請求異議控訴審勝利・市東さんの農地守ろう 9・24東京高裁に結集を NAAは文書開示せよ 裁判長の拙速指揮と対決

投稿日:

週刊『三里塚』02頁(1021号01面01)(2019/08/12)


請求異議控訴審勝利・市東さんの農地守ろう
 9・24東京高裁に結集を
 NAAは文書開示せよ
 裁判長の拙速指揮と対決

(写真 反対同盟を先頭に千葉地裁に向け、市街地を元気にデモ【7月29日】)

(写真 裁判報告会で発言する市東さんと葉山弁護士)

(写真 内田博久裁判長)


 安倍政権は参議院議員選挙で改憲議席を減らしたにもかかわらず、改憲・戦争に突進している。政治的・軍事的・経済的に危機を深める日帝・安倍は、ホルムズ海峡などへの「有志連合」への参加・中東派兵を画策し、徴用工問題をめぐる韓国への経済制裁の発動など排外主義をあおりながら、関西生コン支部弾圧にみられる労働運動根絶攻撃を強めている。新たな侵略戦争を絶対に阻止しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟は、その先頭に立つ気概で7月29日の千葉地裁デモとふたつの裁判を闘い抜いた。「反戦・反権力の砦」=三里塚から「改憲・戦争阻止!大行進」運動の発展を勝ち取ろう。9・24東京高裁に攻め上り、市東さんの農地を守り抜こう。
 千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で連続して開かれた耕作権裁判と新やぐら裁判に90人が駆けつけ、市東孝雄さんの農地を絶対に守りぬく決意でともに闘った。
 裁判に先立って千葉市中央公園で集会が行われた。
 最初に東峰の萩原富夫さんが発言に立った。「田村明比古NAA新社長は空港機能強化を20年代半ばにもやると言っている。力ずくで第3滑走路を造るという敵の決意表明だ。10月からはA滑走路で深夜発着時間延長を強行しようとしている。大企業のもうけのための生活破壊を許さない。市東さんの農地を守り、空港建設に絶対反対の声を上げよう」
 続いて、動労千葉の川崎昌浩書記長が、三里塚労農連帯の決意を表し、「運転士・車掌廃止攻撃を許さない。安倍の労組解体攻撃を粉砕し、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への空前の弾圧攻撃を打ち破ろう」と熱く呼びかけた。
 さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、高らかにシュプレヒコールを上げデモに出発。梅雨明け直後の強烈な日差しの中、デモは地裁へ向け力強く進んだ。

◎耕作権裁判

 10時30分、耕作権裁判が異例の「準備的口頭弁論」として開廷した。この裁判は、市東さんの南台農地の一部をNAAが「不法耕作」と決めつけ(デタラメだ!)明け渡しを求めているが、実際にはNAAの不法・違法の数々を追及する場となっている。
 そうした中、NAAの卑劣な文書隠しに対する文書提出命令申し立てについて、弁護団は東京高裁に特別抗告を行ったが、その結果はまだ出ておらず本来は開廷できる状況ではない。しかし、内田裁判長は「裁判の遅れ」を取り戻そうとあせって、争点・証拠の整理手続きとしての「準備的口頭弁論」を強引に入れてきたのだ。
 開廷早々、弁護団は抗議の意を表したが、内田裁判長は「民事訴訟法に規定されており、裁判所の判断で行える。被告側の今後の主張・立証を縛ることはなく、不利益を被ることは想定されない」と自己正当化した。
 だがそもそもこのような事態にいたったのは、NAAが乙84〜86という重要証拠を墨塗りにしたまま提出したからだ。弁護団は裁判長に向け「墨塗り文書を任意で全面開示するようNAAに命じよ」と迫るが、裁判長は「高裁の判断が出ていないので、今はそういう状況にはない」と逃げた。
 次回期日を10月28日とし、次々回を来年2月3日として、弁論更新を次回以降に行うことなどを確認して耕作権裁判は閉廷した。

◎新やぐら裁判

 続いて、新やぐら裁判に入った。
 裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団が意見表明を行った。この裁判は市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板について、NAAが反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだが、NAAにそんな請求の権利は一切ない。空港公団(後のNAA)は、市東家に無断で旧地主からの土地取得・買収を行い、そのことを17年間も隠し続けてきたのだ。とんでもない農地法違反であり、取得は無効であることを、弁護団は突きつけた。
 さらに、市東さんと萩原さんの陳述書を提出し、天神峰農地の一角を市東さんに借りて反対同盟がやぐら・看板を設置することは何ら問題ないことを明らかにし、この農地を力ずくで奪う強制執行や、看板・やぐらの撤去など絶対に許さない決意を示した。申請済みの18人全員を採用して人証調べを行うよう、重ねて要求した。
 次回期日を9月30日として閉廷。
 千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんが、「裁判長はあせって早く先へ進めようとしているが、そんなことは認めない。弁護団とともにNAAの悪事を引きずり出す」とあいさつした。さらに葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が市東さんの農地を守り、安倍政治を打ち砕く決意を述べた。
 最後に伊藤さんが、9・24請求異議裁判控訴審への結集と8月25日の拡大一斉行動への参加を呼びかけた。

------------------------------------------------------------
400万円カンパ集めよう
〈郵便振替〉 00130―0―562987 三里塚芝山連合空港反対同盟
〈銀行口座〉 みずほ銀行成田支店 普通預金 2074135 イトウノブハル

このエントリーをはてなブックマークに追加