第145回一斉行動 空港と自民党に怒り 「飢餓は他国の話ではない」

週刊『三里塚』02頁(1166号02面03)(2025/08/25)


第145回一斉行動
 空港と自民党に怒り
 「飢餓は他国の話ではない」


 三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は8月24日、145回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
 午前8時半、成田市天神峰の反対同盟会議室前に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った(写真)。芝山町白桝の伊藤信晴さんが7・25団結街道裁判不当判決を弾劾し、ますます反動の牙城と化す千葉地裁を人民の怒りで包囲し闘いを盛り上げる決意を語った。
 この日用意された反対同盟ニュース第140号は、成田市による前代未聞の「廃道処分」を全面的に擁護し、農民殺しの不当判決を出した千葉地裁・岡山忠広裁判長を徹底弾劾する内容だ。
 市東さんの家と畑をすっぽりと空港の中に囲い込むために、200億円もの巨費を投じて建設されたのが第3誘導路だ。この3本目の誘導路を造るのに邪魔として団結街道(成田市道)の廃道を成田市は違法に進め、格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばした。さらに、NAAは市東さんが告知看板設置に抗議したことをもって被害届を出し、逮捕させた。
 あらん限りの金と暴力をもって市東さんをたたき出そうとした策動すべてに、裁判所はお墨付きを与えた。まさに岡山裁判長は万死に値する。
 反対同盟は、「農地死守・実力闘争」こそが勝利の道だと確信を固め、控訴審も断固闘うと宣言している。
 「地域住民の声」は、この裁判の傍聴に何度も訪れた成田市民から。市民が市道を通る権利を守る裁判だと思っていたが、まったく逆の判決であったことに「もはや法治国家とは言えないようだ」と批判している。
 打ち合わせを終えた参加者は同盟ニュースを手に各担当地域へと散った。
 じりじりと暑さが増す中、家で休んでいたある農家は「こんな暑さはないよ。木陰になる木も伐採されて畑にも出られない。みんな空港のせいだ」と語った。
 田んぼの近くでNAAが野鳥の調査をしているのを見たという住民は、「韓国でバードストライクの大事故があったので調査に来たというが、車で乗りつけたら鳥も逃げてしまう。時間をかけて調査しないと。報告書さえ出せばいいという考えなんだろうね。農地が荒れ地となっていくのを見るのはしのびない」。
 また、お米が高くて一時期買えなくなったと語る住民は、「飢餓は他の国の話だけではない。日本の中でも身近なところで起きてる。食は生きるための基本で一番大事なこと。それを守れない国はどうしようもない」。
 また頼まれた田んぼをかなり作っているという農家は「中には水を引けないところもある。成田用水の金だけ払わされて必要な時に水が使えないなら、費用を払う必要はないと思う。この暑さと水不足が田んぼにどう影響するか心配」。
 参院選後ということもあり、今の政治への怒りも多く寄せられた。
 「自民党内で選挙で負けた責任をとって石破はやめろという声があるが、もとはと言えば安倍政権時代の裏金問題が原因。やめろと言っている人たちが一番問題だろう。日本は自動車の関税を下げるために米も武器も大量に買う約束をさせられた。米は国内でまかなうことはできるのだからそうしないとダメ」
 また別の住民は、「トランプと同じようなことを言っている参政党に若い人たちが引き付けられているようだが、芝山町ではまったくの不評だ。自分だけよければいいという考え方では世の中まわらない」。
 この間、NAAの社長が田村明比古から藤井直樹へと交代したが、あいさつに来ることもなく職員を送り、ふんぞり返っている実態について暴露・弾劾の声もあった。
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