北総の空の下で 停電生活 福島に思いを馳せ

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週刊『三里塚』02頁(1024号02面07)(2019/09/23)


北総の空の下で
 停電生活
 福島に思いを馳せ


 9月9日未明、大型台風関東縦断。57㍍の最大瞬間風速を記録した千葉県で、78万戸が停電しました。同盟は伊藤信晴さん宅以外は復旧しましたが、私たちの生活兼事務所のある香取市は、15日現在復旧のメドが立っていません。東電は当初、2日間で全面復旧と宣言していただけに、いらだちがつのります。
 生活用水は同盟宅や役場からの貰い水で賄っています。市東さんから500㍑タンクを借りましたが水洗トイレに思いのほか大量の水が必要で、朝には底を尽くことも。ありがたいのは、ガス釜で御飯が炊けること。周りに土や樹木があり猛暑でもヒートアイランド化しないこと。私たちは車で買い物や銭湯に行けますが、年配者や病人は即命の危険にさらされます。
 数日間日常生活を奪われるだけで、想定外のエネルギーが必要になることを体験して、改めて3・11福島に思いを馳せます。震災を生き延びたのに、先の見えない精神的肉体的負担の継続でどれだけ多くの人が人生を全うできなかったことか!!
 事務機能は停電でいかんともできず、原稿用紙を捜し出してヘッドライトでこれを書いています。書き直しと漢字変換に倍の労力を使いながら。
 萩原さん宅では農作業と並行して潰されたハウスの撤去と食堂の屋根の修繕が進行中。市東さん宅の最大の懸案は飯米の稲刈りです。産直は、野菜の被害が大きくて開始以来初めて2回休みましたが、可能な野菜で再開決定です。
北里一枝
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