南台農地を守り、成田機能強化を粉砕しよう 農楽まつり盛大に開催 労農学120人、軍事空港阻止へ誓い新たに
南台農地を守り、成田機能強化を粉砕しよう
農楽まつり盛大に開催
労農学120人、軍事空港阻止へ誓い新たに
敷地内をデモ




市東孝雄さんが日々育てている作物が青々と実り、耕作権裁判で争われている南台の畑で、反対同盟事務局の太郎良陽一さんが第一声を発した。「資本主義の現実と闘い続けてきた勝利の証しがこの南台農地であり、今日のまつり会場である萩原さんの清水の畑だ。耕作権裁判一審不当判決を許さず、東京高裁での控訴審を闘おう。市東さんの農地を守り抜こう」
力強くシュプレヒコールを上げてデモに出発。婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーのマイクで、南台農地を守り、戦争を阻止するアピールを一帯に響かせた。
デモの途中にある市東さん宅わきの天神峰農地であった場所が、鉄製の高いフェンスで包囲されている情景は、デモ参加者の怒りをかき立てた。誘導路を走行する旅客機の機体を間近に見ながら、東峰神社前を過ぎ、東峰の萩原さんの清水の畑までの約2㌔のデモを貫徹した。反対同盟と支援連絡会議が用意した、ゆでトウモロコシ、焼きそば、かき氷などが参加者にふるまわれた。
司会をつとめる婦人行動隊の木内敦子さんの「いつかこの地で、空港やフェンスがなくなり勝利のお祭りができることを、来るたびに夢想します」というあいさつで、まつりが始まった。
オープニングライブとして「いなのとひら・のとこば」のトリオが、オリジナル曲を演奏した。
反対同盟事務局の伊藤信晴さんが主催者あいさつに立った。「マスコミも言うように、機能強化は前途多難だ。芝山町の町民の死亡原因の第一位が心疾患だとの調査結果は、まさに騒音が人を殺すということ。市東さんの農地を守り、軍事空港粉砕へ闘おう」
動労千葉の関道利委員長が連帯のあいさつに立ち、6・15国鉄集会で市東さんが動労千葉との連帯を表明したことに応えて、「車の両輪」として共に闘うことを誓った。そして、11・2全国労働者集会を動労千葉、改憲・戦争阻止!大行進、国鉄闘争全国運動の3団体の主催で、芝公園において開催することを発表した。また9月19日の国鉄解雇撤回1047名闘争控訴審で、一発結審を許さず東京高裁を包囲して闘うことを訴えた。
関西実行委のあいさつに続き、再び音楽ライブに。京都から駆けつけた川口真由美さんらが、闘いの歌を披露。川口さんは強制執行への怒りとともに、「いつかこの地で勝利のお祭りを開くと言われていた。私もそれに賭けたい。共に闘おう」と叫び、歌に熱を込めた。
そして、宮本麻子さんがカンパアピールに立ち、「トランプはイラン核施設を爆撃し、石破政権は中国侵略戦争を準備している。反対同盟は沖縄・福島と連帯し、農地死守・軍事空港反対で闘います」と訴えた。
ここでスイカがふるまわれ、参加者ののどを潤した。
10・12集会へ
リレートークに入った。最初に、全国農民会議共同代表の小川浩さんが発言し、「米騒動」、米価高騰の原因について、自民党農政による減反政策を続けてきた結果、実際に米の生産量が不足したことを指摘した。そして、戦後の農政は一貫して農業から収奪し、労働力を農家から奪う農業つぶしであったことを明らかにし、三里塚のように農民が自分たちの力で社会を変えることが必要と強調した。
婦人民主クラブ全国協議会の川添望さんは、6・14闘争で不当逮捕された全学連のBさん奪還の闘いを報告。7・19女性反戦集会への結集を呼びかけた。
神奈川労組交流センター代表の西田貴広さんは、郵政民営化の大破綻が「点呼問題」として爆発していると指摘し、三里塚を闘う決意を表明。
三多摩労組交流センター代表の徳永健生さんは、90年代の二期決戦行動隊の経験を語り、三里塚の不屈性が戦争を止める力だと強調した。
成田夜間飛行差し止め騒音訴訟団の原告は、騒音にさらされてきた住民が健康を侵害され「突然死」した事例を挙げ、被害の深刻さを訴え、裁判の傍聴を呼びかけた。
全学連の小川智史さんは、23年2月の天神峰強制執行の動画を見て「その映像は僕の社会への絶望と無力感を打ち砕き、実力闘争が社会を変える現実性を持つと確信し、全学連に合流した」と自らの経験を述べ、反戦闘争の先頭に立つ鮮明な決意を表した。
市東孝雄さんがあいさつに立った。「反対同盟59年、国家権力をもってしてもまだつぶせていない。声を出し、あきらめずに、そして最終的には完全勝利へ。体が続く限りがんばります」
市東さんのこの決意を全員が受けとめ、「反対同盟の歌」を熱唱した。
最後に東峰の萩原富夫さんが「行動提起」を行った。「10月12日に成田市赤坂公園で三里塚全国集会を開催する。周辺住民の飛行差し止めを求める騒音訴訟を支え、共に勝利していきたい。ジェット機の排ガスをまき散らし、温暖化を促進する資本主義のあり方を変え、戦争を止めるために全力で闘おう」
「農楽まつり」の大成功を確認し、萩原さんのリードで団結ガンバローを三唱した。
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59年「農地死守」貫き 発言から
「完全勝利」を共に目指して
敷地内天神峰 市東孝雄さん

