明日も耕す 農業問題の今 「食料安保のための農業」 高市施政方針演説批判
週刊『三里塚』02頁(1179号02面04)(2026/03/09)
明日も耕す 農業問題の今
「食料安保のための農業」
高市施政方針演説批判

(写真 全ては戦争に向けて)
高市首相は2月20日、特別国会の施政方針演説で「これまでの政策のあり方を根本的に転換していく」として、「防衛力の抜本的強化」「改憲を早期に実現」と宣言した。そして農林水産業を「食料安保のため」と押し出した。
高市は帝国主義としての延命をかけて中国侵略戦争に踏み切る中で、先の衆院選で全権委任を得たとばかりに戦時国家体制への「大転換」に打って出たのだ。
演説の中で最も強調した「責任ある積極財政」は、防衛費の国内総生産(GDP)比5%化をはじめ、国家財政のすべてを「戦費」とするものに他ならない。
もちろん農業もそうだ。農業に関する部分は次の言葉から始まる。
「国土保全に加え、食料安全保障の確保のために、農林水産業の振興が重要です。供給と需要をともに伸ばし、食料自給率の向上を実現します」
戦争遂行のため、安全保障のための農業という位置づけを隠そうともしない。安全保障が当然のこととして、国会やマスコミで受け入れられているからだ。
そして、「全ての田畑をフル活用」や、「5年間の農業構造転換集中対策期間」を掲げ、「世界トップレベルの植物工場、衛星情報、AI解析などのスマート農業技術の開発・実装」と「経営の体質強化や新品種の開発促進」で生産性を抜本的に向上させるとした。
「構造転換」とは
ここでも強調されている「農業構造転換集中対策」について、あらためて見ておきたい。これは①農地の大区画化、②共同利用施設の再編・集約、③スマート農業技術の開発・普及、④輸出産地の育成の4本柱に取り組み、農業の構造転換を進めるというものだ。
政府は25~29年度の5年間を「農業構造転換集中対策期間」と位置づけていて、その財源に充てるために、26~29年度の4年間で、JRAから総額1000億円の拠出を受けるという。
農水省は、こうした拠出を可能にする特例を盛り込んだ「臨時措置法案」を提出する方針で、26年度予算案に合わせた成立を目指している。
怒りの決起を!
財源はどうあれ、①~④に示されているものは、大規模・イノベーションにシフトした農業、企業による農業だ。「農林水産業の振興」や「生産性の向上」は企業に任せた上で、これまでの「農民」を解体・壊滅させる攻撃が「構造転換集中対策」だ。
だが、「食料自給率100%」も「農業構造転換」も机上の空論であり、高市の食料安保には何ら展望はない。
それどころかアメリカ・トランプが世界戦争に突進する激動の中で、高市の言葉とは裏腹に、食料自給の脆弱(ぜいじゃく)性と農業崩壊は「令和の米騒動」をはるかに超えて労働者民衆の生活を直撃し、怒りの決起を不可避とする。
戦争総翼賛国会を粉砕して戦争を止めよう。高市打倒へ闘おう。