全学連三里塚 現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 三里塚と福島を結び 3・11から9周年 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

週刊『三里塚』02頁(1036号02面04)(2020/03/23)


全学連三里塚
 現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 三里塚と福島を結び
 3・11から9周年
 全学連三里塚現地行動隊長 今井治郎

(写真 反対同盟も現地から駆けつけ、全国の仲間と郡山市街地を元気よくデモ行進【3月11日】)

 一斉休校で早まった春休みに合わせるように、早くも東京の桜の開花の便りが届いています。
 暖かい春、とはいえ「三寒四温」という言葉は生きているようで、三里塚現地でも春と冬の空気のせめぎ合いを感じます。ちょっと雲が流れてきたと思ったら、サーッと水滴が落ちてくる雨の多い日々。野菜には良いのかもしれないけれど、畑に出ての農作業がなかなか進められないのが悩みどころです。
 3月11日、福島県郡山市で開催された反原発福島行動に参加してきました。郡山も風が強いのは相変わらずでしたが、いつも日陰にはある雪が今年は全く見られず、小雨が降る中でのデモ行進となりました。集会で印象に残ったのは福島と沖縄のお母さんのトークセッション、最初に流された映像の中で、震災直後に文科省の職員に詰め寄る福島のお母さんの姿には心をゆさぶられました。
 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて、全国の小中高校への一斉休校を要請した政府に対して、「やればできるじゃないか」と言った福島のお母さん。この「政治判断」が専門家の意見や労働者の実態を全く無視した政府のパフォーマンスだということは間違いありません。
 しかし、原発事故直後、学校のグラウンドや通学路の線量が高いことを知りながら、政府が学校再開に固執し年間被曝量の基準を20㍉シーベルトまで引き上げようとしたことへの怒りは、決して忘れてはいけないものです。原発事故から9年経っても「原子力緊急事態宣言」はいまだに解除されていないのです。
 沖縄から駆けつけた「チーム緑ケ丘1207」のお母さんたちが、「これは自分たちだけの問題じゃない」と立ち上がったという話も印象的でした。きっかけが子どもの命のためだとしても、社会構造を問いながら精力的に活動している姿に勇気づけられます。子どもが安心して暮らせない社会では、大人もやはり安心して暮らすことはできないのです。
 ヘリや航空機の騒音、落下物という観点で言えば、この間暴露されている羽田の都心上空の新ルートや成田の空港機能強化で安全破壊・生活破壊の進行とも共通の問題です。
 安倍政権はWHOによる世界的大流行(パンデミック)宣言、各国間の渡航制限が広がる中でも東京オリンピック開催に固執し、3月26日には福島から聖火リレーをスタートさせようとしています。
 一方、与野党一体で「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を改定し、「緊急事態宣言」カードをちらつかせ始めました。「労働者の命の成否を握っているのは自分たちだ」とでも言いたげな政府には、とても大人も子どもも安心して暮らせる社会をつくる力があるようには見えません。
 3・29三里塚全国総決起集会に集まろう! 体を張って命と生活を守ってきた三里塚54年間の闘いに学び、労働者・農民・学生・市民にこそ命を守る力があることに確信を持とう!
このエントリーをはてなブックマークに追加