明日も耕す 農業問題の今 名ばかりの有機農業推進法 目指すのは国際競争参入

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週刊『三里塚』02頁(1178号02面05)(2026/02/23)


明日も耕す 農業問題の今
 名ばかりの有機農業推進法
 目指すのは国際競争参入


 農水省は、有機農業推進の方向性を定める基本方針の見直しに着手した。基本方針は有機農業推進法に基づくもので、おおむね5年ごとに見直しており、7月をめどに新しい基本方針を取りまとめる。
 新たな基本方針は、2021年に策定された「みどりの食料システム戦略」や、改正食料・農業・農村基本法を初めて反映する。
 「みどりの食料システム戦略」は、持続可能な食料システムの構築をうたい、2050年までに①農林水産業の二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロ、②有機農業を全農地の25%(100万㌶)に拡大、③化学農薬の使用量半減などを目指すものだ。
 現行の基本方針では、有機農業の取り組み面積を2030年までに6・3万㌶とする目標を掲げている。直近の23年度の実績は3万4500㌶で、前年から4400㌶増加。面積は徐々に増えているが、耕地面積全体の1%に満たない。

先端技術に依存

 こうした中で、農水省は有機農業の拡大につながるスマート農業技術の導入を支援する事業を新設した。
 「先進的有機農業拡大促進事業」というもので、市町村の「地域計画」に位置付けられた有機農家が、自動草刈り機や抑草ロボットといった機械を導入する費用の5割を補助する。有機JAS認証に対応した加工設備や有機専用の保管庫などの導入費用も対象にする。
 2025年度補正予算の「みどりの食料システム戦略緊急対策交付金」(40億円)に盛り込んだ。
 「みどりの食料システム戦略」は、目標を実現するためにイノベーションやスマート技術で課題を克服するという。
 だが、もともと有機農業とは自然の摂理と向き合い、自然との共生の中で営まれるものだ。イノベーションなど、本来相容れない。
 見かけだけの「有機」が広がるわけがない。

立法理念形骸化

 そもそも有機農業推進法は、2006年12月に議員立法で成立・施行されたもので、策定過程には有機農業に携わる人も関わっていた。
 同法は国・都道府県・市町村がそれぞれの行政の中で有機農業を推進しなければならないと義務づけている。
 いわば草の根の下からの力で成立を勝ちとったような法律だ。
 だが、「みどりの食料システム戦略」の下で国が進める基本方針の見直しは、立法の理念を形骸化し、「有機農業推進」と言いながら、有機農業を名ばかりの別物にしてしまう有機農業つぶしに他ならない。
 国が有機農業を進めるのは「脱炭素」「持続可能」や有機農業をめぐる国際的な競争に参入するためだ。農産物や技術の輸出を拡大するためだ。
 デタラメな「有機農業」を許すな! 真っ当な有機農業を営む市東さんの南台農地を奪われてなるものか! 実力阻止の決意を新たにしよう。
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