住民が騒音被害訴え NAAの測定にごまかし 成田夜間飛行差止民事訴訟
住民が騒音被害訴え
NAAの測定にごまかし
成田夜間飛行差止民事訴訟
成田空港騒音被害訴訟団による民事訴訟第5回口頭弁論が4月16日、千葉地裁民事第1部で開かれ、傍聴しました。この裁判は、成田空港の周辺住民(成田市、芝山町、多古町、横芝光町、茨城県稲敷市)がNAAに対し、午後9時から午前7時の飛行差し止めと損害賠償を求めるものです。
これまで担当していた小林康彦裁判長が村主隆行裁判長(星野国賠で賠償を命じる判決)へと替わり弁護団が更新に伴う意見陳述を行うことを表明したところ、NAAの代理人・長屋が映像を流して被害を印象づけるのはいかがなものかなどとつぶやきましたが、次回に行うとなりました。
弁護団は今回、被告・NAAの騒音の測定方法にごまかし、疑義があるとして反論を行いました。被告の測定は、防音対策をした部屋の一カ所でしかも、たった一日だけで実態と合っていない。夜間の枕元で少なくとも1週間は必要だ。また第4次厚木基地訴訟の高裁判決でも防音工事の効果は必ず達成できるとまでは認められない...。
芝山町の原告のAさんが意見陳述に立ち、「何より次世代の未来を守りたい」という表明に大きな拍手が送られました。
次回期日は、7月9日(水)午前10時半からです。
(土屋栄作)
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次世代の未来を守れ
芝山町 Aさん
私の暮らしている谷間地区では朝6時になると飛行機が轟音と共に降りてきます。休日だから少しゆっくり起きたいと思っても容赦なく飛行機の騒音で起こされてしまいます。A滑走路とB滑走路の飛行機が同時に飛行する時は、両方からの騒音にさらされ、さらに各騒音が反響して重なり合い、かなりひどい状況になります。雲が厚いときは騒音が雲に反響すると思われ、自宅の窓ガラスが騒音で小刻みに揺れるほどです。健康維持に犬と散歩に出ますが、騒音によって心をかき乱され、飛行機の排気ガスやオイル等によって汚染された空気を吸っていると思うとストレスも感じます。逆に、健康を悪化させているのではないかと暗い気持ちになりながらトボトボと夕暮れ時を歩くことになります。これから先も延々と飛び続ける飛行機の騒音に死ぬまで悩まされると思うと、絶望しかありません。
近年、大雨や洪水、森林火災、干ばつなど大規模災害が頻繁に起きています。世界的にCO2削減に向けての取り組みが進められる中で、新たに空港を拡張し、増便することは時代に逆行していると言わざるをえません。今後、空港は今の倍の大きさに拡張されることになっています。騒音下で苦しんでいる住民の意思を無視して、国と成田空港会社は次々とやりたい放題です。二度の移転を強いられている例もあります。
裁判所は抑圧された私たち住民の声にしっかりと耳を傾け、私たちの健康や生活環境、何より地球環境を含めて、息子たち次世代の未来を守っていただくようにお願いを申し上げます。
