱いせず一切抹殺しようとする一方で、空港機能強化では猫なで声で住民の声を聞くようなポーズをとってはいます。しかし、そんな二枚舌は必ず見抜かれます。
 ----地域を回られてどんな反応がありますか。
 伊藤 要望書については、反対同盟ががんばり続けていることで拒絶反応は全くないですね。ある農家は、「慣れ親しんだ農地から引きはがされるというのは本当に大変なこと」と書いてくれたり。だんだん仲間意識、一体感が深まっていると感じます。
 ただ、騒音には反対だけど空港に反対でないという人ももちろん多くいる中で、私も気を付けているのですが、内容的に話をすることにちょっとこだわり過ぎて、参加のハードルを上げてしまっているところがまだあります。多くの住民と同じ目線に立って問題をたて一緒に解決していくことが大事だと痛感しています。
 ----青年・学生へのアピールを。
 伊藤 人を人間扱いしない社会から搾取をなくし、戦争をなくす闘いが三里塚にはあります。ぜひ現地を訪れて下さい。

市東さんに続こう
 反対同盟事務局員・決戦本部長 太郎良陽一さん

 ----今年で樫の木まつりは3回目を迎えます。
 太郎良 企業が儲けるためなら何をやってもいいという資本主義の象徴である空港建設。それと闘うには今何が必要なのかを改めてとらえ返し、全国の闘いとつながる領域を広げ、この社会を変える闘いの拠点として天神峰・東峰地区を守り抜く。そういう樫の木まつりとして成長・定着できたらと考えています。
 ----全国のさまざまな闘いをつなげようと駆け回ってこられました。
 太郎良 原発やXバンドレーダー、石木ダム、辺野古新基地建設、関西生コン支部弾圧に反対する闘いの現場などを訪れましたが、まだまだ足りないと思っています。
 ----現場を訪れた反応はどうですか。
 太郎良 ビラを持って「三里塚から来ました」と声をかけると、例外なく「よく来られました。がんばっているんですね」と好意的に対応してくれます。
 住民の声を全く聞かずに、つぶそうという攻撃はどこも共通です。それに対して、本当に変えないと殺されるという危機感で自分たちができる行動が一生懸命、創意工夫して行われています。大衆的な現場の中でつながり、権力のやり方をはね返すにはどうすればいいのかと、お互いが切磋琢磨しながら、それぞれの大衆組織が持っている知恵や内容をぶつけ合いながら大きくなっていければと考えています。
 反対同盟は大衆組織ですが、「党派の主張だ」とか、いろんな先入観を持たれることもあります。だけど、上から方針を押し付けたり、すべてを選挙に集約する既成左翼のあり方ではなく、党派も運動を見守りながら、住民の方たちが毎日行っていることを一緒に組織し、精一杯やる中でつながり闘われてきたのが三里塚だったと思います。
 ----現場の闘いから学んだことは何ですか。
 太郎良 その地域をとても大事にしているということです。地元に闘う旗を立てる人がいて、そこに様々な人が集い、垣根をこえた交流があります。大切な地域の拠点を広げ、どう集合させていくのかを考える中に、社会を変え最終的に勝利する展望があります。地域の政治的・社会的な問題に労働者はもちろん学生や若者が積極的にかかわり、共闘組織を作り上げることがカギだと思います。
 ----改めて市東さんの農地を守る闘いについて。
 太郎良 孝雄さんは、父親である東市さんの「闘魂ますます盛んなり」の言葉を継ぐといって天神峰に帰ってこられました。三里塚闘争当初からの農民の象徴的な闘いとして、どんな恫喝にも裏切りにも負けず、全国の団結で勝つことを展望しながら先頭に立ってこられました。強制執行攻撃との闘いはもちろん市東さんの畑と生活を守る闘いですが、同時に営々と社会を変えるために闘いぬいてきた三里塚闘争そのものを守る闘いです。だからこそ、市東さんの農地は、先輩方の無念の死も含めて受け継いできた「みんなの命」であり宝です。それなしに、天神峰・東峰を守ることにはなりません。
 ----6・30へのアピールをどうぞ。
 太郎良 三権分立に期待してもダメで、国家権力は打倒対象だという闘いが三里塚闘争だと思います。色んな難しいことがあるけど、闘いの先頭で人生かけてやろうよって言いたいですね。
 当日は、天神峰カフェの新たな取り組みや、「人間の鎖」で市東さんの農地を守る決意を示す行動などいろいろ考えています。ともに交流しましょう。

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