戦争に突き進む高市政権倒そう 中国侵略戦争想定し統合演習激化 民間空港・港湾の軍事使用許すな

週刊『三里塚』02頁(1173号01面01)(2025/12/08)


戦争に突き進む高市政権倒そう
 中国侵略戦争想定し統合演習激化
 民間空港・港湾の軍事使用許すな

(写真 南紀白浜空港【和歌山】でF15戦闘機が離着陸訓練【10月21日】)

(写真 民間の石垣港を使って自衛隊車両が運び込まれた【10月22日】)

(写真 水陸機動団を運ぶ陸自オスプレイ【10月27日 長崎県佐世保】)

(写真 鹿児島空港では弾薬搭載訓練が強行された【10月30日】)


 日帝・高市政権は、「台湾有事は存立危機事態」発言で、中国侵略戦争突入へ踏み切った。高市は発言撤回要求をはねつけ、排外主義をあおりたて、すべて軍事を優先する戦時体制の構築に死活をかけている。帝国主義の延命のために労働者人民の生活を破壊し、中国侵略戦争―世界戦争を強行する支配階級ブルジョアジーを労働者の反戦決起で打倒しよう。高市は今臨時国会で補正予算案を通過させ防衛費の国内総生産(GDP)比2%達成、「危機管理投資・成長投資」での造船・半導体など経済安保分野への大型投資を決定しようとしている。さらには、武器輸出の拡大、非核三原則の解体、原子力潜水艦の保有などが進められようとしている。柏崎刈羽原発・泊原発再稼働を阻止しよう。三里塚闘争が国家権力との死闘に打ち勝ち軍事空港建設を阻んできた最深の根拠の一つが、革命的祖国敗北主義の立場を貫いてきたことにある。実力闘争の思想とともにその真価をかけ「反戦の砦(とりで)」=三里塚闘争勝利へ闘おう。空港・港湾など公共インフラの軍事使用を許してはならない。
 高市の中国侵略戦争参戦国化の攻撃は、今年の日米共同軍事演習を見れば明らかだ。すでに「キーンエッジ25」などの日米共同演習では、中国を「敵国」規定し、実戦を想定した訓練を繰り返してきた。それらの集約が10月20~31日に行われた自衛隊統合演習だ。沖縄をはじめとする各地で反戦・反基地闘争は闘われたが、民間空港・港湾の軍事利用を阻止する闘いの重要性はますます大きくなっている。
 25年自衛隊統合演習は、過去最大規模であり、自衛隊統合司令部が発足して初めての統合演習だ。自衛隊5万2300人、米軍5900人、オーストラリアから230人が参加。米軍嘉手納基地に日米共同指揮所を設置し、南西諸島を戦場とする想定での訓練だった。

インフラ総動員

 とりわけ、40以上もの民間空港・港湾・漁港が使用され、民間船が自衛隊の部隊や装備、実弾を運ぶなど、全国の戦場化、戦時動員づくりが行われたことは重大だ。
 民間空港の使用では、攻撃などで基地が使用できない場合を想定した実戦さながらの訓練が強行されている。南紀白浜空港(和歌山県)で、F15戦闘機などがタッチ・アンド・ゴー(連続離着陸)の訓練。鹿児島県の鹿児島、奄美、徳之島の3空港では、タッチ・アンド・ゴーや航空機を一時退避・着陸させての軍用機の燃料補給訓練を行った。鹿児島空港では、弾薬搭載訓練もやる激しさだ。
 陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀県)の「オスプレイ」は、隊員輸送訓練を初めて行った。V22オスプレイが配備された佐賀駐屯地から4機が飛び立ち、相浦駐屯地(長崎県)を経由して水陸機動団約100人を上五島空港と福江空港(長崎県)に運んだ。V22は両空港で離着陸訓練も行った。これは、南西諸島への輸送を想定したものだ。
 自衛隊関係者は「有事の際の迅速な部隊展開や物資輸送のため、利用できる拠点は多ければ多いほど良い」と語り、小泉防衛相は10月31日の閣議後記者会見で、「自治体と連携、協力しながら(訓練を)進めるのは有益だ。引き続き理解を得られるように努力をしていきたい」と、軍事利用の全面化に全力を挙げている。
 民間船を使用した訓練(自衛隊が民間船を借り上げたPFI船舶)では、各地の民間港を使用し武器・兵員を運んだ。仙台塩釜港(宮城県)から大分港(大分県)を経由して鹿児島県奄美大島の名瀬港まで輸送する訓練は、12式地対艦誘導弾など実弾を含む装備と地対艦ミサイル連隊を運んだ。弾薬・実弾を積んだ民間のコンテナトレーラーを北海道の苫小牧港から大分港に輸送する訓練や、苫小牧港を出発して蒲郡港(愛知県)経由の訓練はパトリオットミサイル(PAC3)発射機やレーダー装置、燃料タンク車などを搭載し、沖縄県の中城湾港(沖縄本島)、平良港(宮古島)に運んだ。
 このように今年の自衛隊統合演習は、公共インフラの軍事利用を拡大した。日帝は、民間の総力戦体制を構築することなくして、中国侵略戦争を貫徹することができない。すでに、特定利用空港は14空港、特定利用港湾は26港湾の計40公共インフラが指定されているが、年々拡大している。今回の軍事演習では、「特定利用」指定外の大分港が利用された。このような軍事利用の既成事実化が平然と進められているのだ。
 陸上自衛隊はイギリス軍との実動訓練「ヴィジラント・アイルズ25」(11月5~20日)を北海道大演習場などで実施した。さらに、イタリア陸軍主催の多国間空挺演習「マングスタ25」(11月7~28日)にも参加。侵略軍としての性格が一層鮮明になっている。断じて許すことはできない。

反戦に立つ時だ

 この闘いの帰趨は、三里塚闘争にかかっている。半世紀以上にわたって軍事空港建設を阻んできた「反戦反権力の砦」=三里塚は、全国の反戦反基地闘争の中軸としてそびえたっている。
 成田軍事空港粉砕の意義は、日本における反戦闘争として決定的だ。軍事兵站(へいたん)拠点づくりのための成田空港拡張計画・「成田エアポート構想」を粉砕しよう。
 反対同盟が掲げる「絶対反対・実力闘争」の旗印を鮮明に、中国侵略戦争阻止・高市打倒の反戦闘争に立ち上がろう。その闘いの爆発と一体で、市東さんの南台農地を守りぬく巨大な陣形を構築しよう。

このエントリーをはてなブックマークに追加