群馬で農業を考える集会 どうなる、日本の食物と農林水産業 市東さんが農地守りぬく決意

週刊『三里塚』02頁(1072号02面03)(2021/09/27)


群馬で農業を考える集会
 どうなる、日本の食物と農林水産業
 市東さんが農地守りぬく決意

(写真 農地を守る決意を述べる市東さん【19日 高崎市】)

(写真 「守る会」会費とカンパを手渡した)

(写真 群馬集会参加を前に市東さん一行は、星野文昭さん、奥深山幸男さん、先代住職の青柳晃玄さんが眠る前橋市の安養院を訪れ、お墓に手を合わせた。)


 9月19日、群馬・市東さんの農地を守る会、群馬合同労組などの呼びかけで、「なぜ、最近のホッケは小さいの?どうなる、日本の食べ物と農林水産業/農業を考える9・19集会」が高崎市で開かれた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんが今年も参加し、群馬と三里塚との連帯を一層固めあった。
 最初に呼びかけ団体でもある一般社団法人「高階(たかはし)文庫」の高階ミチ理事長が開会のあいさつに立ち、農業と食の置かれた危機的現状を改善する場としてのこの集会の意義を訴えた。
 続いて地元の町長が歓迎のあいさつを述べ、新自由主義を打ち破る市東さんの闘いへの連帯を表した。
 「守る会」の田島俊昭さんがメインの講演を行った。「なぜ最近のホッケが小ぶりなのか」を皮切りに、小さな魚を獲らないと生きていけない漁業者、生活苦に追われる消費者、米価暴落にあえぐ農家など、農漁業が置かれたシビアな現状を縦横無尽に論じた。そして、労働者・農民・漁民・市民の団結の回復にこそ変革の展望があることを示し、ポスト菅の自民党政権による戦争・改憲への道を許さず、市東さんの農地を守ろうと熱く呼びかけた。
 続いて、反対同盟の新DVD「三里塚2021」が上映された。空港施設に包囲された天神峰で畑仕事をする市東さんの日常と反対同盟55年の不屈の闘争史が、交差しながらスクリーン上に展開された。三里塚現地の臨場感と闘いの熱気があふれる43分の映像は、全参加者の胸を打った。
 そして市東さん本人が登壇した。請求異議裁判の上告棄却を弾劾し、NAAの卑劣な違法・脱法への怒りを表し、闘いの覚悟を語った。
 「私もおやじの遺志を継いだ以上、体の続く限り天神峰で農家をしながらみなさんとのきずなを作っていきます。この天候不順の中で完全無農薬有機栽培は手間がかかるが、消費者の方々においしいと言ってもらえることがうれしい。裁判だけでなく現地での闘いを強化し、権力に打撃を与える闘い方を工夫します。農地を守り、軍事空港を阻止する、この考えで皆さんとともに闘います」
 全参加者が大きな拍手でこれに応えた。
 さらに現地闘争本部の北里一枝さんがNAAの農地強奪のたくらみの破綻と三里塚勝利の展望を語り、全学連三里塚現地行動隊の髙田暁典さんが「市東さんの決意を受けとめ、自分もうそをつかない生き方をする」と決意を表した。
 続いて登壇した千葉県の米農家で全国農民会議共同代表の小川浩さんは、米の大暴落に表された農業の現実に強い危機感を訴え、「規模拡大は問題解決にならない。このままでは日本の農業は消滅する」と警鐘を鳴らした。そして市東さんの農地を守る闘いへの決起に、農民の未来があることを強調した。
 地元の県議会議員の連帯のあいさつに続き、群馬合同労組の清水彰二委員長が組合活動を報告し、「一人からでもあきらめずに職場で団結を作る。市東さんは闘いの手本を示している」と連帯の意思を表した。
 田島さんから市東さんに梨の詰め合わせと、高階文庫の農園の無農薬有機栽培の小麦で作られた焼きまんじゅうがおみやげとして贈られ、「守る会」で集めた会費とカンパが手渡された。市東さんからは参加者に、畑で獲れたジャガイモがプレゼントされた。
 最後に「守る会」の大塚正之さんが10・3三里塚全国集会、11・7全国労働者集会への群馬からのこぞっての参加を呼びかけ、集会の成功を全員で確認した。

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