全学連三里塚 現地行動隊日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 命の農地を守ろう 映画「ミナマタ」 全学連三里塚現地行動隊長 二川光

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週刊『三里塚』02頁(1073号02面02)(2021/10/11)


全学連三里塚 現地行動隊日誌
 市東農地決戦の先頭に立つ
 命の農地を守ろう
 映画「ミナマタ」
 全学連三里塚現地行動隊長 二川光

(写真 南台の農地でトラクター作業【9月26日】)

 灯火親しむ秋の夜長、虫の音が心地よい時期となりました。いかがお過ごしでしょうか。三里塚現地の畑では、葉物や根菜などの種まき時期を迎えています。すでに出荷されているコンテナには里芋や大根葉などが新たに入り、山東菜やレタス、サニーレタスなど多くの葉物野菜も順調に育っています。更に季節が進めば白菜や大根、ネギなども入ります。コンテナの中はだんだん賑やかになる季節です。是非、三里塚野菜を食べて免疫力をつけましょう。
 10月3日、成田市栗山公園で反対同盟が主催する全国総決起集会が開催されました。集会当日には490人が集まり「農地死守、空港機能強化粉砕、自民党政権打倒」を誓い合う場となりました。6月8日に最高裁第三小法廷が請求異議裁判を上告棄却し、現地ではいつでも強制執行が可能な状況になっています。この状況を食い止めているのは畑を耕し営農に励み産直運動で全国の消費者に野菜を届ける天神峰の市東孝雄さん、東峰の萩原富夫さんの体を張った闘いが先頭にあります。そして日々の営農だけでなく反対同盟決戦本部と支援勢力で担ってきた連日の深夜座り込み体制があり、4カ月以上経っても強制執行を許さず、空港建設を阻み続けています。
 10月から新やぐら裁判控訴審が始まり、他の裁判も再開します。現地の闘いや裁判闘争が続いている根拠は、市東さんがあきらめることなく、「農地死守」「空港粉砕」で揺るがずに立ち向かっているからです。56年目を迎える三里塚は農地と生活を武器に日々、戦争と改憲を阻止しています。
 この三里塚と同じくらい重要な闘いがあります。熊本県水俣市で人災として引き起こされた水俣病を題材にした、『MINAMATA』という映画を見てきました。物語はユージン・スミスという写真家を中心にして進みます。有機水銀を大企業チッソが工場から垂れ流し続け、経口摂取によって水銀中毒にかかった人々を生み出しました。映画の中では地元住民や学生が公害を引き起こした大企業チッソに対して社前で抗議の座り込みを行ったり、チッソの株主総会で200人以上が詰めかけて社長に直談判するなどの実力行動が闘われている様子が描かれています。その一方で住民が用意し、ユージン・スミスが使っていた写真現像・焼付用の暗室が燃やされるなどのシーンもあります。映画の所々で実際に写真に収めていた水俣病患者の写真が頻繁に出て、水俣病がどういうものかが映像でわかるようになっています。
 そして、1973年3月20日にチッソ水俣工場の過失責任と、公害による健康被害の防止についての企業責任を明確にし、熊本地裁で総額9億3730万円の支払いを命じる画期的な勝利判決が出されました。
 しかし政府と企業は今も水俣病患者の認定者数をしぼり、わずかな金銭でもって収束させようとしています。
 三里塚とともに闘い抜きましょう。10・20新やぐら裁判、10・22第3誘導路裁判に集まろう。
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