ピンスポット ガザ支援へ地中海を決死の航海 グレタさん世界に訴え 「虐殺への沈黙こそ危険」
週刊『三里塚』02頁(1162号01面04)(2025/06/23)
ピンスポット
ガザ支援へ地中海を決死の航海
グレタさん世界に訴え
「虐殺への沈黙こそ危険」

環境活動家として知られるグレタ・トゥーンベリさんら12人は6月1日、パレスチナ・ガザ地区に届ける支援物資(粉ミルク、小麦粉、おむつ、生理用品、医療用品など)を載せてイタリア南部シチリアから小型船メドリン号で出発した。
命の危険を伴う船旅に世界中が注目した。1カ月前には同様の支援船がマルタ沖でドローン攻撃を受け、航行を断念。2010年にはトルコから出発した大型の支援船がイスラエル特殊部隊の襲撃を受け9人が死亡した。
だが「政府や国際機関」が無力性をさらす今、覚悟は決まっていた。「ジェノサイドへの沈黙ほど危険なことはない」「私たち全員がパレスチナ人の正義のための闘争に加わり支援する必要がある」との力強いメッセージを発し、グレタさんらは航海を進めた。
9日、イスラエル軍は公海上でメドリン号を拿捕(だほ)し、乗員を「国外退去」処分にした。それを聞いた米大統領トランプは、「グレタは若くて怒っている奇妙な人物」とあざけった。
グレタさんは10日にパリで記者の質問に答えて(写真)「世界には若くて怒る女性がもっと必要だ」と述べ、一層不屈に闘う姿勢を示した。