7・6農楽まつりへ  萩原富夫さんインタビュー 成田空港機能強化は粉砕できる 農地死守、三里塚の大地に触れよう 米帝トランプのイラン爆撃弾劾

週刊『三里塚』02頁(1162号01面01)(2025/06/23)


7・6農楽まつりへ
 萩原富夫さんインタビュー
 成田空港機能強化は粉砕できる
 農地死守、三里塚の大地に触れよう
 米帝トランプのイラン爆撃弾劾

(写真 トウモロコシが実る畑を背に)


 米トランプ政権はイラン核施設への爆撃を行った。怒髪天を衝く事態だ。ヒロシマ・ナガサキの惨劇が目の前で繰り返されようとしている。こんなことが許されていいのか! 嵐のような怒りの決起が全世界で沸き起こっている。6・14反戦闘争で戦闘的な反戦デモを打ちぬいた全学連・青年労働者の白ヘル部隊をさらに拡大し、米帝最大の同盟国=日帝・石破政権を打倒しよう。デモで不当逮捕された女子学生、天皇来沖に抗議し起訴された学生を全力で奪還しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける7・6農楽まつりに集まろう。デモの出発点である市東さんの南台農地も、まつり会場である東峰の萩原さんの畑も、半世紀以上にわたる国家権力の農地強奪攻撃を打ち破ってきた勝利の畑だ。東峰の萩原富夫さんにお話を伺った。

平気でうそをつくNAA

----成田空港会社(NAA)が機能強化【①B滑走路の北延伸3500㍍化、②第3=C滑走路の新設、③深夜早朝の発着の制限大幅緩和】を進めようとしています。
 住民の生活を踏みにじる攻撃であり絶対に許せないが、NAAが鳴り物入りで大宣伝している割には、現実の工事は進んでいません。第3滑走路予定地の7割近くが民有地で、約200戸が直接の移転対象とされるが、用地買収・取得の見通しがついたのがこの3月末の時点でまだ74%です。
----工事を進めるめどが立たない数字ですね。
 菱田のフィールドワークでも見たと思うけど、田植えをしてメッセージを書いて、立ち退きを堂々と拒否している人がいる。NAAも住民追い出しのため無尽蔵に金が使えるほど余裕はない。マスコミは「NAAは200人体制で用地買収を進めているが、2029年度の供用開始はむずかしい」と書いてる。
 こんな大規模工事が計画通りに進まず、1年、2年と遅れれば大打撃。われわれの闘い方いかんで実際に「見直し」「断念」を強制し、破綻に追い込むことは十分可能と言えます。
----6月16日、熱田派の一坪共有地明け渡し、建物撤去を命じる判決が千葉地裁で出されました。
 裁判長は、市東さんの耕作権裁判で反動判決を下したのと同じ、民事2部の齊藤顕。やはりNAAの言い分を丸ごと受け入れ、C滑走路建設は合理的理由があるから土地をNAAに単独取得させろと。「仮執行宣言」は付けなかった。
 1994年に空港公団が円卓会議で「あらゆる意味で強制的手段を用いない」と社会的に公約したことについて、今回の判決も「土地収用法に基づく収用手続きはしないと言っただけ。民事訴訟は関係ない」と白を切った。そんな勝手な解釈があるか! 熱田派が円卓会議の成果として押し出した「あらゆる意味で強制的手段用いず」の約束の現実がこれです。権力とNAAは平気でうそをつく連中です。
----しかしこの判決もまだ一審だから、今後も続くでしょう。
 機能強化のワンターミナル構想(現在の旅客ターミナルを段階的に廃止して一つの巨大ターミナルに集約する)にとっては、この一坪共有地がものすごくじゃまだ。
 もちろん市東さんの家と南台農地、わが家の清水の畑、東峰地区などが空港の拡張・完成に立ちはだかっています。報道によれば、現在の空港用地に残る「未買収地」は11カ所、計2・9㌶。機能強化は大ピンチ。敵のあせりが見て取れます。

軍事空港建設阻止の闘い

----「空港絶対反対」で闘ってきた反対同盟の存在が決定的ですね。
 第3滑走路構想を最初に暴いたのも、一斉行動で署名運動を開始したさなかだった。
 騒音に苦しんできた周辺住民の方々が今、夜間飛行差し止めを求めて裁判を起こしているが、同盟が体を張り前面に立って闘ってきたから、住民の方々ものびのびとやれているんじゃないかな。
----耕作権裁判もいよいよ控訴審に入りますね。
 まだ一件記録が東京高裁に届いてない段階で、すぐに期日が決まるわけじゃないが、成田廃港に追い込むために時間を有効に使わなければね。
----「新しい成田空港」構想が「成田空港第2の開港プロジェクト」と名を変えました。
 「第2の開港」ってB暫定滑走路供用の時も使ってたフレーズ。新味がない。だったらこっちは「第2の開港阻止決戦」を打ち出すかな。
----米帝トランプがついにイランの核施設の攻撃に踏み切りました。
 この侵略戦争を絶対に許してはなりません。他国へ爆弾を落とし、従わせ支配する、まさに「帝国主義」という言葉がぴったりのやり口です。
 今成田は、右肩上がりの需要回復だ、インバウンド政策だと叫んで、外国人観光客を呼び寄せようと躍起になっている。実際にインバウンド需要の主力になってるのは中国の人たち。日帝は今その中国に向けて、ミサイルを配備し侵略戦争をかまえている。実に矛盾しています。
 結局最後は、採算度外視で国策として成田を軍事空港として活用するという腹が、今の日本にはある。だからとにかく今機能強化推進なんだ。
 米国の労働者・学生の反トランプ決起に連帯し、またパレスチナ・中東人民、中国・アジア人民と連帯し、反戦闘争、帝国主義打倒闘争を作り出すことが今決定的です。三里塚は「反戦の砦(とりで)」として先頭に立つ決意です。


野菜も人も三里塚で育つ

--「米の値段」が大きな焦点になっています。
 「米が高い」のではなく「賃金が安い」ことが本質的問題です。減反政策が続けられ米農家がやっていけなくなるほど、米の値段は低く抑えられてきた。労働者庶民は安い米に慣らされてきた。
 農家は米を作り続ける意欲まで打ち砕かれ、戸数がどんどん減らされてきました。
 大規模化すれば解決するなんて言う人は、農家の現状を何もわかっていない。中小規模農家の奮闘で日本の米生産が成り立っていることを認め、真っ先に中小、兼業を政府が支えて当然です。
 労働者と農民が連帯して、生きていけるだけの賃金、収入を寄こせ、と立ち上がる時です。
----今回も清水の畑が農楽まつり会場ですね。
 スイカ、トウモロコシ、焼きそばなどを提供する予定です。
 昔から三里塚は、おいしい作物を育て、同時に多くの人を育ててきた場所。この間、市東さんの天神峰農地強制執行と実力で闘ったことに確信を深めて、全学連が隊列を増やしていると聞いています。三里塚の大地に触れて、この流れをもっと加速してほしいですね。
----反対同盟は来年60年の節目を迎えます。
 派手な闘いもあったが、われわれ農民の闘いはこの地で地道に耕し続けることがあくまで基本です。農楽まつりでお会いしましょう。
----ありがとうございました。
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7・6農楽まつり

 7月6日(日)午前10時30分
 成田市天神峰・市東さんの南台農地集合/東峰・萩原さんの清水の畑までデモ/
 正午 農楽まつり
※飲食あり
※昼食持参して下さい
※雨天中止
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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