反対同盟59年、国家権力をもってもまだつぶせないと。それはなぜかというと、やはり、動労千葉をはじめ車の両輪として闘ってきた実績、それと市民・学生、そういう人たちの力を借りてここまで反対同盟は生き延びてきました。これからもやっぱり農地死守、戦争絶対反対をもってこれからも闘っていきます。そして何よりも、国策としての福島、沖縄、三里塚を一つの闘いとして、これからもみなさんと共に闘っていきます。
何よりも声を出していかなければ、あきらめずに闘うということを、そして最終的には完全勝利と、そこまでやはり闘っていきたいと思います。体が続く限り頑張ります。
どうかみなさんよろしくお願いします。
耕作権不当判決を許さない
事務局員 太郎良陽一さん

暑い日が続き、虫が発生し、花は咲かない。採れるものが採れない。温暖化を阻むためにも頑張らなければならない。
市東さんのこの農地の裁判で不当にも明け渡し判決が出されました。裁判所は国家機関のひとつ。何の期待もできない。裁判所をたたき潰すような闘いが必要です。
現地では「第2の開港」ということを騒ぎ立て、山という山を全部削り、資本家には金が集まって、労働者には安い賃金・温暖化で生きられない状況が強制されようとしています。
世界では戦争が起き、人が住んでいるところに平気で爆弾を落として殺している。この金の世の中、資本主義を倒すために、私たちは農地を守りながら国策である空港建設を阻んできました。
皆さんの徹底非妥協の実力闘争・共同闘争、反対同盟が農地にしがみつきながら闘ってきた成果が今日集まる清水の畑です。この社会を変える団結をつくろう。市東さんの農地を皆さんで守り抜いていきましょう。
中国侵略戦争阻止の闘いへ
事務局員 白桝 伊藤信晴さん

異常気象で自然の摂理が臨界点を超えて地球全体が崩壊に向かっていくという話を先日、聞きました。それと同じように政治もトランプを先頭にした帝国主義者の横暴極まりない状況が進行しており、それに対する人民の決起も起きています。
中国侵略戦争・第3次世界大戦が目前に迫る情勢の中で、私たちは59年闘ってきた地平から全人民の決起を信じ、たじろぐことなく反戦の道、日帝の侵略に向けた策動と対決していきたい。
5月に機能強化本格着工の記念式典がNAA本社で行われました。マスコミ報道にもあるように前途多難で民有地の26%が契約を拒否している。
また、千葉全県の全市町村でがんが死亡原因第1位ですが、騒音下の芝山町だけは心疾患が第1位。騒音が人を殺している。その一点だけで空港を粉砕しなければならない。にもかかわらずNAAは市東さんの農地の強奪を狙っている。
私たちは成田軍事空港粉砕、農地死守、実力闘争の原則を貫き、この情勢に立ち向かいたい。
「第2の開港」を粉砕しよう
敷地内東峰 萩原富夫さん

