年末4日間決戦に立とう 天神峰で団結芋煮会 農地死守・強制執行粉砕誓う

週刊『三里塚』02頁(1102号01面01)(2022/12/26)


年末4日間決戦に立とう
 天神峰で団結芋煮会
 農地死守・強制執行粉砕誓う

(写真 反対同盟歌を熱唱し「農地死守」を誓った【12月11日 天神峰】)

(写真 市東孝雄さんを先頭に南台農地からデモに出発)

(写真 有機野菜がたっぷりの芋煮に舌鼓)

(写真 萩原富夫さんが自作ロックを絶唱)

(写真 太郎良さんの呼びかけに応え座り込みに決起する青年・学生)

 12月11日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける現地闘争&団結芋煮会が行われ、全国から集まった労働者・農民・学生・市民220人が農地死守を誓い合った。さらに反対同盟・決戦本部は12月27日早朝から30日の日没までを強制執行実力阻止の「4日間決戦」として非常臨戦態勢を取ると宣言し、総決起を訴えている。万難を排して天神峰現地に駆けつけよう。岸田政権は、安保3文書改定の閣議決定という戦後史を画する戦争国家への大転換を強行した。だが、成田空港の敷地内で農業を続けながら反戦・反権力、労農連帯を訴え続ける反対同盟・農民の闘いを叩きつぶすことはできていない。危機に立つ岸田政権を農地死守決戦の爆発で打倒しよう。
 南台の畑に集合。丹精込めて育てられた有機野菜が見事に並ぶこの場所も、天神峰畑とともに強制執行の対象だ。
 決戦本部長の太郎良陽一さんが、「元気に明るくたくましく、強制執行阻止の闘いを続けている。今日のデモに打って出よう!」とリードした。曇天のもと、反対同盟を先頭にデモ行進に出発。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが一帯に「農地強奪を許さない」との訴えを大きく響かせた。
 市東さん宅の中庭では、集会と芋煮の準備が整えられていた。婦人行動隊の木内敦子さんの司会で、集会が始まった。
 最初に事務局員の伊藤信晴さんがあいさつ(発言要旨別掲)。「戦争に絶対反対し、農地決戦を闘おう」
 続いて市東孝雄さんが発言に立った。
 「いつ強制執行が来てもいいと身構え、みなさんと力を合わせていかに権力をはね返すかだけを考えています。大勢来ていただき、私の気持ちも落ち着きました。これからも頑張ります」
 市東さんの攻撃を迎え撃つ覚悟と闘争心を受けとめ、全員が決意を固め拍手を送った。
 連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長がマイクを握り、民主労総との国際連帯の発展を報告しながら、反対同盟と車の両輪として労農連帯を貫きともに農地を守ることを誓った。
 関西実行委に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、強制執行への強い怒りを表し、大阪府警本部に対する1月1日の反弾圧行動への結集を呼びかけた。

有機野菜の一杯

 大なべに用意された熱い芋煮が参加者に配られた。里芋を中心にした有機野菜がひしめく一杯で、心身が温まる。その場の緊張感がいったんほぐれ、音楽ライブの時間になった。この日のゲストは「いなのとひら・のとこば」のトリオ。まず彼らの演奏に乗って東峰の萩原富夫さんが自作のロック「農地は命」を絶唱した。続いて3人が、自民党、安倍による腐敗と欺まんに満ちた政治を痛快に斬るオリジナル曲を、軽快なリズムに乗せて立て続けに披露した。
 司会を宮本さんに交代し、木内さんがカンパアピールを行った。「市東さんは声高に執行阻止とは言わなかったが、心に秘めた熱い思いを語ってくれた。市東さんの決意に応えるカンパを!」
 諸団体からの連帯発言が続いた。全国農民会議共同代表の小川浩さんは、「農地取り上げは市東さんに死ねと言うこと。絶対に許せない」と強い怒りを表した。そして日本農業の直面する深刻な危機を報告し、三里塚の勝利に農民の未来もあることを訴えた。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、婦人民主クラブ全国協、星野全国再審連絡会議、改憲・戦争阻止!大行進・関西、全国水平同盟杉並支部などが市東さんの農地を守る決意を表明した。

泊まり込もう!

