明日も耕す 農業問題の今 サツマイモで燃料自給? 背景に戦時農業への転換

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週刊『三里塚』02頁(1115号02面04)(2023/07/10)


明日も耕す 農業問題の今
 サツマイモで燃料自給?
 背景に戦時農業への転換

(写真 芋苗ポットを重ね日射エネルギーを効率的に活用)


 前号で15年戦争の末期、陸軍に「農耕勤務隊」が編成され、朝鮮半島から徴用された人々が燃料用のイモの増産のためとして農作業に従事させられた話を紹介した。この「燃料用のイモ」は、今につながっている。

 7月3日付の日本農業新聞を見ていたら、「燃料用の作物 日本でもつくれる?」の見出しが目に入った。
 ウクライナ戦争でエネルギーの国産化を進める機運が高まっている。海外ではトウモロコシなどを燃料用に栽培する。自給率向上へ期待がかかるのが再生可能エネルギーだが、バイオマス(生物由来資源)では発電に使う木質ペレットなどを輸入に頼っている。
 しかし、近畿大学の鈴木高広教授によると、「サツマイモを増産すればエネルギーを全量自給できます」という話だ。

メタンガス発電

 サツマイモを発酵させて発生させたメタンガスを使って発電する方法で、他の再エネとあわせ、「エネルギーの半分をサツマイモで賄えれば将来的に化石燃料を全廃できる可能性がある」と鈴木教授は試算する。
 現在耕作する農地を使わずとも、遊休農地やベランダ、ビルの屋上などの活用で、食料に回すことも可能だという。
 鈴木教授の研究は、10年以上前から次世代エネルギーとして何度もマスコミで報じられている。また、焼酎大手の霧島酒造(宮崎県都城市)は、製造過程で出る芋くずなどを利用して発電し、すでに電力会社に売電もしているというから全くの夢物語ではない。
 現時点では政府やブルジョアジーの関心を得ているようにはみえないが、安全保障のために農家への増産や流通規制を命令できる新法が画策される今、一転して国策による燃料用サツマイモの増産だってあり得ない話ではない。
 その前に安全保障でサツマイモと言えば、食料が先だろう。

有事に強い食料

 2014年に農林水産省がまとめた「食料の安定供給と不測時の食料安全保障について」という資料には、深刻な食料不足に陥ったときのシナリオがまとめられている。
 「供給熱量確保のため熱量効率の高いいも類への生産転換を実施」をうたい、「国内生産のみで2135㌔カロリーを供給する場合の食事メニュー例」として「朝食はご飯を茶碗一杯に焼き芋2本とぬか漬け、昼食は焼き芋2本とふかし芋1個と果物、そして夕食はご飯茶碗一杯と粉吹き芋1皿、焼き魚1切」といった食事を紹介している。
 「ふざけるな!」と言いたくなるが、いま第4次焼き芋ブームが起こっているそうだ。サツマイモのおいしさアップもあるだろうが、戦時農業への流れの中では、ブームが「有事の備え」の後押しにもなりかねない。
 戦時の食料と燃料をサツマイモに頼る、こうした過去を繰り返さないために、戦時農業への転換を許さず、岸田政権を打倒して戦争をとめよう。

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