全国集会は10月12日、赤坂公園です。結集をよろしくお願いします。
機能強化、「新しい成田空港」構想を「第2の開港プロジェクト」と呼ぶと発表がありました。そもそも暫定B滑走路の供用開始したときも「第2の開港」と言ってたのに、また同じことを言って本当にしょうもない。
私たちは毎月、フィールドワークをやっております。全学連の学生やいろんな方が集まってくれています。
土地を売る契約してない人もたくさんいらっしゃいます。騒音に対して住民が訴訟で闘っております。反対同盟と皆さんの闘いが住民の闘いを支え、共に勝利していく。これからも機能強化反対を取り組んでいきます。
市東さんの耕作権裁判の日程が決まりましたら、東京高裁の方にぜひ参加して下さい。
暑い中ですが、よく参加していただきました。6月から30度という異常気象。排ガスをまき散らし温暖化を促進する産業形態、この資本主義のあり方を変えていくためにも、私たちはこの農業を守る、そして空港の建設を阻止する。戦争反対も含め、いろんな課題を考え、訴えながら、闘っていきたいと思います。
11・2労働者集会に結集を
動労千葉委員長 関道利さん

市東さんは6・15国鉄集会で動労千葉と共に闘い続けると宣言し、農地死守、成田空港軍事空港粉砕を訴えました。私たちはこの思いを受けとめ、闘っていきます。
私たちは二十数年、11月労働者集会を開催をしてきました。しかし、困難な状況が今生まれています。詳細は省きますが11月2日、芝公園で全国労働者集会を開催をします。ここに結集された皆さんはぜひとも結集をしていただきたい。今の情勢で私たちが戦争絶対反対の闘いをしていくことが非常に重要です。
国鉄1047名解雇撤回闘争控訴審第1回の期日が9月19日となりました。私たちが大法廷を要求しているにもかかわらず、警備法廷を指定してきた。私たちは当日、日比谷公園に集まり、高裁を囲むデモを貫徹し、一発結審を粉砕する闘いを展開をしていきたい。
現場のことで一言。幕張車両センターで熱中症での死亡事故が起きました。何層にもわたる外注化が原因だと思います。
動労千葉は市東さん、反対同盟とともに最後まで闘います。
減反政策こそ米高騰の原因
全国農民会議共同代表 小川浩さん

今回の米不足、起きた原因は何だと思いますか。国が全体の生産量を決め、県市町村から個人にまで、あなたの米の主食米の生産数量はこれだけですよと割り当てている。ちょっと需要が増えたり、暑さのせいで品質が落ち、精米具合も悪くなると、実際の収量とはかなり誤差が出る。誰かが隠しているのではなく、米の不足が流通にも混乱をもたらし、今回の事態になった。
そもそも国は、米は市場にまかせるとした。米が余ったら安くなって農家が困るだろうと減反政策が始まったけど実際にやってみたら米は1万円以下に。減反は農家のためではなかった。農業つぶしの戦後の農政だったと今回の米騒動ではっきりした。
農地がなくなって農民がいなくなったら、労働者も食料が食べられない。農民や労働者が三里塚のように国や野党にお願いするのではなく自分たちの力で変えていくしかない。
市東さんの農地を守ることが農業を守ることにつながることをはっきりさせ今後も闘う。
実力の闘いが社会を変える
全学連 小川智史さん

全学連は耕作権裁判不当判決を断じて許さない! 今回の反動判決は三里塚闘争を解体し成田空港を兵站(へいたん)拠点として軍事利用しなければ戦争が出来ないという日帝・石破政権の焦りに他なりません。同時に確認したいのは裁判所が「仮執行宣言」をつけることが出来なかったのは、国家権力の労働者学生農民の実力闘争への恐怖を表しています。
この実力闘争が戦争を止め、社会を変える唯一の展望だと僕が最初に学んだのが、三里塚闘争でした。全学連に入って本格的に活動する前に天神峰強制執行との闘いのユーチューブを見ました。
その映像は僕の社会に対する絶望と無力感を打ち砕き、労働者・学生・農民による実力闘争が社会を変革する現実性を持ってると確信させるものでした。これは何も僕だけではありません。今日来ている仲間の中には、初めてこの三里塚の地に来た新入生もいます! 全学連は三里塚闘争の反戦の実力闘争の精神を全面的に継承し、8・6広島決戦を闘います!