 共闘団体として全学連の学生が最初に発言した。座り込み、援農、街宣などに次々と取り組んできたことを報告し、「豊かな農地を破壊し、最も非人間的な行為である戦争を持ち込もうとしているのがNAA・日帝国家権力だ!」と弾劾し、「自分たちの世代がすべてを引き受けて闘う」と宣言し、ひときわ大きな拍手を浴びた。
 決戦本部に集う仲間が前に並び、決戦本部ニュースが読み上げられ(別掲)、「弁護団の抗告が12月8日に行われ、本日からが決戦」と確認された。太郎良さんが、「今晩からの泊まり込みに参加を!」と呼びかけると、学生・青年を中心に続々と前に出てきた。太郎良さんの「団結して闘い、市東さんの農地を守り抜こう!」との腹の底からの叫びと、それに応える一同の歓声で天神峰の空気が震えた。
 最後に団結ガンバローを三唱し、「反対同盟の歌」を全員で熱唱し「誇りも高き農地死守」の歌詞を胸に刻んだ。

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集会発言 軍事空港阻止へ

力を合わせて権力はね返す
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんごくろうさまです。
 いつでも執行ができる状態になりましたけれども、みなさんの団結の力でいまだ向こうは何も言ってこないし、手出しもしてきません。
 だけど、いつかは来る。自分の中ではいつ来てもいいと身構えていますので、またみなさんとの力でいかに権力をはね返すかということだけを考えています。
 たしかに私にとって農地は命そのものということで、畑を取られるということは非常に残念です。
 先祖代々、祖父の代から100年耕してきたけど、俺の時代で終わらせるとなるのは心苦しいですけど、これも時代の流れと思って、これから前へ進んでいきたいと思います。
 今日は、本当にみなさん大勢来ていただき、私の気持ちも少し落ち着きました。これからも頑張りますので、どうか一つよろしくお願いいたします。

戦争と一体の農地強奪攻撃
 事務局員 伊藤信晴さん

 市東さんの農地が強奪される危険にさらされています。私たち反対同盟が「農地死守・実力闘争、軍事空港粉砕」の原則を守りぬいてきた過程の中で多くの試練がありました。
 農地死守の原則は、国家権力の弾圧と闘い、またわれわれの側からのすさまじいゲリラ戦闘を貫く上で、一切の反動をはねのける力がありました。戸村一作反対同盟委員長も言っていましたが、農地は農民のものであり、それは全人民が認めるところであります。
 今なぜ敵は市東さんに対する暴虐非道を行うのか。決定的なのは防衛費の2倍化、安保関連3文書の改定という戦争への動向であります。市東さんの農地の死守決戦は新たな次元を画する段階に入りました。
 私たちは、農地は農民のものであるという圧倒的な正義と戦争反対の2本の柱を徹底的に打ち立てて、市東さんの農地決戦を闘いぬこうではありませんか。私たち反対同盟はみなさんの先頭に立って闘います。

諸先輩の闘魂を引き継いで
 決戦本部長 太郎良陽一さん

 明日から強制執行との闘いにもう一度突入します。本気の本気としてやりぬきます。ぜひみなさん結集して下さい。そして、今晩からの泊まり込みを呼びかけます。どんどん出てきてください。泊まる場所はいっぱい用意しました。カンパの食料も入ってます。ありがとうございます。
 市東さんを追い出すなんて絶対に許さない。三里塚の長い闘いの中で悔しい思いをして亡くなっていった先輩がたくさんいます。すごい闘いをやってきた先輩たちだらけです。その闘魂を引き継いで、ここで強制執行にくるなら、しがみついてでも守り抜く。そういう闘いをおれたちはやろうじゃありませんか。みなさん、泊まり込みはいつでもやってます。いつでも来てください。一緒に闘いましょう。この間、若い子もお年の人も含めて明るく元気で徹底的にやっています。あらゆる手段をもって体を武器にして闘います。来年1月8日には旗開きを絶対にやりぬく。みなさん力を貸してください。

学生の未来は三里塚にある
 全学連

 市東さんは日々農業を営み、「三里塚の未来を明るくしよう」と朗らかに戦闘宣言を発している。このまっすぐな姿勢に多くの学生が獲得され、続々と現地の闘いに加わっている。
 日帝は絶望的な危機の一切を対中国侵略戦争で突破しようとしている。日本の労働者・学生の闘いが問われている。
 反戦闘争の焦点は三里塚と沖縄だ。政府は安保3文書の改定に向けて、軍事利用の対象とする民間施設として、下地島空港とともに成田空港を名指しした。私は三里塚がこんな横暴に負けないことを共に闘う中で確信した。それは反対同盟が「絶対反対同盟」だからだ。
 座り込みのなかで80年代の二期決戦の話を聞いた。当時は中曽根政権の登場と国鉄分割・民営化、新自由主義の大反動。三里塚では、成田用水攻撃。反対同盟も大変な状況になった。凄まじい逆風が吹き荒れる中でも闘いをやめなかったから今があり、それよりずっと後に生まれた我々がここに立っている。
 「一切の話し合い拒否・農地実力死守」のスローガンが輝くときは今だ。厳しい闘いのなかで、やめてしまった人もいる。裏切った人間もいる。だったら、自分たちの世代が全部を引き受けて闘い続ける。全学連は、不屈に闘う反対同盟・支援連と共に、勝つまで闘い抜く。青年・学生の未来は「三里塚の明るい未来」の中にこそある。団結して頑張ろう。

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