新版・現闘員奮闘中!日誌 市東農地決戦の先頭に立つ 第3滑走路造らせない 菱田でFW&デモ 三里塚現地闘争本部員 平井雅也
週刊『三里塚』02頁(1159号02面03)(2025/05/12)
新版・現闘員奮闘中!日誌
市東農地決戦の先頭に立つ
第3滑走路造らせない
菱田でFW&デモ
三里塚現地闘争本部員 平井雅也

(写真 かつての激戦地・菱田地区をデモ【7日】)
夏日となる日も出てきました。雑草がすごい勢いで伸び、市東さん宅の援農でも草刈りや草取りに追われているところです。野菜の方も、ほうれん草が出荷ケースに入れられない大きさになったものをはじいて出荷したり、とう立ちが始まってしまう作物があったりと、良くない影響も出てきています。気候変動に対処して、作付けの時期などの見直しが必要になっています。
さて、5月に成田空港機能強化の本格着工を行うという成田空港会社の発表を受けて、月イチで行ってきたフィールドワークは、フィールドワークを兼ねたデモという形で5月7日に設定しました。
空港会社は、全体としては83%、民有地は74%を確保したのだと言っています。民有地の実に4分の1が未買収のまま本格工事に突入するというのです。空港会社としては3月24日の耕作権裁判判決での仮執行宣言とそれにもとづく強制執行をもって「反対してもこのように強制的に取り上げるだけだ」と見せつけた上で本格着工に踏み切る腹づもりだったのに違いありません。その前提が崩れてなお、「軒先まで工事を進めてご理解をいただく」式の地上げ屋まがいのやり口、本当に許すことができません。
5月7日、市東さん宅に60名が結集。反対同盟の伊藤さんから、デモ予定地沿道に掲げられている住民による抗議の横断幕や、耕作し続ける意思表示として今年も田植えがされた田んぼについての報告がなされるなど、この日の行動について打ち合わせ。その後に車を連ねてフィールドワークを兼ねてデモ予定地まで移動しました。その途中には横堀を経由し、いったん止まって車に乗ったままPRカーで伊藤さんが工事状況などを説明。この辺りから建設中の工事用道路に沿って進んだのですが、菱田の手前で急坂を下る形となっており、ものすごい高低差があることがよくわかります。これをすべて埋め立てて平坦にするのは、大工事となります。
そして菱田に到着。谷津(やつ)と呼ばれる谷筋の平地で、以前のこの時期は水田がずっと並んでいる風景でしたが、この数年ですっかり様変わりしました。ここはC滑走路の北端の予定地とされているところです。
デモは、中郷墓地前を出発し、中郷十字路から北に向かいました。「準備工事」と称して現在行われている工事の中心地域のど真ん前、道路に面した土手に黒い防草シートが張られ、それに白い塗料で「もっと死を もっと環境破壊 CO2を」「温暖化で米も実らない未来」と書かれています。そのすぐ先には田植えがされたばかりの水田。この後、成田用水決戦の地の天神橋集会所などを経由して出発地点に戻りました。
私自身は成田用水決戦のころは直接には知らないのですが、それより後の時期にこの辺りをデモをした記憶があり、天神橋集会所はよく覚えています。冬場でもTシャツ1枚の上にヤッケというのが私の基本スタイルでしたが、デモ前はさすがに寒いものの「デモした後にちょうど良くなる」のだと仲間に語ったのは確かこの場所でした。
それぞれの感慨を胸に、決起を始めた住民と連帯しながら新たな闘いに踏み出していく出発点となるフィールドワーク&デモとしてやりぬくことができたと思います。