大地の響き 投稿コーナー

週刊『三里塚』02頁(1125号02面07)(2023/12/11)


大地の響き 投稿コーナー

「三里塚は心の故郷」
 首都圏学生 大場 徹

 11月20日、三里塚の現地調査に同行した。三里塚に行くのは始めてだった。到着日の朝、天神峰農地が今どうなっているのかを見せてもらった。権力側が作った鉄の仕切りにはしごを掛けのぞき込むと、何の手入れもされず草木が生い茂る天神峰農地があった(写真)。隣には一面コンクリートの地平線が広がる。これが市東さんが命がけで守ろうとした土地なのかとがく然としたこと、自然豊かな土地と、露骨な資本のコントラストの異様さを感じ取ったことを覚えている。玉ねぎの移植を体験したが、そこでも飛行機は爆音を鳴らして飛び回る。資本家の金儲け、戦争のための空港を作る彼らは農民一人の生活、命をとことん軽んじていることを表す象徴的光景だった。
 しかしそれよりも印象的なことは屈せず前を向き歩んでいる市東さんと反対同盟の皆さんの感動的な団結、都会では味わえない土との触れ合い、三里塚現闘の人々と市東さんが時には和気あいあいと、時には真剣に黙々と、汗水を垂らして丹精込めて作業に取り組んでいた。現地調査に行った仲間ともこの農作業を通して仲が深まった。拠点に戻ると、まるで家族かのように温かく迎え入れ、三里塚の野菜を使った味噌汁や、漬物、焼きそば、ビビンバ等を振る舞ってもらった。初めてその住まいに泊まるはずなのに、実家のような温かさがあった。そこで労働者の活動家の方の「三里塚は心の故郷だ」という発言が今でも記憶に鮮明に残っているし、その意味が深く理解できた。資本主義は巨万の犠牲者を産み、分断を産み、戦争に突き進み、労働者をじゅうりんする。しかし僕は三里塚の経験を通して、労働者階級の団結の豊かさと強さを見た。三里塚の人々との温かい絆、生活の中に差別や抑圧が入る隙は一切ない。資本主義によって、人々の団結がことごとく粉砕され、排外主義、戦争がまき起こる中、社会を変える展望を見出したことがこの現地体験の一番の収穫だったと思う。

熊野寮祭で野菜販売
 京都大学熊野寮生 荒谷弘見

(写真 寮内で産直野菜販売)

 例年に引き続き今年も京都大学熊野寮で毎年12月に開催される熊野寮祭において、三里塚野菜の無人販売を行っています。
 熊野寮は80年代に寮自治会として三里塚の現地闘争に連帯するため寮生が大量に支援に向かっていた歴史があります。昨年12月から始まった強制執行情勢では、熊野寮生有志が20名ほど現地に向かい援農などの現地闘争に参加しました。2月に行われた強制執行には絶対反対で熊野寮生も複数名向かい2名が現地で逮捕されるということもありました。その後熊野寮にはガサ入れがありました。ナンセンス! G7サミットに向けた予防弾圧でも寮生が新たに2名逮捕されるということがあり、その時のガサも含めて寮生の団結で不当捜索を許さず警察権力を跳ね返してきました。熊野寮もまた三里塚のように国家権力と闘う中で残ってきたし、闘うからこそ残ってきたのだと思います。
 三里塚野菜無人販売の企画などを通して熊野寮内でも三里塚の闘いは広く知られており、戦争反対・軍事空港化反対で闘う農地で育った野菜を寮生もおいしいと言って食べています。大好評です! 三里塚野菜は色が濃く一つひとつがしっかりしている反面虫食いなどありますが、それは合理化によって農薬や防腐剤などを大量に使っている既成の野菜とは全く違うということを示していると思います。安心と信頼の三里塚野菜を今年も断固多くの人に食べてほしいと思っています。
 自分も一学生として三里塚の闘争の歴史に学び、改憲戦争阻止!帝国主義打倒!パレスチナ人民と連帯して闘っていきます‼

韓国の街並みを見て
 首都圏学生 渡辺 良

 11月9日から14日にかけて、全学連訪韓団の一員として韓国を訪れて来ました。『前進』にも感想を掲載して頂き、同じことを書くのも芸が無いので、『週三』には別の切り口で感想を書いてみようと思います。
 皆さんは韓国の街並みといえば、どのような光景を思い浮かべるでしょうか。明洞(ミョンドン)のような繁華街か、景福宮(キョンボックン)のような韓国王朝の王宮や旧市街、はたまた映画「パラサイト」のような半地下の街を思い浮かべるかもしれません。
 実際に韓国を訪れて感じたのは、これらすべてが併存している。それも地理的にかなり近い位置に存在しているということです。我々が宿泊したひとり1泊1500円(!)の安宿はソウル駅から電車で20分ほどのところにありますが、同じ市内でも都心からほんの少し離れただけで、中心部の現代的なビル街は消えてさり、軍事独裁時代から変わらないような古い街並みが広がっている。宿の近くから中心部を眺めたときの、手前にある古めかしい家々と奥の高層ビルのコントラストに、韓国の格差の一端を見た気がしました。
 とはいえ、これを客観的に確認し、「憂慮」することだけに留まるわけにはいきません。11月労働者集会に集まった全世界の仲間とともに、活動家・革命家をドシドシ作り出し、都市と農村の対立、帝国主義本国人民と被抑圧国人民の対立を止揚していくこと、具体的にはウクライナ・パレスチナ・台湾で始まった/始まりつつある世界戦争を世界革命に転じていくことが必要です。全学連はこの歴史的任務に全力で立ち上がります。ともに闘おう!
 トゥジェン!

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